サッポロビールとIBMは11月4日、RTD(Ready to Drink、栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料)において、AI技術を活用した商品開発システムのテスト運用実施を発表した。両社は、味覚コンセプトから味を創造する新たな商品開発スキームの実装を目指しており、テスト運用の結果を踏まえ、2022年の実装にむけて協議を進めていくという。
同システムの構築では、商品開発システムのアルゴリズム作成にあたり、過去のレシピの官能評価データと採用された香料の特徴に関する情報をAIに学習させたという。
立案された新商品コンセプトを元に香味特徴と目標とするプロファイルをシステムの画面に入力すると、AIが学習したデータを基に分析が行われ、目標とするコンセプト・香味プロファイルに合致するレシピ(推奨配合骨格と推奨香料)が出力される。
今回のテスト運用では、出力された配合に基づいて作られた試作品が、立案されたコンセプトに合致した良好な香味であることが確認できたという。また、レシピの検討時間が従来と比較して50%以下に削減される成果も得られた。
日本IBMからはデータサイエンティストやコンサルタントが中心となって参加し、企業内に蓄積されたデータの分析とAI予測エンジンの導入を支援した。