パナソニックは4月7日、2021年夏にエアコンが2週間以上使えなかった「エアコン待機者」の実態と、エアコン試運転状況についての調査結果を発表。同時に、パナソニック エアーマイスターによるエアコンの試運転方法&フィルター掃除術を公開した。

  • 左:エアコンを注文してから自宅で使用できるまでの期間、右:修理依頼してからエアコンが使用できるようになるまでの期間

2021年にエアコンを購入または修理した人が、エアコンを使えるようになるまでの期間を調査。すると夏(6~8月)にエアコンを購入・修理した人の中で、発注から使用まで2週間以上待たされる「エアコン待機者」が約3割(購入者:30.2%、修理者:25.8%)いたことが明らかに。その理由として最も多かったのが、「繁忙期で販売店や業者の予約が取れなかったため」という回答だった。

続いて、2021年夏にエアコン冷房を使った550名に「2021年、夏より前にエアコン試運転を行いましたか」と質問したところ、「行った」が53.6%、「行わなかった」が46.4%と、半数近くが試運転を行っていなかった。その理由としては「必要がないと思うから」(42.0%)が最多、次いで「面倒だから」(27.5%)だった。パナソニックは、「エアコン待機者」とならないために、購入時期にかかわらず早めの試運転は必要不可欠だとしている。

  • 左:試運転を行った時期、右:エアコンに関する月別の問い合わせ件数

試運転を行ったタイミングは「6月」が最多。「パナソニックお客様ご相談センター」に寄せられるエアコンに関する相談については例年7月と8月に問い合わせが集中しているが、昨今は猛暑の影響で6月から問い合わせが急増。過去2年(2020年~2021年)の問い合わせ平均件数は、8月が4月の4.5倍、7月が4.2倍、そして6月も2.9倍もの件数となり、「エアコン待機者」の発生につながっているとする。

こうした状況から、パナソニックは暑さが本格化する前の4~5月にエアコンを動かし、不具合がないかチェックする「試運転」を行うことを推奨。パナソニック エアーマイスターの福田風子氏が、3つのステップでの「エアコン試運転」を解説している。

  • 3つのステップでの「エアコン試運転」の方法

「ステップ1」は、電源を入れる前にブレーカーやコンセントにホコリが溜まっていないことを確認すること。ホコリが原因による発火につながる可能性があるためだ。

「ステップ2」は、運転モードを「冷房」にし、室内温度を3℃以上低くして運転を始め、エアコンがしっかり動くまで30分以上運転すること。

「ステップ3」では、エアコン本体やリモコンに不具合がないかチェックする。冷たい風が出ているか、水漏れや異臭、異音がしないかなどの不具合がないかを確認。

冷たい風が出ない、すぐ止まるといった場合は、リモコンの「本体リセット」ボタンを押して本体電源をリセットする。該当ボタンがない場合は、電源プラグを抜くかエアコンのブレーカーを落とし、設定温度を下げて再度試す。

そのほか、エアコン試運転時の不具合解決方法については、パナソニックの公式サイト「暑くなる前にチェック!エアコンの試運転とフィルターのお掃除」を参照のこと。

  • 冷たい風が出ているか、水漏れや異臭、異音がしないかなどの不具合がないかを確認

  • よくある不具合ケースと対策法

試運転をしたあとは、フィルターの手入れを行う。自動お掃除機能が搭載されていない場合、窓を開けてマスクをした状態でエアフィルターを取り外し、掃除機でほこりを取り除く。

油汚れや臭いが気になるときには柔らかい布やスポンジで軽くふくように水洗いし、汚れがひどいときは薄めた中性洗剤でつけ置き洗いを行う。洗った後は直射日光やドライヤーの温風に当てることは避け、広げた新聞紙の上にフィルターを立てかけて陰干しして十分に乾かす。カビを発見した場合は胞子をまき散らさないようにそっと浴室に運び、丁寧に洗い落とすこと。

  • エアフィルターを取り外して掃除機でほこりを取り除く。汚れがひどいときは中性洗剤でつけ置き洗いを行う

自動お掃除機能が搭載されていても、実はフィルターを取り外して水洗いすることが大切。お掃除機能付きのエアコンでも、フィルターから取り除いたホコリを本体内のダストボックスに溜めるタイプが主流なため、多くは自分でほこりを取り除く必要がある。汚れがひどいときは薄めた中性洗剤でつけ置き洗いし、直射日光やドライヤー乾燥を避けて十分に乾かす。