ダイソンは10月13日、空調カテゴリーの新製品を発表。空気清浄機・加湿器・扇風機という1台3役で活躍する「Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehyde(ダイソン ピュリファイヤ ヒューミディファイ アンド クール ホルムアルデヒド)加湿空気清浄機」と、「Dyson Purifier Humidify+Cool (ダイソン ピュリファイヤ ヒューミディファイ アンド クール)加湿空気清浄機」です。

  • Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehyde(ダイソン ピュリファイヤ ヒューミディファイ アンド クール ホルムアルデヒド)加湿空気清浄機

発売日は前者が10月27日、後者が11月26日。ダイソン公式オンラインストアでの価格は、Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehydeが99,000円、Dyson Purifier Humidify+Cool が88,000円です。

上位モデルのDyson Purifier Humidify+Cool Formaldehydeの実機を見てきたので、オンラインセミナーの内容とあわせて紹介します。

新フィルターでホルムアルデヒドを分解

  • Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehyde。マイナビニュース・デジタルの林編集長(165cm)と比較すると大きさ感が伝わるでしょうか

新製品の特徴は、精度の高い固体ホルムアルデヒドセンサーと、独自の酸化分解触媒フィルターによって、空気中のホルムアルデヒドを正確に検知・分解できること。ホルムアルデヒドは0.1ミクロン粒子の500分の1という大変小さいサイズなので、捕集が難しい物質といわれています。シックハウス症候群の原因となる主要な物質のひとつでもあります。

ホルムアルデヒドを検知するセンサーにはジェルタイプのものがありますが、長く使っていると乾燥して、検知の精度が落ちるという問題がありました。また、ホルムアルデヒドではない物質を「ホルムアルデヒド」と誤認してしまうこともあるそうです。

  • Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehyde(左)、Dyson Purifier Humidify+Cool(右)

そこでダイソンでは、固体のホルムアルデヒドセンサーを採用。製品寿命が終わるときまで、センサーの性能が変わりません。従来モデルから備えているVOCセンサーなどとともに、長期間でも検知の性能を保ちます。

さて、コロナ禍によるステイホームをきっかけに、園芸やDIYを楽しむ人が増えていますが、実はDIYで使う素材や接着剤からもホルムアルデヒドが発生することがあります。中国などではリフォーム時の装飾(壁紙や床材)から比較的高い濃度のホルムアルデヒドが検知されるケースもあり、個室や密閉空間ではホルムアルデヒドの濃度が心配です。

ダイソン空調家電カテゴリーのムザファー・イザムディン氏は「家で過ごす時間が長くなったことから、有害物質であるホルムアルデヒドに注目した」と、ホルムアルデヒド除去に対応した開発の背景について話しました。

  • 壁紙、ワニス、木材などさまざまな物質からホルムアルデヒドが発生します

空気中でホルムアルデヒドを検知すると、本体のLCDディスプレイにリアルタイムで表示します。新製品では、ホルムアルデヒド、VOCセンサー、ホコリセンサー、温度・湿度センサーという4つのセンサーを搭載していますが、それぞれ検知した情報はLCDディスプレイに表示されるので、自分が過ごしている部屋の空気環境がよく分かります。

ダイソンは、空気清浄機の重要な性能として、検知・清浄・循環という3つのポイントを挙げています。空気清浄を開始するとLCDディスプレイのグラフや数値が変化するので、視覚的にも部屋の空気がキレイになったことを実感できます。

  • 円形のディスプレイに検出した物質や状態の数値を表示

そして、ホルムアルデヒドを分解するのに活躍するのが「酸化分解触媒フィルター」です。二酸化マンガンとホルムアルデヒドが反応して、二酸化炭素と少量の水に分解し、室内に放出します。

  • 左から、酸化分解触媒フィルター(青)、活性炭フィルター(黒)、HEPAフィルター(白)、カバー

酸化分解触媒フィルターには「クリプトメレーン鉱」という物質が使われており、非常に小さい穴が空いています。ホルムアルデヒドがその穴を通過すると、二酸化マンガンと化学反応する仕組み。捕集ではなく「分解」するため、フィルターは目詰まりせず、交換不要。製品寿命と同じ期間、性能が変わらず使用できるのです。

