• 7月7日に発売されたルンバ新製品「ルンバ i2」。お手頃価格のエントリーモデル、実力を見ていきます!

    7月7日に発売されたルンバ新製品「ルンバ i2」。お手頃価格のエントリーモデル、実力を見ていきます!

アイロボットが7月7日に発売したロボット掃除機の新製品「ルンバ i2」の本体価格は39,800円。最上位機種のs9+が186,780円、今年2月に発売したj7+129,800円なので、i2はかなりのお手頃価格です。

アイロボットとしては、今までルンバを使ったことがない人に使ってもらうためのハードルを下げた戦略的なモデル。とはいえここまで安いと、ちゃんと掃除できるかどうか気になるところ。

というわけで、 j7+、 i3+を使ったことがある筆者が、早速i2を自宅で使ってみました!

  • ルンバの写真が掲載された化粧箱。普通の段ボールよりちょっと気分が上がります

箱から出したらすぐに使える。準備が簡単

今回使用した「ルンバ i2」(以下、i2)は、ルンバ本体とアクセサリーが同梱されたモデル。

ルンバの中でも「i3 +」や「j7 +」など型番に「+」がつくモデルは、充電台とダスト容器が一緒になった「クリーンベース充電ステーション」を同梱しているため、大きな箱に入っていますが、i2の梱包サイズは幅47.6×奥行き43.4×高さ15.1cm、梱包の重さは4.97kgなので片手でも持ち上げられる軽さです。

ちなみにルンバ本体の大きさは34.2×9.2cm(最大幅×高さ)、重さは約3.2kg。ホームベースをコンセントにつなぎ、ルンバをセットして充電します。充電時間は約3時間。1回の充電で稼働時間は最大75分です。

  • すぐに本体を取り出せます

  • 本体の下におさまっているアクセサリーを取り出しましょう

  • 充電用のホームベース、交換用のフィルター、電源コードを同梱

  • 取扱説明書とセッティングの手順書も同梱。しっかりとした紙で管理しやすいです

  • 天面がグレーカラーで、指紋などの汚れが目立ちにくいです。上部の突起は赤外線受信部

  • ボタンは3つ。左からHomeボタン、CLEAN/電源ボタン/Spotボタン

家電は、スタンドの組み立て、パーツの組み立て、たくさんの梱包を開く作業など、使う前のセッティングが面倒なものが結構あります。その点i2は買ってきたらすぐに使えるため、初めて使う人に優しいのではないでしょうか。

さっそくi2のお掃除をチェック!

部屋の隅に入り込んだゴミを掻き出す「エッジクリーニングブラシ」(左上にある3つの柔らかい脚)と、2本の「ゴム製デュアルアクションブラシ」の組み合わせは、i3シリーズやj7シリーズと同じ。「エッジクリーニングブラシ」の動きで、壁際や家具の足回りなどのゴミをキレイにします。

  • 絶妙な角度でゴミをかきだす「エッジクリーニングブラシ」と、緑色の「ゴム製デュアルアクションブラシ」

  • 掃除後はダスト容器に入ったゴミを捨てます

  • フィルターを外せばダスト容器は水洗い可能

i2の動きをみると、椅子など家具の脚まわりの掃除は、エッジクリーニングが家具に届き、ゴム製のデュアルアクションブラシがゴミを吸い込んでいるのがわかります。特に、家具まわりを掃除するときは、いろいろな方向からルンバが掃除をするため、キワのゴミを取り除きます。

掃除の具合がわかりやすいように脚の周りに重曹を撒きました。エッジクリーニングブラシが脚周りギリギリまで迫って掃除をしています ※音が出ます

  • ひと通り掃除したあと。少し床に重曹が残りましたが、脚周りや脚と脚の間はしっかりとれています(残った重曹はもう1度ルンバを動かして吸い取りました)

エッジクリーニングブラシでかき出したゴミを吸い取るのが「ゴム製のデュアルアクションブラシ」。これは1本のブラシがゴミをかき出し、もう1本が逆回転して吸い込みます。吸引力は「ルンバ600シリーズと比較して10倍」で、これはi3シリーズやj7シリーズと同等です。

このパワーを感じるのが、じゅうたんのお掃除。じゅうたんの繊維に入りこんでしまう微細なゴミをイメージして、重曹を撒いてルンバを走らせたところ、1回の掃除でキレイになりました。

じゅうたんの時は掃除する時の音がグィーンとパワーアップします。これは「ダートディテクトテクノロジー」というルンバの技術で、汚れを発見すると集中的に掃除するから。じゅうたんは微細なゴミや髪の毛など、汚れが絡まりがちなので、パワーをアップして掃除する様子は頼もしかったです。

