2022年5月7日から5月8日の2日間にわたり、タクティカルFPSゲーム『VALORANT』の有観客オフラインイベント「RAGE VALORANT 2022 Spring」が東京・有明の東京ガーデンシアターにて開催されました。

両日約6,500人の観客が会場を訪れ、2日間合わせた総動員数は1.3万人超。有料のeスポーツイベントとしては国内最大規模となりました。

DAY1には『VALORANT』で著名な10名のストリーマー、DAY2には21万票のファン投票で選ばれた15名のプロ選手が出演。それぞれ1日限りのスペシャルエキシビションマッチなどを実施しました。ファンの熱気に包まれた2日間の模様をレポートします。

  • 「RAGE VALORANT 2022 Spring」が東京・有明の東京ガーデンシアターにて開催されました

約6,500人で埋まる会場にeスポーツシーンの拡大を感じる

2020年6月にリリースされた『VALORANT』は、コロナの影響で今までほとんどのイベントや大会がオンラインで行われてきた背景があります。そのため、『VALORANT』のファンにとって、リリース以来ずっと待ち望んできた有観客オフラインイベントです。

まず多くの人を驚かせたのは、約6,500人のファンによって埋めつくされた客席の光景でしょう。本イベントのチケットは有料で、アリーナ席(6,500円)が販売開始からおよそ1時間で即完。バルコニー席(3,500円~4,500円)も含め、数時間で全席が完売する人気ぶりでした。

コロナ以前、国内のeスポーツシーンでは、有料チケットを販売するオフラインイベントが少しずつ増えてきていました。2019年には、「League of Legends Japan League 2019 Summer Split Finals」で約3,000席、「PUBG JAPAN SERIES Winter Invitational 2019」で約1,000席が販売されています。

以降、長らくオフラインイベントが開催できない期間が続きましたが、今回は2日間合わせて約1.3万席が完売するという、2019年には想像もつかなかった規模での開催となりました。コロナ禍の間にも、日本eスポーツシーンは着実に拡大し、ファンを増やし続けてきたと言えるでしょう。

なお、コロナ対策として、客席では歓声をあげることはできませんでしたが、スティックバルーンを使った応援で終始大きな盛り上がりに包まれました。この熱気はTwitterを通じて海外にも届き、日本で『VALORANT』の国際大会が開催されることを期待する声も多く見られたほどでした。

  • アリーナ席からバルコニー席1~3まで、約6,500人のファンで埋め尽くされた会場

10名の人気ストリーマーが集結し、盛り上げたDAY1

5月7日のDAY1には、人気ストリーマーたちが集結。k4senさん、SHAKAさん、Jasperさん、StylishNoobさん、SPYGEAさん、SurugaMonkeyさん、ボドカさん、MOTHER3さん、YamatoNさん、RobiNさんの10名が登場しました。

ステージコンテンツでは、チーム5人が同じエージェントを使用する「レプリケーションマッチ」、抽選で選ばれた来場者を含めた「来場者参加型ミックスマッチ」、そしてストリーマーが2チームに分かれて対戦する「オールスターエキシビジョン」の3つが行われました。

  • 出演ストリーマーの入場シーン

  • キャスターの岸大河さん、yukishiroさん、yueさん

最初のコンテンツは、特殊ルールで行われるレプリケーションマッチ。チーム5人で同一のエージェントを使用するゲームモードで、ストリーマーはREDチームとBLUEチームに分かれます。

試合は2試合行われました。1試合目はキルジョイ対ヨル、2試合目はブリーチ対スカイでの対戦に。1試合目の冒頭から、ヨルのフェイクアウト(デコイ)5体を一斉に使ったラッシュを繰り出すなど、レプリケーションマッチならではの奇策で会場を沸かせました。

  • エージェントピックから大きな盛り上がりを見せたレプリケーションマッチ

  • ヨルのアビリティを見事に活かした作戦で、BLUEチームが勝利

続いての来場者参加型ミックスマッチでは、エントリーした来場者のうち、幸運にも抽選で選ばれた10名が参加。ストリーマーと来場者を組み合わせた4チームで、2試合行われました。

1試合目は、MOTHER3さんが30キルを超える圧倒的なスコアをたたき出し、チームを牽引。2試合目は、SurugaMonkeyさんやJasperさんがお互いにエース(1人で相手チーム5人を倒すプレイ)を披露するなど、さまざまな見せ場をつくりました。

そして、ストリーマーだけでなく、来場者も続々と活躍を見せます。憧れのストリーマーとチームを組み、しかも大きなオフライン会場のステージでプレイするという緊張感ある環境でありながら、2試合目ではついに来場者が堂々のエースを獲得する場面もありました。

また、ミックスマッチの4チームのうち、3チームに女性プレイヤーが含まれていたことも印象的でした。抽選のエントリーフォームに本名や性別を記入する欄はなく、プレイヤーネームや最高到達ランクなどを記入するのみだったため、意図的に女性が選ばれたわけではないでしょう。

