ポータブル電源で知られるEcoFlow Technology Japanは5月24日、同社初のポータブルクーラー「EcoFlow Wave」を発表しました。ポータブルタイプながら据え置き型エアコンのように冷たい風がしっかり出てくるほか、同社のポータブル電源や専用バッテリーパックなど5種類の方法で給電できるようにしたのもポイント。エアコンのないアウトドアレジャーやキャンピングカーなどの車中泊でも快適に過ごしたい、と考える人は気になる存在になりそうです。

  • EcoFlowのポータブルクーラー「EcoFlow Wave」。これからの暑くなる季節、キャンプなどのアウトドアレジャーやキャンピングカーなどの車中泊でも快適に過ごしたいと考える人に売り込む

ラインアップと希望小売価格は以下の通りで、バッテリーパックやポータブル電源とのセットモデルも用意します。5月24日より開始する予約販売は、数量限定で割引価格で購入できます。

製品名 希望小売価格
EcoFlow Wave 本体 169,400円
EcoFlow Wave 専用バッテリーパック 110,000円
EcoFlow Wave+専用バッテリーパック セット 275,000円
EcoFlow Wave+DELTA Max セット 411,400円
EcoFlow Wave+DELTA Pro セット 568,700円

冷風扇とは異なり、一般的なエアコンと同じ冷却機構を搭載

EcoFlow Waveのおもな特徴は以下の通り。

  • 一般的なエアコンと同じ熱交換式を採用。冷却性能が1200Wと高く、しっかり冷やされた風が出てくる
  • AC100V、専用バッテリーパック、EcoFlowポータブル電源、車両充電、ソーラーパネルの5種類の電源で駆動できる(シガーソケットとソーラーパネルで給電する場合、運転モードはファンモードのみ利用可能)
  • 専用のXT150ケーブルでEcoFlowポータブル電源を接続した場合、直流電源のままEcoFlow Waveに電源を供給でき、AC100V経由と比べて駆動時間が約28%延びる
  • 使いたい時間を設定しておけば、冷却と送風を自動で切り替えて、途中でバッテリー切れにならないように調整してくれる
  • 前面パネルや背面パネルに装着できる送風ダクトとブラケットが標準で付属。「冷風をテント内に送る」「排熱を遠くに追いやる」など、効率よく利用できる
  • 運転時に発生する熱を利用してドレン水を蒸発させる機構を搭載。ドレン水を捨てる手間を省いた(手作業での排水も可能)

EcoFlow Waveは、一般的な家庭用エアコンと同じ熱交換式の機構で冷たい風を生成するポータブルクーラー。気化熱を利用して涼しさを感じさせる冷風扇とは異なり、しっかりと冷やされた風が出てくるのが特徴です。ポータブル式ながら冷却性能が1200Wと高く、電源を投入してから待たされることなく冷たい風がしっかり出てくるのがポイント。

  • シルバーとブラックのツートンカラーを採用するEcoFlow Wave。白やベージュなどのカラーが多い白物家電との差異化を図っている

  • 温度や風量の調整は、表示部も兼ねる前面のダイヤルで操作する

  • 専用アプリをスマートフォンやタブレットに導入すれば、本体に手を伸ばさなくても遠隔で操作できる

電源は一般的なコンセント(AC100V)だけでなく、合計5種類の供給方法を備えているのも特徴。特に、本体の底面に装着する専用のバッテリーパックを用意しており、電源がない状況でも最大3時間動かせます。冷却機能を働かせないファンモードの場合、最大22時間動かせます。

  • ポータブル電源やソーラーパネルなど、さまざまな方法で電源が供給できるのがポイント

EcoFlow製のポータブル電源を接続した場合、AC100V経由ではなく専用の直流電源でEcoFlow Waveに電源を供給できるのもポイント。ポータブル電源内での直流→交流の変換、EcoFlow Wave内での交流→直流の変換が不要になって電気のロスがなくなり、AC100V経由と比べて駆動時間が約28%も伸ばせるとしています。

  • ポータブル電源「DELTA Pro」の電源で動かしているところ。電源はAC100Vではなく直流電源で供給するので、交直変換のロスがなく電力を有効に活用できる

  • 別売の専用バッテリーパック。底面に装着するタイプで、かなり大きい。バッテリーパックの重さは約7.5kgで、EcoFlow Waveと合わせた重さは約25kgとなる

  • 交直変換のロスがないのはEcoFlow製のポータブル電源に限られる。他社のポータブル電源はAC100Vでの接続となる

EcoFlow Waveは、前面上部から冷やされた風が出て、背面から排熱が出る構造になっています。「冷風はテント内に送る」「排熱はテントの外に出す」という使い方ができるよう、標準で2本のダクトと装着用のブラケットが製品に付属します。

  • 冷風や排熱をコントロールするために、2本のエアダクトが付属する

  • 背面からの排熱を遠くから出るようにすれば、テントを涼しいまま保ちやすい

  • エアダクトは前面にも装着できるので、冷風をテント内などに送り込める

クーラーは、運転時に水滴(ドレン水)が生じるため、定期的に排出する必要があります。多くのポータブルクーラーはドレン水のタンクが小さく、たまった水をまめに捨てないと止まってしまう欠点があります。EcoFlow Waveは、運転時に高温になる電子部品(コンデンサー)の熱を利用し、発生したドレン水を蒸発させる機構を備えています。基本的にドレン水の排出は不要ですが、前面の排出口から捨てることもできます。

昨今、キャンピングカーがよく売れていますが、家庭用エアコンを装着するのはかなりのお金がかかるうえ、室外機を設置するスペースを確保するのも大変。特に、コンパクトな軽自動車がベースの軽キャンパーはなおさらです。そのようなキャンピングカーにぴったりのポータブルエアコンとなりそうです。

  • 冷却能力:1200W
  • 最適冷却面積:5~8平方メートル
  • 最大運転電力:600W
  • 騒音レベル:55dB以下
  • ドレン水の排水:不要(排水も可能)
  • スマホアプリ:対応
  • 本体サイズ:518×310×416mm
  • 重さ:17.5kg
  • 付属品:冷風吹き出し口カバー、温風吹き出し口カバー、エアダクト大、エアダクト小、排水チューブ