じゅうたんの上の重曹に注目。ちょっとずつずれながらルンバが動いているので、取り残しなくしっかり吸い取れます ※音が出ます

  • 白い部分が重曹です

  • 重曹がキレイになりました。じゅうたんにはルンバが走ったあとが残っていますね

続いて、フローリングからじゅうたんまで、大きめのゴミをイメージして猫砂をまきました。ルンバが掃除した後を見ると、フローリングとじゅうたんの境目の猫砂はちょっと残りましたが、ほぼキレイになっています。じゅうたんの上の猫砂もしっかり吸い取れていました!

  • 猫砂をi2が吸い取っていく様子(gif)

  • ちょっと大きめのゴミをイメージして猫砂をまきました

  • フローリング側から掃除をします

  • 厚みのあるじゅうたんですが軽々乗り越えます

  • じゅうたんの上の猫砂をしっかり吸い込んでいます

  • フローリングとじゅうたんの境目の猫砂は残りました

ダスト容器は水洗い可能。髪の毛が絡まりにくいゴム製ブラシ

本記事の執筆時点で、10日間ほど毎日i2を使っています。じゅうたんなどを掃除すると髪の毛やホコリがよく絡むので、ゴミを吸い込む入り口・デュアルアクションブラシをチェックしてみることに。

デュアルアクションブラシはゴム製なので、ブラシ自体は髪の毛が絡まりにくくなっています。

ブラシを外してみると、端にある軸部分に髪の毛が集まっていたので取り除きました。掃除機や一般的なロボット掃除機などで使われている毛状のブラシの場合、髪の毛などが絡まることが多いですよね。絡まった髪の毛をそのままにしておくと、ブラシが回転しにくくなるため普段はハサミでカットしますが、デュアルアクションブラシはレバーを上げて外して取り除くだけなので簡単でした。

  • 緑のブラシ部分には絡まっているゴミはありません

  • ブラシを外すと、軸の周りに髪の毛がたまっていました

障害物があってもちゃんと通過。床は事前に片付け

コードや靴下などが床にあると吸い込んでエラーになるため、事前の片付けは必要です。 子供向けウエハースのおまけのシールや、小型のプラスチック製ブロックのパーツなども吸い込むため、目ぼしい大きさの落とし物は先に床から拾っておきます。

以前、1枚だけ落ちていたトレーディングカードを吸い込んだ時は、デュアルアクションブラシに挟まって、「ビビビビビ!」と異音をたててエラーになったので、カード類の落とし物にも注意。

ダイニングテーブルと椅子などは、ルンバが入るくらいのスペースをあけておきます。といっても、ゆるく椅子を引き出しておくだけです。

今回、部屋の扉付近にギリギリ、ルンバがとれるだけのスペースをつくって段ボールで邪魔してみましたが、段ボールの壁ギリギリを掃除しながら通り抜けています。障害物があっても、とにかく何度も何度もトライしてしつこく通れるスペースを探すため、「ものがあると、回避しすぎて全然掃除しないのでは」といった不安も不要でしょう。

壁に沿って曲がっていくi2。ギリギリまで寄って掃除します ※音が出ます

基本的にルンバが入れるスペースは掃除できるため、家具の下も大丈夫。カーテンなど布が下がっていて見た目は壁のようでも、ちゃんと進んで布の裏まで入り込んでいました。

垂れ下がった布で隠れたスペースにも入り込みます ※音が出ます

吸い込めるゴミは綿埃、髪の毛、パンくず、シリアルなど、日常的なゴミなら取り除きます。普段は面倒でなかなか掃除しない家具の下の奥なども、通り道を確保すればルンバが掃除を進めます。

和室とフローリングの境目は2cm程度の段差ですが、しっかり乗り越えました。また、我が家の玄関は8cmほどの段差がありますが、使い始めた時は落ちなかったもののエラーが出て停止。その時は、ルンバを別の場所に移動しなくてはならなかったのですが、何度か走らせるうちに学習し、エラーが出なくなりました。

  • 家具の下にも入り込んで奥の汚れを吸い取ります

  • 2cm程度の段差なら乗り越えます

  • 棚の下に置いたおもちゃを入れたバケツ。普段は棚下に置いたままですが、引き出しておけばルンバが奥まで入り込んで掃除します

「スポットモード」は集中的に掃除するモード。汚れが気になる時に重宝します ※音が出ます

アプリで遠隔操作やスケジュールが設定できる

i2はアイロボットのスマートフォンアプリ「iRobot Home」と連携できるので、最初に設定しちゃいましょう。アプリをダウンロードしたあと、画面の説明どおりに作業していくと10分もかからず終わりました。

