『ストリートファイターV CE(SFV)』のプロリーグである「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2022(SFL)」に、「広島 TEAM iXA」が参入すると発表されました。
2022年度のリーグに参加するほかのチームは、「v6プラスFAV gaming」「Good 8 Squad」「Saishunkan Sol熊本」「コミュファDetonatioN」「忍ism Gaming」「魚群」「名古屋OJA BODY STAR」の7チーム。今のところ、2021年3位となったウメハラ選手率いる「Mildom Beast」の名前がなく、今年度はチームとしては参加しないのではないかとささやかれています。ただ、SFLからも「Mildom Beast」からも公式発表がないので、不参加が確定したとも言えない状況です。
ベテランプレイヤーたちはどのチームで参戦する?
仮に「Mildom Beast」がチームとして不参加の場合、ウメハラ選手とふ~ど選手はほかのチームと合同で参戦するか、ドラフトによってほかのチームへ参入することになるでしょう。また、現状だと参加チームの発表だけでロースターまで発表されていないのですが、「FAV gaming」は、昨年「v6プラスFAV gaming ロートZ!」というチーム名で、「FAV gaming」のsako選手とりゅうせい選手、「ロートZ!」のときど選手の合同チームとなっていました。現状では、「ロートZ!」の名前が付いていないので、ときど選手もチームから外れていると考えられます。
ウメハラ選手、ふ~ど選手、ときど選手は『SFV』のプロシーンを代表するトッププレイヤーなので、どのチームに参加したとしても十分な活躍は見込めます。全チームが手に入れたい戦力であることは間違いありません。
ただ、SFLがチーム対抗戦であることを考えると、まず重視されるのが、すでに確定している現チームメンバーではないでしょうか。元々いるチームメンバーを外して、彼ら3人を獲得することは、チームカラーとしても難しいので、すでに4人メンバーがそろっているチームは、3人を獲得しにくいでしょう。
現状、4人以上のメンバーがそろっているチームは、「忍ism」(ももち選手、藤村選手、ヤマグチ選手、大谷選手、ジョニィ選手、えいた選手)と「魚群」(マゴ選手、水派選手、まちゃぼー選手、もけ選手)の2チーム。この2チームはウメハラ選手らを取りにくい状態にあると言えます。
次に3人そろっているチームについて。これは人数的には1枠空いている状態なので、取れないこともないですが、SFLは3v3の対戦となるため、4人目はリザーブとして見られます。
しかし、ウメハラ選手らをリザーブとして登録しておくのはもったいないですし、レギュラーで使いたいところでしょう。そうなると4人チームと同様に、元々のチームメンバーを押し退けてレギュラーとなるのは、チームカラーとして難しいと言えます。
新規参入の「広島TEAM iXA」のメンバーは、誰も昨年度のSFLに参加しておらず、ウメハラ選手らと比べると実績的にはやや見劣りするかもしれません。かといって、「広島TEAM iXA」にウメハラ選手らが参入しエースとして活躍するのが、チームとしてのあるべき姿かと言うと、そこは微妙なところです。
そのあたりを鑑みると、残りのひと枠はリザーブとして機能するドラフトで新人選手などを獲得するほうがチームとして機能するのではないでしょうか。
ちなみに3人そろっているチームは、「コミュファDetonatioN」(板橋ザンギエフ選手、竹内ジョン選手、ナウマン選手)、「広島 TEAM iXA」(ストーム久保選手、ガンファイト選手、稲葉選手)、「Good 8 Squad」(ガチくん選手、カワノ選手、ぷげら選手)の3チームです。
残りのチームがメンバー2人以下。チームメンバーがレギュラーとして活躍ができ、かつ、ウメハラ選手らを入れられる余地があるでしょう。
現状、2人以下と予測されるのは、「v6プラスFAV gaming」(sako選手、りゅうせい選手)、「名古屋OJA BODY STAR」(あきら選手、オニキ選手)、「Saishunkan Sol熊本」(ネモ選手、ひぐち選手)の3チームです。特に「v6プラスFAV gaming」は、りゅうせい選手がドクターストップとなっており、公式サイトでもしばらく休養すると発表がありました。そのため、出場できるメンバーはsako選手のみ。レギュラーでも2枠の余裕が出てきます。
