最近は、PCだけでなくスマホの利用もごく一般的となっている。さらにクラウドストレージも普及率が高い。写真などのデータを共有したり、デバイス間でコピーをすることも多い。その結果、ファイルの重複が発生しやすい。今回紹介するのは、そういった重複するファイルを探し出し、削除(もしくは移動)をする「Duplicate Files Fixer 3」(以下、DFF3と略記)である。

セットアップから起動まで

システム要求であるが、特に厳しいものはない。詳細は、ライフボートのホームページを参照してほしい。1ライセンスで3台(Macを含む)までのPCにインストール可能である。

インストールは、ダウンロード版、パッケージ版のいずれでもセットアップウィザードを起動する。

  • Duplicate Files Fixer 3を試す - 重複するファイルをスマートに削除

    図1 セットアップウィザード

あとは画面の指示に従い進んでほしい。特に難しいことはない。DFF3を起動すると、図2のようになる。

  • 図2 Duplicate Files Fixer 3メイン画面

初回起動時には、左下に[今すぐ登録]ボタンがある。ここをクリックし、ライセンスキーを入力し、[今すぐ登録]をクリックする。

  • 図3 ライセンスキーの入力

重複ファイルをスキャン

デフォルトでは、デスクトップ、ピクチャー、ドキュメント、ダウンロードの4つのフォルダが、スキャン対象になっている。他のフォルダをスキャン対象にするには、右の[ここにドラッグ&ドロップ]にフォルダをドラッグすればよい。スキャン対象から削除するには、[アクション]の「×」をクリックする。[重複ファイルのスキャン]をクリックするとスキャンが始まる。

  • 図4 スキャン中

スキャン結果は図5のようになる。

  • 図5 スキャン結果

見つかったファイルをクリックして選択すると、左にプレビューが表示される。特に写真や動画などで便利な機能が、サムネイル表示である。■が4つのボタンをクリックする。

  • 図6 サムネイル表示

同じ写真であることがよくわかる。また、タブでカテゴリごとに分類して表示することもできる。

  • 図7 [ドキュメント]タブ

また、DFF3はファイル名が異なっていても同じ内容であれば、スキャンされる。

  • 図8 ファイル名が異なる同一ファイル

デジカメなどの写真データは、英字+連番のファイル名が一般的である。共有するときなどは、わかりやすい名前を付けることが多い。その際に、元のファイルを残すことも少なくない。となると、ファイル名は異なるが同じ内容のファイルが存在してしまう。こういったファイルも見つけてくれる。

削除するファイルは、チェックボックスをクリックする。図5では左のチェックボックスに、図6ではサムネイルの下にあるチェックボックスをマークする。あとは、[マークしたファイルを削除]をクリックすればよい。この例のように数が少なければ、1つ1つチェックをしてもそれほど手間ではない。しかし、100以上となると、かなり大変である。そんなときは、オートマークを使うといいだろう。自動的に削除されるファイルにマークが付く。かなり高い精度で、削除するべきファイルを認識する。この調整は[セクションアシスタント]で行う。

  • 図9 セクションアシスタント

優先順位や重み付けを行う。デフォルトでもかなり正確である。慣れるまではあまり変更する必要はないだろう。また、削除後に、元に戻すことも可能である。しかし、USBメモリなどでは、削除したら復元できない。また、HDDでも時間が経過すれば、復元できない可能性は高まる。そこで、覚えておきたいのが、移動である。[設定]→[一般]にある。[以下のフォルダーに移動]である。

  • 図10 [設定]→[一般]

とりあえず、削除ファイルを指定したフォルダに移動する。その後、確認しつつ削除するのである。手間はかかるが、必要なファイルを削除してしまう危険性を下げることができる。

これ以外にも、スキャン対象から除外、削除対象から除外といった設定も可能だ。

クラウドストレージもスキャン可能

Dropbox、Google Drive内の重複ファイルもスキャン、削除可能である。図11のようなクラウドストレージを準備する。

  • 図11 Google Drive

このマイドライブをスキャン対象に加える。

  • 図12 マイドライブをスキャン対象に

スキャン結果は、図13のようになる。

  • 図13 マイドライブのスキャン結果

さらに、DFF3の新機能では、クラウドアプリがインストールされていなくても、ダイレクトにDropbox、Google Drive内の重複ファイルがスキャンが可能になっている。スキャンモードで、[Googleドライブをスキャンする]を選ぶ。

  • 図14 Googledドライブをスキャンする

続いて、Googleにログインし、DFF3の接続を許可する。

  • 図15 [続行]をクリック

あとは、Google Driveのスキャンするフォルダを選択する。

  • 図16 フォルダの選択

空のフォルダの削除

DFF3には、空のフォルダの削除機能もある(Windows版のみ)。メイン画面の[スキャンモード]から[空のフォルダーを削除する]を選ぶ。

  • 図17 空のフォルダーを削除する

次いで、スキャンするフォルダを選ぶ。[参照]ボタンをクリックし、C:\Usersを選択した。

  • 図18 スキャンするフォルダの選択

[設定]タブでは、スキャン動作を細かく設定することができる。デフォルトで問題ない。

  • 図19 [設定]タブ

あとは、図18でスキャンを実行をクリックする。結果は、図20のようになる。

  • 図20 スキャン結果

削除される空のフォルダは赤で表示され、[削除]をクリックすると削除される。重複ファイルほど無駄な領域ではないが、定期的にやっておきたい処理である。

その他の設定項目

図10以外の設定メニューを紹介しよう。まずは[高度なスキャン設定]では、スキャン対象などを設定する。

  • 図21 高度なスキャン設定

DFF3では、ドキュメント、ピクチャ、ミュージック、ビデオのファイルがスキャンされるが、拡張子で判別している。デフォルトで、基本的な拡張子が登録されているが、さらに追加・削除することもできる。必要に応じて、変更すればよいだろう。また、1KB以下のファイルはスキャン対象外となっている。変更するにはチェックを外せばよい。 [スキャンオプション]では、スキャン動作の設定を行う。

  • 図22 スキャンオプション

内容以外にも、ファイル名や日時でスキャンを行うことができる。

[スキャン履歴]では、スキャンの履歴が保存されている。

  • 図23 スキャン履歴

過去のスキャン結果を表示したい場合には、リストから履歴を選択し[結果のロード]をクリックする。また、履歴を消去したい場合には、[キャッシュのクリア]をクリックする。

最近のHDDなどでは大容量化が進み、ファイルが多少、重複してもそれほど問題となることは少ない。しかし、無駄であることには変わりない。DFF3は、効率よく重複ファイルを探し出してくれる。特に、デスクトップにファイルを保存することが多いユーザーにとっては、削除しないまでも、定期的に重複ファイルをチェックするとよいかもしれない。 逆に、USBメモリと内蔵ドライブを比較して、すべてのファイルが重複しているかを確認することで、正しくバックアップがされているかを確認することにも使える。工夫次第で、さらなる活用方法もあるだろう。