シャオミのサブブランドとしてスタートした「POCO」が、フラッグシップモデル「POCO F4 GT」を携えて日本に上陸した。10万円超えが当り前の各社フラッグシップモデルと同じ「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1」を搭載しながら、74,800円からという価格設定で高いコストパフォーマンスを実現。製品名にある「F」には、「フラッグシップキラー」との意味が込められているという。

「POCO」はシャオミとどう違うのか。「POCO」ブランドの創設メンバーの1人でもある、シャオミ 東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏と、シャオミ・ジャパン プロダクトプランニング部 本部長の安達晃彦氏に話を聞いた。

  • スティーブン・ワン氏

    シャオミ 東アジア担当ゼネラルマネージャー スティーブン・ワン氏

――新ブランドの「POCO」について教えてください。「POCO」はシャオミとどういったところが違うのでしょうか。

ワン氏:「POCO」がターゲットにしているのは、テクノロジー愛好家。それは最も良い性能を追い求める人、そして高いコストパフォーマンスを求める人です。ですから「POCO」の製品は最も高い性能を備えつつ、とても手頃な価格になっています。

  • POCOブランドのミッション

    製品説明会で示されたPOCOブランドのミッション

シャオミとの違いですが、我々は最先端の技術、たとえば折りたたみや120Wの急速充電といったものは、まずシャオミのスマートフォンに搭載して発表しています。そしてその技術をコストダウンして提供できるようになったら、「POCO」で提供する。両者にはそういった違いがあります。

――「POCO F4 GT」は「フラッグシップキラー」とのことですが、なぜ今、このモデルを日本に投入するのでしょうか。

ワン氏:日本のモバイル市場では今大きな変化が起きています。キャリアが提供していた端末の購入補助のしくみが変わったために、実質的にスマートフォンの価格が高くなりました。今、為替の変動によってその価格はさらに値上がりしつつあり、これからもっと大幅な値上げになっていくとも言われています。消費者にとって、ハイエンドのスマートフォンは、もはや高くて買えないものになってきています。

とはいえ、今までハイエンドのスマートフォンを使ってきて、高い性能の製品に慣れている人たちもいます。このような状況下に、高性能を手頃な価格で提供する「POCO」は、新しい道を切り開けるのはないかと考えています。業界は今、スマートフォンの価格が軒並み上昇している厳しい状況にありますが、だからこそ我々の新しいブランドの新しい製品が、新しい価値を創出できると考えてます。

  • POCO F4 GT

    日本市場におけるPOCOブランド初の製品となる「POCO F4 GT」

――「POCO F4 GT」は、同じチップセットを搭載する他社のスマートフォンに対して安価な価格設定となっています。どうして安くできるのですか。

ワン氏:実は「POCO」の製品に使われている部品は、シャオミのほかのフラッグシップモデルでも使われているものです。「POCO」というブランド単体で見ると確かに規模は小さいのですが、シャオミ全体を合わせると非常に大きな数量になります。このスケールメリットのおかげで、コストを削減することができています。シャオミのほかの製品もすべてそうですが、1つ1つ部品レベルでのコスト削減に取り組んで、最高の性能と高いコストパフォーマンスを実現しています。

  • Fシリーズ

    グローバルで展開されてきたこれまでのFシリーズ

――「POCO」は日本のユーザーに、どのように受け入れられると思いますか。

ワン氏:日本のSIMフリー市場は今、モバイル市場全体の10~15%という割合で安定して推移をしています。その中には、SIMフリーでかつフラッグシップモデルを使いたいという人もいると思います。「POCO F4 GT」はまさに、そうしたユーザーにうってつけの製品だと思っています。

「POCO」は日本ではまだローンチしたばかりですし、ブランドとしての知名度はありませんが、製品自体の競争力は非常に高いと自信を持っているので、そこはとても期待しています。

  • 日本市場に展開する理由

    POCOブランドを日本市場に展開する理由として、説明会では「日本にはすでにPOCOファンがいる」「日本市場の変化がPOCOにとって追い風となる」という2点を挙げた

――「POCO」にはマーケティング費用をかけないという方針だそうですが、今後どうブランドを広めていくのでしょう。

安達氏:新ブランドのローンチに先立って、実はTwitterで「@POCO_Japan」というアカウントを開設しました。「POCO」はシャミとは独立した別のブランドなので、独立したアカウントを作ったのですが、開設からあっという間に1万フォロワーを超えたんです。日本のみなさんの「POCO」対する期待を、とても強く感じました。

  • 安達晃彦氏

    シャオミ・ジャパン プロダクトプランニング部 本部長の安達晃彦氏

「POCO」では、派手な宣伝やマーケティングはしませんが、今進めている「Xiaomiモノづくり研究所」やそれに準ずるコミュニティを通じて、シャオミや「POCO」のファンの方とコミュニケーションをさせていただくことが、ブランドを知っていただく最初の足掛かりにはなるのではと思っています。

ワン氏:口コミでの広がりに期待しているのですが、そのためにはみなさんの期待を上回る製品を出すことだと思っています。「POCO F4 GT」のクオリティ、体験、価格が、これは期待以上のものだと思っていただけたら、口コミでその評価が広がっていくはずです。もちろん、ソーシャルメディアも積極的に活用していきますし、パートナー企業とも協業してブランドを広めていくための努力はしていきます。

――(日本のユーザーと一緒にスマートフォンを作っていく)「Xiaomiモノづくり研究所」の話が出ましたが、「POCO」の今後の製品にも日本のユーザーの声は反映されていくのでしょうか。

安達氏:「Xiaomiモノづくり研究所」は今、たくさんのご応募いただいていて、これからいろんなプロジェクトを進めていくところです。その過程でみなさんから様々なフィードバックをいただけると思いますが、今回の「POCO F4 GT」に関しても、ご意見をいただけるのではないかと、今からすごく楽しみにしてます。

  • Xiaomiモノづくり研究所

    5月19日に“研究員”の募集を開始した「Xiaomiモノづくり研究所」には、多数の応募があったという

将来的には「POCO」も含め、日本にどういう製品を持ってくるかといったロードマップにも、みなさんの声が活かされていくことになると思います。その上で日本向けに製品をカスタマイズした方がいいかの、あるいはカスタマイズはしなくてもいいから、その分、安くできた方がいいのかといったことも、コミュニケーションしていけたらいいですね。その対話が我々の経験値になっていくと思っています。

――最後に確認させてください。「POCO F4 GT」はゲーミングにフォーカスした製品ですが、「POCO」はゲーミングスマートフォンのブランドというわけではないんですよね?

ワン氏:はい、その通りです。「POCO」というブランドから出すスマートフォンは、ゲーミングに限らず、高性能にフォーカスした製品です。今後も皆さんが驚くような、目を見張るような、新しいものを提供していきたいと思いますので、ぜひ期待していてください。