ウメハラ選手らが入るとしたら、この3チームが有力かもしれません。ただ、「名古屋OJA BODY STAR」については、生え抜きメンバーの2人を主軸としてウメハラ選手らがフォローに回るのは難しいでしょう。これもチームカラー的な問題が発生します。「v6プラスFAV gaming」にしても、昨年はsako選手がリザーブに回ることが多かったのですが、今年度は唯一のプロパーメンバーであるため、フル稼働する可能性があります。
もちろん、チームカラーを無視して、戦力を増強するのも1つの手でしょう。しかし、チームとしての参戦となっている以上、以前のSFLのように都度メンバーを選ぶ寄せ集め的なものではなく、チームメンバーを優先すべきだと考えます。
だからといって、ウメハラ選手やふ~ど選手、ときど選手がSFLで活躍しないことも考えられず、サブに回ったり、不参加となったりすることは、SFLにとってかなりの損失であることは間違いありません。
願わくは、今からでも「Mildom Beast ロートZ!」として参戦してほしいところです。なんならどぐら選手も加えて「Mildom Beast CAG ロートZ!」でもいいのではないでしょうか。リーグ戦で対戦する以上、1チーム増えても特に問題はないかと思われます。
ウメハラ選手らが全員、どこかしらのチームに入り、昨年活躍した、どぐら選手、キチパ選手などもドラフトや残り枠に入るとなると、現状全チームで空いている9枠に対して5人が埋まることになります。さらに、実力のあるプレイヤーとしてShuto選手やMOV選手、立川選手などの加入も考えられるのですが、そうなると枠はほとんど一杯でしょう。
チームを厳選することで、チームの完成度が高くなり、濃い戦いを期待できますが、参加人数を増やせば若手の育成やファンの拡大などにも期待できます。今年度はもう難しいかもしれませんが、参加チーム数はもう少し増やしたほうがいいのかもしれません。
ルールや運営の見直しが必要だと感じるSFL
SFLは、X-MOMENTの一環として行われているリーグですし、ほかのリーグのように入れ替えありの2部制の導入を考える必要もあるでしょう。2部はオープン参加にしてもいいと思います。入れ替え戦が起こるのであれば、明確なレギュレーションが設けられるはずので、今回のように、なぜ「Mildom Beast」が参加せず、「広島TEAM iXA」が新規参入したのかわからない、という状況が発生することもなくなるでしょう。
また、昨年は、ドラフトで誰を獲得するかという判断や、グランドファイナルでの選手オーダーなどが、選手への大きな負担になっているようにも見えました。腕を磨き、真剣勝負を行うだけでも大変なので、選手が試合だけに集中できる環境を作ってほしいと願います。したがって監督やマネージャーなどを各チームに置く必要もあるのではないでしょうか。責任の伴う決定は選手ではなく監督が行うほうがいいでしょう。
さらに今回のSFLでは、ルールについてもいくつか刷新されました。その1つが対戦時に獲得できるポイントです。先鋒、中堅は勝利すると10ポイント、大将戦のみ20ポイントの獲得は昨年と変わりません。ただ、対戦終了時に両チームとも20ポイントの獲得となった場合は、代表戦が発生し、勝利したチームに5ポイント入るようになりました。
しかしこれだと、代表戦を行ったチームが余計に5ポイント獲得できるようになってしまい、不公平だと感じられそうです。そのため、代表戦はお互いの20ポイントから5ポイントを取り合う方式にしたほうが健全だと思われます。つまり、最終的に25ポイント対15ポイントになるルールにするわけです。
また、代表戦はチームから任意に選出するのではなく、出場しなかったリザーブの選手が出場するほうが、総合のチーム力が試されたり、リザーブがただの補欠にならなかったりするのではないでしょうか。
まだ参加チームの発表が行われたばかりのSFL。多くのことがわからない状態ですが、現状でもこれだけの問題点が出ている以上、今一度見直しが必要なのかもしれません。