Jackery Japan(ジャクリ)は5月13日、ポータブル電源とソーラーパネルがセットになった「Jackery Solar Generator 2000 Pro」を世界同時発売しました。価格は446,000円~768,000円とかなり高価な製品ですが、電圧100Vの一般的な家電製品のほぼすべてを動かせるパワーを持ち、さらに太陽光発電を使って最速2.5時間でバッテリーをフル充電できる驚きの特徴を持っています。新製品の全貌や特徴について、都内でメディア向けに詳細が明かされました。
Jackery Solar Generator 2000 Proとは?
Jackery Solar Generator 2000 Proは、ポータブル電源「Jackeryポータブル電源2000 Pro」と、ソーラーパネル「Jackery SolarSaga 200」がセットになったモデル。付属するソーラーパネルの数で価格が異なります。
製品価格
- Jackeryポータブル電源2000 Pro+Jackery SolarSaga 200×6枚:768,000円
- Jackeryポータブル電源2000 Pro+Jackery SolarSaga 200×4枚:619,000円
- Jackeryポータブル電源2000 Pro+Jackery SolarSaga 200×2枚:446,000円
- Jackeryポータブル電源2000 Pro単体モデル:285,000円
用途としては、アウトドア、ワーケーション、車中泊、DIYなどを想定。もちろん災害、停電時の電源確保としても利用できます。
Jackeryポータブル電源2000 Proのスペックは、容量が2,160Wh(リチウムイオン充電池)、定格出力が2,200W。従来製品から大幅な大容量化、高出力化が図られました(昨年発売の「Jackery ポータブル電源1500」は、容量が1,534Wh、定格出力が1,800Wでした)。重さは約19.5kg。相当な重さはあるものの、男性1人で持ち運べるように設計されています。ちなみに、アウトドアや車中泊などの利用シーンで家族3人が使う電力は、まる1日でおよそ2,000~3,000Wぐらいだそうです。
前面には、以下の出力ポートを備えています。
- AC出力×3:100V 50Hz/60Hz(1ポート最大20A/2,000W、3ポート合計2,200W(瞬間最大4,400W))
- USB-A×2:Quick Charge 3.0、5~6V/3A、6~9V/2A、9~12V/1.5A、各ポート最大18W
- USB-C×2:5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/5A、各ポート最大100W
- シガーソケット:12V/10A
背面には、以下の入力ポートを備えています。
- AC入力:100V~50Hz/60Hz、15A、最大1,500W
- DC入力:11~17.5V/8A、電流制限8A 17.5~60V/12A、2ポート電流制限24A、合計1,400W
ソーラーパネルだけでも2.5時間でフル充電できる
ソーラー発電の能力は、SolarSaga 200×2枚で400W、SolarSaga 200×4枚で800W、SolarSaga 200×6枚で1,200W。SolarSaga 200を6枚接続することで、最速2.5時間以内でフル充電することが可能です。これは歴代のJackery製品の中でも最速とのこと。電源のない場所でも短時間で充電できる、というのは本当に心強いですね。
AC高速充電により、家庭用コンセントを使えば約2時間程度でフル充電できます。従来モデル比で約3倍となる1,500W(15A)で充電できる仕様となります。スマートフォンを充電するようなわずかな時間で、これだけ容量の大きなポータブル電源をフル充電できるのは驚きです。担当者は「キャンプに行く日の朝、充電を忘れていたことに気がついても、急いで充電できます。この夏は、再び電力不足になる可能性もあります。電力会社から急きょ停電が発表されたときにも、2時間あればポータブル電源をフル充電しておけます」と話していました。
発表会場では、冷蔵庫+炊飯器+IHコンロなど、あるいは洗濯機+アイロン+ドライヤーなどを同時に使用するデモが行われました。
Jackery Japan マーケティング担当の平松孝太氏は「ソーラーパネルを6枚接続すると1,200Wを発生できます。『個人的な太陽光発電システム』という表現が最も分かりやすい説明になると思います」と、ソーラー発電のメリットをアピールします。
安全面も考えられています。BMS(電源管理システム)にはデュアルバッテリーチップを搭載しており、一方のチップに障害が発生しても、もう一方のチップでセキュリティが保護される仕組み。また、4つの温度センサーで充電時の温度を監視しており、バッテリーの温度が既定値を超えると自動的に充電がストップする設計です。「Jackeryの製品を選んでいただける理由のひとつが安全性、信頼性だと思っています。そのあたりも引き続き向上していきます」(平松氏)。
静音性にも優れています。平松氏は「うるさくて家の中で使えないなら意味がありません」とし、出力時のファンの回転音は最大でも53デシベル以下に抑えられている、と紹介しました。最大1,500Wのパワーで充電している最中のファンの音(最大音)は動画でも撮影したので、以下を参考にしてください。個人的には、まったく気にならないレベルの音の大きさでした。
自宅にソーラーパネルを設置するより格段に安く、柔軟に使える
性能は申し分なし、あとは価格との相談、という人も多いでしょう。平松氏は「価格を見ると、ちょっと高いなと思われるかもしれません。実際、Jackery Solar Generator 2000 Proと性能が並ぶ競合製品となると、家庭用の太陽光発電システムになります。そちらは平均でも数百万円してしまいますし、導入のハードルは高め。市販のソーラーパネルを家に設置してもらうことを考えれば、本製品は安く感じられるのではないかなと思います」と話していました。
このあと、事業統括部の鈴木達也氏にも話を聞きました。実際、どのような層に売れているのか聞くと「半分がアウトドア需要、半分が防災の需要で売上が伸びているイメージです」とのこと。ポータブル電源は重さもあるので、普段から使っていないといざというときに有効に使えない、アウトドアをやる方は防災意識も高い、と解説します。
製品は完全防水というわけではなく、「雨が少し降ったくらいでは大丈夫ですが、暴風雨、ゲリラ豪雨のときは屋内にしまってください」と鈴木氏。実物の製品を見たい、という人に向けては「現在、製品を展示するモデルルームがありません。家電量販店で販売しているほか、アウトドアのイベントなどにも積極的に出して、露出を増やしていきます」と話していました。