家のルンバの名前をアプリ上で決められます。今回は仕事なので「ROOMBA I2」で設定していますが、好きなキャラクターの名前にしても楽しいですね。

  • アプリの画面に従って設定します

  • 接続したらアニメーションが表示されます

  • ちょっとした使い方のコツもアプリで教えてくれます。i2はj7シリーズと違ってケーブルなどをよけないので、事前に片付けが必要です

スマホ連携機能があると、「Wi-Fiの設定ができるだろうか……」と憂鬱になることがありますが、i2は、部屋を掃除するという目的だけなら、アプリを使わなくても掃除はできます。とはいえアプリを使うと、外出先などから掃除の開始、停止といった指示が出せます。

さらに、時間やエリアなどの清掃履歴のチェック、ルンバがどこかで迷った時に位置を音で確認する機能、決まった曜日や時間に掃除を開始する「スケジュール機能の設定」、掃除の完了を通知で受け取る、「ブラーバジェット m6」との連動運転といった機能も使えます。

ルンバを動かしている時は、外出時など自分がそばにいないことが多いため、アプリの遠隔操作ができると便利です。

  • スケジュール機能を使うと、自動で掃除を開始します

  • 家全体を掃除するほか「何分間掃除するか」という設定も。来客前やさっと掃除したい時などに重宝します

  • 外出先や家の中の離れた場所から、掃除の開始、停止、充電ステーションに戻らせるといった操作が可能です

ルンバの上位機種とi2では、センサーが異なります。j7シリーズ、s9シリーズ、i7シリーズにはカメラセンサーを搭載し、間取りや家具の配置もカメラで見て、家の中のどの場所にルンバがいるのかを把握します。そのため、アプリ上で侵入禁止エリアの設定や、清掃範囲を指定した掃除が可能です。j7シリーズの場合は、さらに障害物を検知する機能もあります。

一方、i2やi3シリーズはカメラを搭載していないため、こうした細かい設定はできません。ただ、i3シリーズの場合は部屋を指定した掃除が可能で、ここがi3シリーズとi2の違いの1つ。i2では部屋を指定した掃除はできません。

  • i2のマップ。掃除した間取りが表示されます

  • 掃除が完了すると通知が届きます

  • 掃除の達成状況をアプリのアンケートで報告します

  • i3シリーズのマップです。部屋の名前や境界線を決められ、部屋を指定して掃除が可能です

  • これは2月に発売したj7シリーズのマップ。部屋を指定して掃除できるほか、コードなどの障害物を発見するとキューブで表示されます。

シンプルに掃除機能を求めたい人が使いやすいi2

我が家は2LDKでものが多いですが、ルンバがうまく入り込んで、部屋のすみやじゅうたんの上の掃除、テーブルの下の掃除など、日常的な汚れをとってくれます。こういった使い方ならi2の掃除で充分だと思います。

ただ、j7シリーズのように、コードなどを検知して避けないため、事前に落とし物の片付けや、コード類の回避は必要です。部屋が常に整うところもうれしいと思うか、ロボット掃除機のために片付けるのが面倒と思うかは、人それぞれかもしれません。

i2を使っている今は、我が家ではルンバをスケジュール設定して、毎日同じ時間に動かすようにしています。ルンバが動く時間までに部屋を片付けようと、家族みんなが意識づけできている点は、個人的に気に入っています。

集めたゴミを自動で吸い上げる「クリーンベース充電ステーション」(直販価格44,000円)は後から買い足せます(ただ価格を考えると「クリーンベース充電ステーション」が最初から必要な場合はi3+か、あるいはWeb限定のi2クリーンベースセットがいいでしょう)。

筆者は、ゴミを自動で「クリーンベース充電ステーション」に溜めておけるならラクだと思いますが、友人は「ゴミ捨ては毎日やりたい! どれくらい掃除しているか分かるし、万が一おもちゃを吸い込んだ時にもすぐ気がつく」と言うので、それぞれの使い方で選べることはうれしいポイントです。

i2は「とにかくワンフロア全体を掃除したい」という目的を、シンプルにかなえるロボット掃除機です。

実家の親がロボット掃除機を欲しがっているのですが、「アプリとかよくわからない、難しそう」と、アプリを使うことがハードルになっていました。この点、とにかくスイッチを押せば使えるルンバ i2は、シンプルな操作でしっかり掃除するロボット掃除機を探している実家の親にオススメできそうです。