大正製薬と熊本大学は10月25日、殺菌成分「セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)」を0.0125%以上の濃度で5分間曝露させることで、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を99%以上不活化できることを確認したと発表した。

同成果は、大正製薬と熊本大 大学院生命科学研究部遺伝子機能応用学研究室の甲斐広文 教授および環境分子保健学研究室の三隅将吾 教授らの研究チームによるもの。

今回の試験はin vitro試験(試験管内の実験)で、新型コロナウイルス(2019-nCoV/Japan/TY/WK-521/2020)の溶液とCPC溶液を1:1で混合して5分間作用させた後、ウイルスの減少量を測定する形で実施。その結果、0.0125%以上の濃度で曝露させることで、新型コロナウイルスを99%以上不活化することを確認したという(0.005%の場合、不活化率は90.0%)。

機序としては、新型コロナウイルスのエンベロープが脂質二重膜構造であるため、CPCがそのエンベロープを破壊することで不活化するものと考えられるとしており、研究チームでは、引き続き、CPCの新たな作用についての研究を進めていく予定としている。

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    CPCによる新型コロナウイルスの不活化イメージ (出所:大正製薬Webサイト)