今週はWindows 10 Insider Previewの次ビルドがリリースされるというウワサもあったが、その楽しみはゴールデンウイーク中、もしくは以降に持ち越されたようだ。そこで、Microsoftが現地時間2022年4月26日に発表した「Microsoft 365 Webアプリのアカウント切り替えのお知らせ」に注目したい。

  • Microsoft Edgeのプロファイル切り替え機能

Microsoft Edgeは以前から、プロファイルによる利用環境の切り替え機能を備えていた。一見すると情報漏えいの心配も減り、利便性の高い機能に見える。だが、複数のWebブラウザーを起動したくない筆者は、少々煩雑な印象を覚えた。

たとえばMicrosoftアカウントでサインインしている環境から、Microsoft Azureのダッシュボードにアクセスすると、プロファイルの切り替えをうながしてくる。指示に従うと別のMicrosoft Edgeで開くという動作だ。「このサイトでの選択を記憶する」を有効にすれば確認せずに前述の動作が実行されるのだが、別のMicrosoft Edgeが起動することに変わりはない。

  • WebのMicrosoft 365 AppsやMicrosoft Azureにアクセスする際は、プロファイルの切り替えをうながされる

確かに、複数のMicrosoft 365 Appsテナントや複数アカウントを利用する場面では有用だ。一方で、前述のように「1つのWebブラウザーでタブを切り替えて使いたい」筆者には不向きなので、Microsoftアカウントのみプロファイル登録してMicrosoft Edgeを使ってきた。

筆者は現在、Microsoft 365 Apps for Business Standardと、検証用にMicrosoft 365 Personalを契約し、普段は前者のMicrosoft 365 Appsを使用している。だが、たまに個人用のMicrosoft 365 Appsを参照すると、前者の仕事用Microsoft 365 Appsが開いてしまう。

  • Word for the WebのOfficeプロファイル

今のところはお気に入り登録でしのいでいるが、今回Microsoftが発表したのは、この「個人用~にアクセスしたい」というニーズを満たすものだ。

下図は公式ブログのGIF画像を加工したもの。ポータルサイトのOffice.comにアクセスした状態でMicrosoftプロファイルを開くと、職場または学校アカウントのContso(Microsoftが多用する仮想組織)、Contoso Demoに加えて、outlook.comのアドレスを確認できる。ほかのタブで利用アカウントを切り替えると、同時利用できるアカウントは1つに制限されるため、ページの更新をうながされる仕組みだ。

  • 今後加わるMicrosoftプロファイルの切り替え機能

Microsoft 365管理センターのメッセージセンターを確認すると、この仕様変更はMC338712として2022年3月4日に公開済みの情報だ。4月上旬から6月下旬までの展開を予定している。

説明によれば、ここで紹介した機能は「Microsoftのネイティブ アプリケーション、他のMicrosoft Webアプリ、Microsoft Azureポータル、Azure DevOpsに存在」し、今回はMicrosoft 365 Appsへの展開が行われる。MicrosoftアカウントでMicrosoft Azureを利用するシーンは皆無だと思うが、筆者のように単独のWebブラウザーで操作したい利用者には朗報といえよう。公式ブログのFAQで説明されるように、本機能はMicrosoft Edgeのプロファイル切り替え機能と似て非なるものだが、複数のMicrosoft Edgeプロファイルを登録する必要がなくなるのは確かだ。