インターネットイニシアティブは11月5日、2022年度3月期の第2四半期の決算を発表した。それによれば、営業収益は前年同期比7.3%増の1,090.5億円、営業利益は前年同期比77.6%増の93億円、当期利益は前年同期比148.8%増の68.9億円と増収・増益となった。

  • 決算を発表する鈴木幸一代表取締役会長(右)、勝栄二郎代表取締役社長兼Co-CEO&COO(中央)、渡井昭久専務取締役兼CFO

売上面では、国内企業のIT利用の積極的な進展を背景に、ネットワークサービス、モバイル、システムインテグレーションの各部門で売り上げ、利益ともに増加。利益面では、法人ストック売上の伸長に加え、利益率の高いIoT関連の売り上げが好調なこともあり、増収率が継続。上期の利益が見通しを40%以上と大幅に超過したため、2022年3月期の通期連結業績見通しを上方修正。これに伴い、中間配当および期末配当見通しを1株につき19.5円から23.0円に上方修正した。

  • 2021年上期の総括。企業で進むIT活用やDXの影響からか、大幅な増収増益が続いている

連結業績の状況

セグメント別では、ネットワークサービス(除モバイル)が売り上げ+2.1%の634.4億円、売上総利益は+36.7%の166.8億円となった。企業のIT利用の継続的進展から、法人向けIPサービス(+13.2%)やセキュリティ関連サービス(+16.6%)、WANサービス(+4.4%)などの増収が継続。

モバイルサービスでは、法人モバイルサービスでMVNEの大手取引先が接続先を変更した影響で減収したものの、IoT関連案件で高い増収率を計上し、売り上げ38.9%増の48.4億円。個人向けモバイルサービスのIIJmioはJ.D.パワージャパンによる調査でMVNO部門の顧客満足度1位を獲得。新プラン「ギガプラン」も好調で、回線数は純増に回復し、9月末時点で前四半期比+1.9万となる107.2万回線を記録している。このうち「ギガプラン」の契約者数は半数以上となる55.6万人となり、そのうち3割が新規ユーザーとなっているという。

またシステムインテグレーションは売り上げ+15.8%の442.1億円、売上総利益が+22.9%の58.7億円となっており、4月に子会社化したシンガポールのPTC社も売り上げ36.4億円、営業利益1.2億円と、今期の増収増益に貢献している。

  • 決算発表の中で示された、IIJ従業員の分野別構成比。技術者が71%と非常に多いのが特徴的。そして離職率が3.6%と、業界標準(10%前後)と比べて非常に低く、高いロイヤルティが好調を支えていると考えられる