来場者の全体としても、体感で3割ほどが女性でしたが、観戦を楽しむだけでなく、実際に『VALORANT』をプレイしている女性も多くいることがうかがえます。

  • 来場者参加型ミックスマッチのチーム分け発表

  • 抽選で選ばれた来場者とストリーマーがチームを組み、ステージに登場

  • ストリーマーだけでなく、来場者も多くの見せ場をつくった

最後のコンテンツは、メインイベントの「オールスターエキシビジョン」。ストリーマーがREDとBLUEの2チームに分かれて、2試合行いました。

抽選ボックスからボールを引くチーム決めでは、最上位ランクのレディアントに到達した経験のあるJasperさん、SurugaMonkeyさん、MOTHER3さんの3人がBLUEチームに偏ってしまうというハプニングが起きます。

1試合目は、マップ選択とサイド選択の両方をREDチームに渡してスタートするも、やはりBLUEチームの圧勝。2試合目は、レディアントの3名は武器をシェリフとマーシャルまでとするハンデを設けての対戦となりました。

これにより2試合目は拮抗し、白熱した試合展開を迎えます。しかしながら、レディアントの実力はすさまじく、見事な対応力でハンデを乗り越え、BLUEチームの勝利となりました。

  • 同じBLUEチームになり、ハイタッチするJasperさん、SPYGEAさん、StylishNoobさん

  • 落ち込むk4senさんと、BLUEチームで喜ぶSurugaMonkeyさん、MOTHER3さん

  • SPYGEAさん

  • MOTHER3さん、SurugaMonkeyさん

  • k4senさん

  • ラウンド勝利ごとに、スティックバルーンで大きく盛り上がる会場

  • 会場内には、オリジナルの応援ボードを持参したファンも多数

そして、すべてのコンテンツが終了すると、久々のオフラインイベントを楽しんだ10名のストリーマーが、それぞれに1日の感想を述べ、来場者や視聴者への感謝を伝えてDAY1が締めくくられました。

なお、イベントの終了後には、会場ロビーでストリーマー全員が来場者をお見送りするというサプライズも。最後の最後まで、オフラインイベントならではの興奮が続く1日となりました。

  • DAY1のエンディングで撮影された集合写真

フォトスポットや物販、オフラインならではの交流も

会場では、ステージでのメインコンテンツ以外に、写真撮影ができるボードやオフィシャルグッズの物販なども用意されていました。

また、DAY1の出演者以外にも、『VALORANT』のストリーマーや選手などが来場しており、あちこちで写真やサインを求める行列ができていました。この日のために遠方からやってきていた来場者も多く、ファン同士の交流の機会にもなっていたようです。

  • ロビーに設置された、ストリーマーの巨大なボードの前で撮影するファン

  • 「RAGE VALORANT」オフィシャルグッズの販売も行われた

  • ファンとの写真やサインに応える「Crazy Raccoon」rion選手

  • 別のボードの前では「FAV gaming」Fisker選手も

「ZETA DIVISION」凱旋、プロ選手15名が登場したDAY2

5月8日のDAY2には、日本代表チームとして世界3位の歴史的快挙を達成したプロゲーミングチーム「ZETA DIVISION」メンバーをはじめとする、15名のプロ選手が登場。15名は、「VALORANT Champions Tour」(以下、VCT)のStage1 Challengers Playoffsに出場した選手の中から、ファン投票によって選出されています。

ステージコンテンツでは、選手とコーチを招いた「ZETA DIVISIONトークセッション」、抽選で選ばれた来場者を含めた「来場者参加型ミックスマッチ」、そして15名の選手がこの日限りのチームで対戦する「オールスターエキシビジョン」の3つが行われました。

  • オープニングの「ZETA DIVISION」登場シーン

  • 世界3位獲得を祝う花束を受け取った、リーダーのLaz選手

最初に行われた「ZETA DIVISIONトークセッション」には、Laz選手、crow選手、Dep選手、SugarZ3ro選手、TENNN選手、JUNiORコーチ、XQQコーチの7名が登壇しました。

DAY2のキャスターを務めた岸大河さん、河野海樹さん、yueさんによる進行で、アイスランドにて開催された世界大会「VCT 2022 Stage1 Masters」の話題を中心に、さまざまなトークを展開。思い出に残っている試合や長期滞在で困ったこと、今だから話せる裏話などが明かされました。

そして、トークの最後にLaz選手は、「競技シーンで10年くらい頑張ってきて、最初のころは誰も見ていないような状態からスタートして、つらい時期も多くありました。世界大会で3位までこれて、今日もこれだけたくさんの方に会場にまで来ていただいて、本当に夢のようです」と胸の内を語りました。

  • Laz選手、crow選手、JUNiORコーチ

  • Dep選手、XQQコーチ

  • SugarZ3ro選手、TENNN選手

  • キャスターの岸大河さん、河野海樹さん、yueさん

  • アイスランドでの長期滞在で困ったのは「食事」と挙手するメンバー

続いてのコンテンツは、抽選で選ばれた10名の来場者がプロ選手とチームを組んで対戦する「来場者参加型ミックスマッチ」。ここでDAY2に参加する15名の選手が、1人ずつ入場します。

