三菱電機は、小学生以下の子どもがいる夫婦を対象とした「夏の就寝時のエアコンの使用状況」に関する調査結果をもとに、悩み別の快眠環境づくりのテクニックを公開した。

  • 睡眠中に室温が上昇すると熟睡に必要な深部体温の低下が妨げられる

調査によると、夏の就寝時「エアコンを一晩中つけている」人は42.0%、「タイマーを設定して使っている」人は48.7%であった。また、今夏エアコンを使用するにあたり93.7%が「電気代の値上がりが気になる」と回答した。

夏の就寝時、エアコンをつけている人の悩みは、1位「電気代が気になる」60.5%、2位「子供にとって適切な温度かどうかわからない」52.2%、3位「パートナーと体感温度が違い、暑い/寒い」45.6%、4位「就寝時、エアコンをつけていると寒い」30.7%となった。

  • 夏の就寝時、エアコンをつけている人の悩みランキング

睡眠環境プランナーの三橋美穂氏によれば、良い眠りの条件は「室温が一定である」ことと、「室温を28℃以下に保つ」こと。睡眠中に室温が上昇すると熟睡に必要な深部体温の低下が妨げられ、睡眠の質が低下して睡眠不足になるため夏バテなどの弊害が起こり、さらに室温が28℃を超えると夜間熱中症のリスクが高まるという。そのため、寝苦しい夜は「設定温度を28℃以下でエアコンを一晩中つけて」おくことを推奨している。

また、悩み別の快眠環境づくりのテクニックとして、「電気代が気になる」人は「設定温度28℃でつけっぱなし」にし、敷きパッドや寝るときの姿勢で背中の蒸れを防ぐといいそうだ。

「一晩中つけっぱなしの場合」と「入り切りを繰り返した場合」の積算消費電力量の比較実験を行った結果、同じ設定温度では「入り切りを繰り返した場合」のほうが積算消費電力量は若干低くなるが、切った後に室温が1.5℃〜2.5℃上昇した。これにより目が覚め、睡眠の質が低下する可能性があるという。

  • エアコンの入り切りを繰り返した場合と、つけっぱなしにした場合での積算消費電力量と室温上昇

三橋氏が推奨する就寝時のエアコン設定温度は26〜27℃だが、電気代が気になる場合は設定温度を28℃にしてエアコンを一晩中つけ、通気性が高い敷きパッドを活用する方法も勧めている。

また、背中がマットレスに密着していると暑くて目が覚めてしまうが、横向きで寝ると背中の蒸れを防ぐことができるとのこと。そのとき、抱き枕を使うと体の圧力が分散され、横向きで長時間眠れる。

また、「子供にとって適切な温度かどうかわからない」人は、子供は体温が高いので、大人が快適だと思う設定温度よりも目安として1℃~2℃程度下げることを勧めている。さらに、「夜の室内照明は暖色系で照度を落とし、睡眠中の常夜灯は切る」「15時以降の昼寝はさせないようにする」ことで、より子どもの快眠環境が整うとしている。

  • 子供は体温が高いので、大人が快適だと感じる温度より少し下げてあげる

「パートナーと体感温度が違い、暑い/寒い」という人は、暑いと感じる人に設定温度を合わせ、寒い人は寝具やパジャマで微調整することを提案。また、「就寝時、エアコンをつけていると寒い」人は、就寝1時間前に冷房で部屋を冷やしておき、就寝時は「ねむり運転」(メーカーによって名称は異なる)を設定することを推奨している。

  • 暑がる人に設定温度を合わせ、寒い人は寝具やパジャマで微調整

そのほか、「高齢の親、祖父母の就寝時の熱中症が心配」な人には、枕元に温湿度計を設置し、室温28℃以下、湿度40%〜60%をキープすることを意識して、寒く感じる場合は、長袖・長ズボンのパジャマを着用することを勧めている。

  • 高齢の親、祖父母の就寝時は枕元に温湿度計を設置!室温 28℃以下、湿度 40%〜60%をキープ