三菱電機は7月11日、エアコンのフィルター汚れによる電気代への影響と、エアコンの使用方法による節電効果について、同社が実施した試験結果をもとに電気代を抑えるコツを公開した。
エアコンの電気代対策、7割は「特に工夫していない」
東京・大阪の30〜59歳の男女600名を対象に、6月17日〜19日に実施した「夏のエアコンの電気代とフィルター汚れに関する調査」によると、2022年の夏は電力ひっ迫や電気代値上げなどにより、エアコンの使用で「電気代の値上がりが気になる」と93.7%が回答。しかし、「夏、エアコンの電気代を抑えるために工夫していない」という回答が74.8%と、あまり対策がとられていないことがわかった。
また、「フィルターが汚れているとエアコンの電気料金が悪化する」ことを知っている人は88.7%いたが、そのうちメーカー推奨である「2週間に1回以上フィルターを掃除している」人は8.1%しかいなかったという。
フィルターの掃除頻度があがらない理由として、「頻繁に行うのは面倒」(73.4%)が最も多く、「どのくらいの頻度でフィルター掃除を行えばよいか分からない」(24.1%)、「専門業者に頼むのはお金がもったいないと感じる」(22.9%)といった回答も見られた。
フィルターが汚れているとエアコンから排出する空気の清潔性が損なわれたり、風量の低下などの原因になったりするほか、消費電力の悪化にも繋がる。三菱電機の実験によると、フィルターを約半年間(1日8時間の使用を想定)手入れしなかった場合、新品の状態のフィルターを使用している場合と比べて、消費電力が約12%悪化した。
三菱電機は、フィルターの掃除は面倒だと感じている人へのおすすめの方法として、(1)掃除機でフィルターのホコリを取る、(2)十分にホコリが取れない場合は、フィルターを中性洗剤につけ置きして洗浄し、十分に乾燥させた後エアコンに取り付ける──という2ステップを推奨している。
設定温度を下げる前に試してみたい機能とは?
また、冷房運転時の電気代を抑えるコツについて三菱電機が実施した試験によると、外気温が35℃で30分間運転を行うとき、設定温度が28℃の場合と29℃の場合では、28℃は29℃より消費電力量が約10.1%高くなることがわかった。
しかし、同じく外気温が35℃で30分間運転を行うとき、設定温度を2℃高くした場合であっても、エアコンを人に向けてスイング運転することで体感温度をほぼ同じにすることができ、かつ消費電力を約21.1%抑えられることが判明した。
この結果から、消費電力を考えると、設定温度を下げる前にスイング運転の活用を勧めている。ただし、これらの試験試験はあくまで消費電力量を抑えることを目的としたもので、実際にエアコンを使用する際は体調を考慮し、暑さを感じる場合には適切な設定温度で運転するように注意喚起している。