洗練されたデザインに惹かれて、デンマークのSKAGEN(スカーゲン)が2022年1月に国内発売したスマートウォッチの新製品「Falster Gen 6」を購入してみました。直販サイトの販売価格は38,500円です。

本稿ではFalster Gen 6の使用感と、筆者の使い方を紹介していきたいと思います。

  • スカーゲンの「Falster Gen 6」、実際に使ってみた印象は?

スマートウォッチ「Falster Gen 6」とは?

Falster Gen 6は、上品な北欧デザインが特徴のWear OS by Google搭載スマートウォッチ。ケース直径は41mm、円形の画面は1.28インチ(416×416ドット)と、男性用の一般的な腕時計のサイズ感です。重さは100g。

  • ケース直径は41mm、ケース厚は12mm。左側面にはスピーカーを配置します

  • 逆の側面には、回転式のホームボタン、2個のプッシュボタン

ベルトの素材には、ステンレススチール、レザー、シリコンの3タイプを用意しています。筆者はシリコンタイプの「SKT5303」を購入しました。ベルト幅は20mm。Falster Gen 6で使用できる交換ベルトはサードパーティからも販売されています。

  • フォーマルもカジュアルも問題なく過ごせそうなシリコンタイプを選びました

CPUには、スマートウォッチ向けのチップセット「Qualcomm Snapdragon Wear 4100+」を搭載。処理速度が向上したほか、低消費電力により24時間以上のバッテリー駆動を実現しています。このほか、背面には光学式の心拍センサーを備えています。

  • 背面の様子

同梱される充電器は、約30分で80%の充電が完了するスピードチャージ(急速充電)に対応したもの。マグネット式なので時計の背面にピタリとくっつき、少し動かしても充電が途切れることはありません。

  • マグネット式の充電器。急速充電できます

このほか、睡眠トラッキング、SPO2(血中酸素濃度)の推定、心拍数の計測などに対応。スマホと接続すればFalster Gen 6のマイクで音声通話できるほか、Googleアシスタントと音声でやりとりすることもできます。そして防水機能については5気圧の防水設計。つまり水深50mの静水の水圧にも耐えることができる仕様です。

フォーマルにもカジュアルにも合う北欧デザイン

セットアップは非常に楽でした。手持ちのスマホにWear OS by Googleの専用アプリをインストールしたら、あとは画面の指示に従っていくだけ。

スマホと時計のBluetoothペアリング、Wi-Fiのセットアップ、Googleアカウントの同期などを含め、ものの数分で完了しました。

  • セットアップは簡略化されていました

  • デフォルトのウォッチフェイス(スリープ状態:左、点灯時:右)

まずはじめに――。今回、Falster Gen 6を選んだ最大の理由はデザインでした。個人的にはオモチャのような外観は好みでなく、かといってデジタルの時計に戻る気もせず……。

フォーマルな場面で違和感がなく、カジュアルな服装にも似合うスマートウォッチを探していた筆者にとって、Falster Gen 6はピンと来るデザインでした。

  • バスで都内を移動中に

  • 利用シーンを選ばない大人向けの外観

昔、使っていたスカーゲンのアナログ腕時計と比べてみると、なるほど世界観は似ています。しかし、厚みがまるで異なりました。

  • スカーゲンのアナログ腕時計(左)と比較。Falster Gen 6にはスマートウォッチ特有の厚みがあります

マイク・スピーカー搭載。操作の反応はキビキビ

では、基本機能の使い勝手はどうでしょうか。音声着信やメッセージ/LINEの通知、音楽プレイヤーの操作など、アプリを立ち上げると非常にキビキビとした反応です。このあたり、チップセットにSnapdragon Wear 4100+を採用した効果が現れています。

  • GmailやLINEのメッセージも見逃す心配がありません

  • 音楽プレイヤーの操作イメージ。アートワークもきちんと表示されます

Google Fitと同期できるのもポイント。時計を装着しているだけでアクティビティ目標、歩数、睡眠、心拍数、有酸素運動レベル、SPO2などを自動計測してくれます。先日、早足でウォーキングをしていたらFalster Gen 6が振動して、アクティビティとしてログを記録するか聞いてきたので記録することに。すると背面の心拍センサーがしっかり仕事をしてくれました。

  • 写真はスマートフォンのGoogle Fitアプリから。ウォーキングにあわせて心拍数が上がっている(休憩中は下がった)のが確認できます

  • こちらはFalster Gen 6の画面から。心拍数もリアルタイムで表示できます

ちなみにシリコンモデルは肌触りが良く、装着したまま寝ても睡眠の邪魔をしません。毎夜の睡眠ログも支障なく計測できています。

  • Falster Gen 6のスクショより。上段はアクティビティとSPO2、下段は睡眠ログ

驚いたのは充電の速さでした。朝、起きたときにバッテリー残量が20%だったとしても、30分あれば満充電できるありがたさ。充電器がマグネット式なので「気がついたらプラグが外れていた」「充電できていなかった」というトラブルもありません。

なお、時計の設定から「スマートバッテリー」に入って拡張バッテリーモードをオンにすると、超低消費電力のモードに移行できます。

  • 充電プラグにつないだときのアニメーションが、またかわいい

Falster Gen 6が機敏に動く様子を動画にしてみました。Googleアシスタント/Alexaアプリとのやりとり、LINEメッセージに対して音声文字入力で返信する様子などをご覧ください。

※操作時の音声などが流れます

満足できるスマートウォッチ、FeliCa決済に期待

ここで非常に個人的な話をひとつ。筆者が使用中のスマートフォン「Pixel 6」は指紋認証センサーの効きがイマイチで、これは一部のネットでも話題になっています。

そこでAndroidのSmart Lock機能から「信頼できるデバイス」にFalster Gen 6を登録することで、Falster Gen 6とのペアリング中はスマホにロックをかけない仕様にしてみました。

スマホのロックが必要になるのは、スマホを何処かに置き忘れたとき。スマートウォッチは常に肌身離さず装着しているため、この設定にしてもセキュリティに問題はないという考えです。おかげで、Pixel 6も快適に使用できるようになりました。

  • Pixel 6の指紋認証センサーの効きの悪さはSmart Lockでカバー。ちなみに写真のウォッチフェイスはTIMEFLIKアプリで筆者が自作したものです

Falster Gen 6は十分に満足できるスマートウォッチでした。唯一、残念な点があるとすればFeliCa決済に対応していないこと。

実はFalster Gen 6の端末自体にはNFC機能が搭載されているものの、現在のところ、日本国内で販売されているWear OS向けにはGoogle Payサービス自体が解禁されていないのです。

  • 設定からアプリ情報を覗くと「Google Pay」のほか「NFCサービス」なるアプリの存在も確認。近い将来、バージョンアップによりGoogle Payが解禁される日も訪れる!?

ちなみに2022年中には「Wear OS 3」へのアップデートが予定されています。FossilグループではGoogleと連携してスマートウォッチを開発しているので、今後もOSの更新が期待できそう。長く使いたい人には安心材料ですね。

なおSKAGENの公式オンラインストアでは現在、スマホのカメラを使って自分の腕にバーチャル試着できるサービスを提供しています。気になった方はチェックしてみると良いでしょう。