ミックスマッチは2試合行われ、1試合目にはランクがゴールド以下の来場者が参加。来場者3名と選手2名の組み合わせで、選手はシェリフを含むハンドガンまでというハンデで対戦しました。

2試合目は、プラチナ以上の来場者2名と選手3名という組み合わせで、非常にハイレベルな内容、かつサドンデスに突入する大接戦となりました。来場者たちは、試合中に選手とグータッチができたことに感激した様子で、「一生の思い出になります」と語っていました。

  • 出演選手の入場シーン

  • 来場者参加型ミックスマッチのチーム分け発表

  • 選手2名+来場者3名の組み合わせで行われた、1試合目のチーム

  • 一生の思い出になる、憧れの選手とのグータッチ

DAY2のメインコンテンツは「オールスターエキシビジョンマッチ」。15名の選手が抽選でRED、BLUE、YELLOWの3チームに分かれ、総当たりでの対戦を行います。抽選ボックスからボールを引き、各チームのメンバーは下記のように決定しました。

■REDチーム
neth選手、Laz選手、Dep選手、bazz選手、Minty選手

■BLUEチーム
Zepher選手、Fisker選手、popogachi選手、SugarZ3ro選手、oitaN選手

■YELLOWチーム
takej選手、Reita選手、Meiy選手、crow選手、TENN選手

  • YELLOWチームのボールを引いた、takej選手とReita選手

  • REDチームのボールを引いた、Laz選手とDep選手

  • オールスターエキシビジョンのチーム分けが決定

1試合目はREDチーム対BLUEチーム、2試合目はREDチーム対YELLOWチームによる対戦。競技シーンではまだあまり見られないネオンや、新エージェントのフェイドがピックされ、トッププロたちによる高度なプレイに会場の盛り上がりも最高潮を迎えます。

なかでも、YELLOWチームはかつてのメンバー同士である、元「Absolute」のtakej選手、Reita選手、crow選手、そして元「Northeption」のMeiy選手、TENN選手がそろっていたことから、抜群の連携を見せていました。

ラストの3試合目は、1勝ずつ獲得したBLUEチームとYELLOWチームが、アイスボックスで対戦。この試合では、Reita選手のフェイドとcrow選手のソーヴァによるアビリティの連携が光り、今後の競技シーンでもフェイドを採用した構成が見られるのではないかと、大きな注目が集まりました。

その後は、takej選手のレイナが暴れる展開で、YELLOWチームが勝利を獲得。オールスターエキシビジョンマッチは、YELLOWチームの2勝で締めくくられました。

  • Laz選手、Minty選手、bazz選手、neth選手、Dep選手

  • TENN選手、takej選手、crow選手

  • Reita選手

  • Meiy選手

  • たくさんのファンを目の前にプレイする選手たち

  • 選手たちのスーパープレイが飛び出すたびに、会場は大盛りあがり

  • DAY2も、多くのファンが応援ボードで客席からアピール

チームブースのグッズ販売や写真撮影も大盛況

DAY2の会場ロビーには、「VCT Stage1 Challengers Playoffs」に出場した6チームによるチームブースが用意されました。各ブースでは、チームグッズの物販が行われたほか、多くのチームが選手との写真撮影を行える時間を設けていました。

他チームとは異なる2階ロビーに用意されていたのは、「ZETA DIVISION」のチームブース。整理券が配布され、グッズを求めるファンによる長い行列が続いていました。なお、「ZETA DIVISION」は会場に来られない人向けにグッズのオンライン販売も行っていましたが、ものの数分で完売する人気ぶりでした。

  • 大人気の「ZETA DIVISION」チームブースは、2階ロビーに設けられた

  • 「ZETA DIVISION」のグッズ購入のために長い行列を作るファン

  • 選手が訪れ、写真撮影を行っていた「Crazy Raccoon」のチームブース

  • 同じく、写真撮影を行っていた「IGZIST」のチームブース

「RAGE VALORANT」2022年秋の開催が決定!

すべてのコンテンツが終了したあとは、15名の選手がステージ上で1日の感想をコメント。多くの観客に囲まれてプレイできた喜びや、イベント後まもなく(5月10日から)始まる「VCT 2022 Stage2」への意気込みなどが語られました。

そして、RAGE総合プロデューサーの大友真吾さんが登場し、「RAGE VALORANT」第2回を2022年秋に開催することを発表。開催時期は「VCT 2022 Stage2」が終了したあと、10月頃を予定しているとのことです。

すさまじい勢いで盛り上がりを見せる、国内の『VALORANT』シーン。次回はどのような内容で行われるのか、今後の発表に期待が寄せられます。

  • DAY2のエンディングで撮影された集合写真

  • 「RAGE VALORANT」2022年秋の開催を発表