◆PCMark 10 v2.1.2535(グラフ46~51)

PCMark 10 v2.1.2535
UL Benchmarks
https://benchmarks.ul.com/pcmark10

  • グラフ46

  • グラフ47

  • グラフ48

  • グラフ49

  • グラフ50

  • グラフ51

一応確認のためにこちらもやってみた。Overall(グラフ46)で見ると、概ね大きな差は無し、というあたり。Test Group(グラフ47)では、Digital Contents Creationで妙に性能差があるが、それ以外は大きな差は見られない。ただEssentials(グラフ48)ではVideo Conferencingで妙にRadeon RX 6950 XTの成績が高く、その一方でApp Startupで時間が掛かるのは、OpenCL Deviceのセットアップに時間が掛かるけど、一度セットアップすると処理性能はやや高いというあたりか。ただ逆にProductivity(グラフ49)でSpreadsheetsの性能が今一つ、というのはLibreOfficeのSpreadsheetsの中から呼び出すOpenCLの処理性能はそれほどでもなく、ところがDigital Contents Creation(グラフ50)のPhotoEditingでは非常に高速、という感じでムラがある事が判る。これをもってどっちが高速か? というと微妙なところ。

Applications(グラフ51)を見ると、全体的にRadeon RX 6950 XTが僅かに低めに推移しているが、これに関してはGPUの問題なのか、OSのBuild Versionの違いなのか、ちょっと理由を明確にしにくい。ただ大きく問題になるほどの性能差か? といわれると、これも微妙なところである。

◆消費電力測定(グラフ52~58)

今回も3DMark FireStrike Demo(グラフ52)/Borderlands 3 2K(グラフ53)/F1 2021 2K(グラフ54)/Metro Exodus PC Enhanced Edition 2K(グラフ55)/Shadow of the Tomb Raider 2K(グラフ56)と5種類のゲームの消費電力変動を測定、グラフ57にそれぞれの平均値、グラフ58に待機時消費電力との差を示した。

  • グラフ52

  • グラフ53

  • グラフ54

  • グラフ55

  • グラフ56

  • グラフ57

  • グラフ58

一見して判るのがRadeon RX 6950 XTの低い消費電力である。実際カードの大きさだけを見ればGeForce RTX 3090 Tiと甲乙つけがたい代物だけにちょっと身構えてしまうが、実際には消費電力はGeForce RTX 3090よりも低めに推移しており、まぁだからこそ動作モードをOC設定にしても騒音はごく僅かで済んでおり、全く気にならないレベルに抑えられているのだともいえる。

平均(グラフ50)を見ると、一番消費電力の大きなShadow of the Tomb Raiderですら500Wそこそこであり、600W台に平気で到達するGeForce RTX 3090 Tiとは比べ物にならないし、消費電力差(グラフ58)ではGeForce RTX 3090と比べて30~40W、GeForce RTX 3090 Tiと比べると70~100W以上低い事を考えると、この消費電力で良く健闘したな、という感じも受ける。

考察 - Ray Tracingの有無で分かれる評価

ということで何時もにも増して短いテストであるが、概ね素性は判ったように思われる。まず、これはRadeon RX 6950 XTの、というよりはNavi 2x系の弱点であるが、とにかくRay Tracingに関してはまだAmpere系には及ばない。なので、高解像度でかつRay Tracingをガンガン使って遊びたいぜ、という方には残念ながらお勧めはできない。GeForce RTX 3090 Tiとは言わないまでもGeForce RTX 3090を選んだ方が幸せになれるだろう。最近こちらも値崩れが激しく、6月20日におけるAmazonでの最安値製品は207,064円で、Radeon RX 6950 Tiとそれほど差が無いところになっている(GeForce RTX 3090 Tiは25万オーバーだが)。

逆に言えば、Ray Tracingに拘らないユーザーにとっては、Radeon RX 6950 XTは狙い目である。GeForce RTX 3090 Tiに近い性能を、100W近く低い消費電力で実現でき、しかも購入価格は安い。Ray Tracing無しという前提であれば、性能と価格、消費電力のバランスが取れた非常に良い製品と評価して良いだろう。

Ray TracingについてはもうNavi 3xに期待したいところだ。こちらも最初の製品は年内に投入されるそうで、勿論これを待つという選択肢もあるだろうが、ここでどこまでRay Tracingの性能が向上するかは未知数である。そこまで待てない、というユーザーにはRadeon RX 6950 XTも悪くないと思う。