フィリップ モリス ジャパン(PMJ)は3月8日、加熱式たばこの新製品「IQOS ILUMA ONE」を発表しました。同日からIQOSオンラインストアなどで販売を開始し、3月9日からは全国8店舗のIQOSストア、3月22日からはコンビニエンスストアでも販売します。価格は3,980円。
IQOS ILUMAは、加熱式たばこIQOSシリーズの新しいラインナップ。2021年8月から「IQOS ILUMA」「IQOS ILUMA PRIME」の2製品を投入しています。従来のIQOSシリーズが、たばこスティックに加熱用のブレードを差し込む高温加熱方式を採用していたのに対し、IQOS ILUMAは本体(ホルダー)内部のコイルから磁気が発生し、たばこスティック内に埋め込まれた金属片が誘熱体として加熱する「スマートコア・インダクション・システム」です。たばこスティックの内部から安定して加熱でき、味わいが安定するとしています。
IQOS ILUMA用たばこスティック「TEREAスティック」は、たばこ葉が露出しておらず、ブレードを差し込むこともありません。吸い終わったあとのホルダー清掃も不要で、使い勝手が大きく高まっています。
IQOS ILUMAの既存2製品は、TEREAスティックを差し込む細身のホルダーと充電用のケースが別々でしたが、新しいIQOS ILUMA ONEは一体型に。これまでも単体で使える「IQOS 3 MULTI」という製品がありましたが、これと同じです。ホルダーとして見れば大きくなりましたが、トータルとしては小型化されています。軽いのもうれしいところ。
大きさと重さを比べてみると、まずホルダーを充電するポケットチャージャーの本体サイズ・重さは、IQOS ILUMAが幅47×奥行き23.4×高さ121.5mm・116.5g、IQOS ILUMA PRIMEが幅44.7×奥行き22.2×高さ117.2mm・141g。ホルダーは共通で、直径14.5×長さ101mm・30.5gです。一方でIQOS ILUMA ONEは、本体サイズが幅30.6×奥行き16.4×高さ121.6mm、重さが68.5gとなっています。
バッテリー性能も向上しました。IQOS 3 MULTIは満充電から10本のたばこスティックを吸えましたが、IQOS ILUMA ONEではバッテリー容量が増加したことで、20回の連続使用が可能に。IQOS 3 MULTIよりはサイズが少し大きいものの、手軽に使える一体型で20回の連続使用というのは大きなポイントでしょう。
価格面でも、IQOS ILUMAは9,000円弱、IQOS ILUMA PRIMEが13,000円弱だったのに対し、IQOS ILUMA ONEは3,980円と大幅に低価格化。この値段にはかなりインパクトがあります。PMJのポートフォリオ・マネージャーである村上彰啓氏は「戦略的な価格」と話します。
低価格化のために省かれたのは、スティックを差し込むだけで加熱が始まるオートスタートや、本体を持ち上げるとLEDが点灯するスマートジェスチャー機能など。そのため、加熱をスタートするには本体ボタンの長押しが必要です(IQOS ILUMA ONEのホルダーからTEREAスティックを抜くと、自動で電源オフになります)。
そのほか、Bluetooth機能を搭載し、スマートフォンから設定の変更などができるのは従来通り。アクセサリーとして本体全体を覆う「シリコーンスリーブ」(6色・各980円)、ファブリック素材でハンドストラップの付いた「ファブリックスリーブ+」(3色・各1,780円)も用意される。
実際に試したところ、吸い心地は従来と変わらず、本体(ホルダー)は大きいものの、持ちにくさや吸いにくさは感じません。スリム&軽いので持ち運びはしやすそうです。全体は金属ボディですが、下部はラバー素材になっていて、滑り止めにもなるので持っていて不安はありませんでした。
フィリップ モリスは、すでに全世界に2,120万人のIQOSユーザーを抱え、国内シェアも1位を継続。IQOS ILUMAは本体が高額で、他社は安価な製品で追撃を図っていますが、IQOSファミリーはその先進性と使いやすさ、品質面でユーザー満足度が高く、IQOS ILUMAも順調に拡大しているとアピールしています。
実際、すでに従来のIQOSユーザーの約20%がIQOS ILUMAに切り替え、さらにIQOS ILUMAユーザーの20%以上が新規ユーザー。IQOS ILUMA専用たばこスティックのTEREAも、「発売から3カ月で主要コンビニのたばこ販売シェア8%に急拡大した」(フィリップ モリス ジャパン シェリー・ゴー社長)とのことです。
そうした中、20歳以上の成人喫煙者に対して幅広く訴求する製品として、より手軽に利用できるIQOS ILUMA ONEを投入。「煙の出ない製品」のさらなる拡大を目指していきます。