【7/19 17時更新】ソフトバンクとNTT東日本の回答を追記しました。 |
7月19日朝から、SNS上などで「電話がつながらない」といった報告が相次いでいる。NTTドコモなど複数の事業者に影響が出ており、関係各所に取材したところ、システム障害によるものではなく回線の混雑によるものとの見解が示された。
発生初期にはドコモユーザーからの報告が多く、ドコモ回線の通信障害を疑う声もあったが、NTTドコモ広報部に確認したところ、10時40分時点で「現時点では通信障害は発生していない。19日朝から電話をかけにくい状況については、回線の混雑によるものと認識しており、安定化に向けてネットワークの状況を注視している」との回答が得られた。
何らかの理由で発信が急増したことによる回線の混雑や発呼規制が原因であれば、他事業者でも同様に負荷が増大していると考え、編集部ではNTTドコモ以外のMNO/MVNOにも状況の確認を依頼した。
ドコモ/au回線のMVNOサービス「IIJmio」を提供するインターネットイニシアティブ(IIJ)に取材したところ、プレフィックス型通話割引サービス「みおふぉんダイアル」を経由する音声通話の発信に一時影響が出ていたという。
タイプD(ドコモ回線)では、通常の電話アプリからの発信でも自動的にプレフィックスを付与するオートプレフィックス機能が提供されているため正常に発信ができない状況だった。着信時は問題なく通話できる。
オートプレフィックス機能が未提供のタイプA(au回線)では、専用アプリからの発信または手動でプレフィックス番号(0037-691)を付与した発信のみがエラーとなり、通常の発信には影響が出ていない。なお、タイプD/タイプAともに、緊急通報は元々みおふぉんダイアルを経由せずに発信する仕様のため、正常に利用できるという。取材後、10時50分頃にみおふぉんダイアルの障害は解消している。
イオンモバイルの「イオンでんわ」でも同様の事象が報告されており、7月19日9時頃に発生、10時50分頃に復旧した旨の通信障害情報が公式サイトに掲載されている。
また、IP電話サービスなどを提供する楽天コミュニケーションズも、同日9時~10時50分にかけて、各種電話サービスの一部で輻輳(ふくそう:ネットワークの混雑)が発生したことを報告している。楽天コミュニケーションズの障害情報では影響範囲が「東日本エリア」に絞られている点にも注目したい。
NTT東日本もドコモと同様に、一時的な回線の混雑による事象という見解を示した。調査の結果、NTT東日本管内において原因となるような設備故障などのトラブルは起きていないとした。正確な回復時刻は調査中だが、14時頃には正常に通話できる状態に落ち着いていたという。
KDDIとソフトバンクからは、両社のネットワークでは影響が発生していない旨の回答を得た。