海外旅行になかなか行けない日が続いていますが、世界の通信ネットワークは4Gから5Gへ着々と進化が進んでいます。2022年2月末からMWC Barcelona 2022の取材でスペイン、バルセロナを訪問しましたが、各通信キャリアがすでに5Gサービスを開始しています。
今回バルセロナで5Gを体験したのはボーダフォンのネットワーク。赤い看板のボーダフォンのお店はスペインのみならず、ヨーロッパ各国でよく見かけます。バルセロナの繁華街の中心であるカタルーニャ広場のそばにあるボーダフォンのショップに向かい、旅行者向けのプリペイドSIMを買ってみました。なお持ち込んだスマートフォンは香港版のiPhone 13 Pro Max(SIMフリー)です。
スペインでは2年前から5Gサービスが始まっていましたが、当時は5Gを使うためのサービスが用意されておらず、プリペイドSIMを買っても数GB程度しか使えませんでした。しかし今や日本ではahamoなど「低価格」と言われる料金でも一か月あたり20GBが使える時代です。スペインでも2020年2月時点で販売されているプリペイドSIMは最低でも10GBが使えるものになっていました。しかもキャンペーンでプラス15GB、つまり最低料金は25GBからと、十分すぎる容量が利用できるのです。
普段の日本の生活なら20GBもあれば十分かもしれません。しかしここはバルセロナ。ホテルによってはWi-Fiが遅く、今回滞在したところも数Mbpsしか速度が出ないなど仕事をするのも困難でした。滞在中は展示会のカンファレンスの動画を見たり、撮影した動画をアップロードすることもあるため、プリペイドSIMの容量は余裕のあるものが欲しいところです。
プランを見ると10+15=25GBは10ユーロ(約1,360円)と格安ですが、あっという間に使い切ってしまいそうです。そのすぐ上のプランを見ると、わずか5ユーロ(約680円)を追加するだけでデータ容量は20+30=50GBと倍増します。これにしようとも思いましたが、40ユーロ(約5,400円)で55+30=85GBという最高プランなら1週間の滞在中も思い切って使えそうです。
そこでボーダフォンのスタッフに「85GBプランにしたい」と伝えると、少し驚いた様子でしたがすぐに登録を進めてくれました。やはり海外からの渡航者で85GBも使いたいというお客さんは少ないのでしょう。なおスペインでは登録にパスポートとホテルの住所が必要です。
さてバルセロナの街中で速度を試してみると100Mpbs以上が出る場所もあれば、20−30Mbpsと、4G程度の速度のエリアもありました。とはいえ4Gは10Mpbs前後で速度は遅く、5Gを掴めばかなり快適です。
今回訪問したMWCは世界最大の通信関連イベントということもあり、会場近辺のネットワークはしっかりと強化されていました。会場の外はもちろんのこと、会場内のほぼ全域で5Gの電波をつかむことができたほど。ちなみに今回、日本からahamoのSIMも持っていきましたが、渡航時点ではスペインで5Gローミングができず4G回線しか使えません。
さてさっそく会場でスピードテストをするといきなり400Mbpsの速度が出ました。街中ではなかなかここまでの速度を体験できなかったため、自然とテンションが上がってしまいます。その後何度か速度を計ると500Mpbsや600Mpbsをオーバーすることも。ここまで速ければ動画の視聴も全くストレスは感じません。
今回のバルセロナ滞在の最高速度は708Mpbsでしたが、500Mbpsを越えればもはや何をするにも快適で、ホテルのWi-Fiを使う必要性も全く感じられないほど。来年のバルセロナ訪問時はもっと広い場所で、より高速な5G環境が利用できるようになっていることでしょう。
前述したように今回はahamoのSIMを持っていったため、ヨーロッパに到着してすぐに料金を気にせずスマートフォンを使うことができました。もはや海外へ行く際に現地の回線を別途用意する必要はなく、日本で普段契約しているSIMを入れたスマートフォンをそのまま使える時代になりつつあります。とはいえ5Gのローミングができない国も多いですし、現地の4G回線では不満が出るケースもあるでしょう。バルセロナでは5G対応のプリペイドSIMの価格も安く、旅行や仕事で訪問するときは現地SIMを買うことも視野にいれるといいかもしれません。