リストデバイス型の体活動量計(スマートウォッチの一種)、進化が止まりません。近年の製品は光学式の心拍計測によって24時間の肉体活動をモニターできるようになり、睡眠もメーカーによってはレム睡眠の把握にも対応しています。SpO2(酸素飽和度)や心電状態がわかる製品も登場してきました。ただし大半の製品において、SpO2や心電状態はあくまで健康管理の範囲であり、医療に用いることはできません。

身につけることで自分の身体や活動を細かく記録できるのは魅力的ではあるものの、そんなに多くの機能を活用するのは大変な一面もあり、ユーザーによっては必要としていないでしょう。むしろ、より安価で小型軽量な製品のニーズは高いのです。

余談ですが、筆者の父親はこれまで歩数計で健康管理をしており、毎日の結果を記録し続けることに困っていました。睡眠状態のわかるリストデバイスを渡したところ、手放せなくなった一方で、細かな睡眠ステージまでは興味がわかなかったようです。

さて、ファーウェイの新型リストデバイス「HUAWEI Band 7」と「HUAWEI WATCH FIT 2」はそうしたユーザーに向いている製品。ワークアウト機能も充実しているので、運動やトレーニングに関する機能を重視する場合も注目する価値はあります。発売日と推定市場価格は、HUAWEI Band 7が6月2日で8,580円前後、HUAWEI WATCH FIT 2のアクティブモデルが6月2日で20,680円前後、HUAWEI WATCH FIT 2のクラシックモデル(レザーバンド)が6月9日発売で23,980円前後です。メディア向けの体験会でいろいろと触ってきました。

HUAWEI Band 7

  • HUAWEI Band 7は4色展開。ウィルダネスグリーンはややミリタリー的イメージ

シンプルでリーズナブルなHUAWEI Band 7は、基本機能の充実と小型軽量であることが魅力。カラーリングはグラファイトブラック、フレイムレッド、ネビュラピンク、ウィルダネスグリーンの4種類です。特にフレイムレッドはビビッドなカラーでかなり目を引きます。バンドのエストラマーベルトは、従来製品と違ってとてもサラサラとした手触りで上質な感じを受けました。

  • 全色を集めてみました。フレイムレッドがビビッド。筆者が買うとしたらグラファイトブラックですね

  • エントリー向けの製品ながら十二分なスペック

  • 消費電力の関係で発色は限定されますが、常時点灯にも対応

ファーウェイが強調していたのが厚みで、業界初の10mm切り(ファーウェイ調べ)。腕につけてみると確かにジャマな感じがしません。1.47インチのAMOLEDは、表示エリア的にも十分です。

計測としては、歩数・心拍・睡眠だけでなく24時間のSpO2計測にも対応しており、日ごろの健康・運動管理としては非常に良いと思います。バッテリーの持ちは通常で14日間、常時表示で10日間と、こちらも十分。バッテリー切れにひやひやすることもなさそうです。

  • SpO2の常時モニタリングにも対応しているのもうれしいところ。高所登山でSpO2がどうなるか試したいと考えています。かつて安物のSpO2モニターを富士山に持って行ったところ、山頂で計測不能でした……

  • アラームや着信、SMS通知にも対応。この辺は今どきのスマートウォッチの標準機能です

  • 装着してみました。筆者の細腕にはこれでも大きいぐらいで表示サイズも十分です

  • 9.99mmという薄さがアピールポイントのひとつ。普段使いにもうれしいところ

HUAWEI WATCH FIT 2

一方のHUAWEI WATCH FIT 2は、GPS内蔵、Bluetooth通話、そしてベルトシステムに強みがあります。

アクティブモデルのカラーは、ミッドナイトブラック、サクラピンク、アイルブルーの3色、クラシックモデルはネビュラグレーとムーンホワイトの2色です。ディスプレイは1.74インチAMOLEDと大きくなり、狭額縁によって画面占有率も72.2%へと向上しました。

  • HUAWEI WATCHFIT 2はアクティブモデルが3色、クラシックモデルが2色という5色展開です

  • アクティブモデルを並べてみました。同じ文字板ですが、一番左は常時点灯に設定しているので割とあっさりした画面。点灯状態は右と同じ画面になります

  • 健康モニタリング機能も必要にして十分

屋外のランニングやサイクリングで軌跡を記録する場合、上記のHUAWEI Band 7はGPSを内蔵しないのでスマホを携帯することになりますが、HUAWEI WATCH FIT 2はGPS内蔵なのでスマホを携帯しなくても大丈夫です。また、会議中などスマホに着信すると困る場面でも、HUAWEI WATCH FIT 2は着信表示、テキスト返信、通話、通話拒否が可能です。

アクティブモデルはエストラマーベルト、クラシックモデルはレザーバンドですが、クラシックモデルは本体とバンドが金具でつながっていて、汎用の時計バンドに交換できます。レザーバンドは経年劣化で切れることもありますし、市販の好きなバンドに交換できるのは好印象。

体験会で聞いたところでは、アクティブモデルでも好みのバンドが使えるように、金具だけの販売を予定しているそうです。これは楽しみ。なお、上記のHUAWEI Band 7もバンド交換できますが、汎用品には対応していません。純正カラー以外のバンドが欲しい場合は、サードパーティ製のHUAWEI Band 7用バンドを待つことになります。

バッテリーの持ちは、通常使用で10日間、ヘビーユースでも7日間、GPS連続使用時で12時間とまずまず。GPS連続使用で12時間というのは短く感じるかも知れませんが、ウルトラマラソンや長距離ウォーキングでもなければ超えるものでもないので問題ないでしょう。ちなみに、睡眠計測機能を持ったスマートウォッチは、入浴中の充電がおすすめです。

  • クラシックモデルには汎用のバンドを取り付けられます。アクティブモデルもトンファー型ピンなので外しやすい構造です

  • 電話着信時にHUAWEI WATCH FIT 2で対応可能

  • 実際に装着したところ。HUAWEI Band 7と比べて、横幅は7.5mm大きいので幅広ですが、縦方向は1.65mmの差なのであまり変わらないイメージです

  • 厚みは10.8mmで、HUAWEI Band 7の約9.99mmとの違いは目視ではわからない程度

  • クラシックモデルは革バンドなので無理なく広げられます。市販のバンドに変更可能

  • アクティブモデルは専用バンドですが、リリースボタンを押せば簡単に外れます

  • アクティブモデルにも市販バンドが取り付けられる金具を販売予定(画像はクラシックモデルから外したバンドを取り付けてみたイメージ)

筆者が選ぶとしたら、リーズナブルなHUAWEI Band 7になると思います。通常使用で14日間というバッテリーが魅力的で、屋外運動を日常的に行わないので内蔵GPSも不要。24時間つけっぱなしで使うことを考えると、軽くて薄い本体(バンド含まず16g、HUAWEI WATCH FIT 2はアクティブモデルで26g)は有利です。

一方、それ以上を求めるならHUAWEI WATCH FIT 2でしょう。GPS内蔵なので本体だけで屋外の活動状況を記録できるほか、通常使用で10日間のバッテリーなら不満はありません。