  • 4つのセンサーで汚れを検知して、内部のフィルターで汚れを清浄

また、新製品はHEPAフィルターと活性炭フィルターも搭載しています。HEPAフィルターではPM0.1レベルの微細な粒子もキャッチし、活性炭フィルターでニオイをキレイにします。

  • 異なる汚れ(空気を汚している物質)の清浄を担当する、複数のフィルターを組み合わせています

密閉性を高めて、汚れた空気を漏らさない

一般的な空気清浄機は、汚れた空気を集めてフィルターで捕集してキレイにしても、部品のすき間から汚れた空気が漏れてしまうことがあるそうです。今回の新製品、Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehyde、Dyson Purifier Humidify+Coolでは、フィルターの接着部分や部品の結合部分といったわずかなすき間を分析し、高い圧力で密閉。汚れた空気を漏らさず、キレイな空気を室内に送り込みます。

この「密閉性を高める」という機構は、2021年5月発売の「Dyson Purifier Cool 空気清浄ファン(TP07)」でも採用されています。

  • オンラインセミナーではオレンジのスモークを使って密閉性をチェック

  • 本体の外側にオレンジのスモークは漏れていません

  • HEPAフィルターでしっかり捕集されていることが分かります

PM0.1は、1立方センチメートルの空間に約1万個

PM0.1レベルの汚れも捕集できるといわれても、正直ピンときません。実際の生活環境でPM0.1レベルの汚れはどれくらいあるのでしょう? オンラインセミナーでは、国立環境研究所の藤谷雄二氏がPM0.1に関すして解説しました。

PM2.5は粒子が2.5マイクロメートル以下のこと。PM0.1はPM2.5の「25分の1」粒子という非常に小さいサイズです。PM0.1の発生源はPM2.5と同様で、車の排気ガスや大気中のガスが太陽光などで化学変化し、粒子化して発生することがあるそうです。

藤谷氏が茨城県つくば市でPM0.1を観測したところ、1立方センチメートル(角砂糖くらい)あたりの空気中、PM0.1の数は「5,000~10,000個を検知した」とのこと。かなりの数が浮遊していることが分かります。

「PM2.5の環境基準は粒子の重さで規定されていますが、PM0.1は非常に軽いため重さで比較するとPM0.1はPM2.5の基準に当てはまりません。そのため、PM2.5の環境基準をクリアしていても、実はPM0.1の個数が多いという環境は存在すると言えます」(藤谷氏)

目に見えない超微細な粒子が屋内外に浮遊しているわけですから、せめて部屋の中だけでもキレイにしたいものです。

「長期間、快適に使える」が新製品の魅力

今回の新製品が備えた新機能、ホルムアルデヒドを検知するセンサーと触媒フィルターに注目すると、長い期間使っても交換不要で性能が衰えない点が魅力といえます。

ダイソンの加湿空気清浄機は、1台で3役(扇風機・空気清浄機・加湿器)、乾燥フィルターのお手入れの手間を軽減など、日々快適に使えるよう進化してきました。今回の新製品で使い勝手がさらに高くなっています。

寒い季節は、家の中で過ごす時間が長くなるもの。ホルムアルデヒドをはじめ、微細な汚れをキャッチしてキレイな室内環境をつくるダイソンの茎清浄機は、巣ごもり時期の頼もしいパートナーになりそうです。

  • 加湿フィルター(オレンジ)のお手入れは簡単

  • タンクの説明書きに従ってお手入れ

  • タンクの中に加湿フィルターとクエン酸を入れて、お手入れモードをスタートさせるだけ

ちなみに本体カラーは、Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehydeがホワイト/ゴールド。本体の下部とリモコンがゴールドです。従来モデルよりも密閉性を高めたDyson Purifier Humidify+Coolは、ホワイト/シルバー、ブラック/ニッケル(直販限定)です。本体サイズは両モデルとも幅312×奥行き312×高さ923mm。8畳を浄化する目安は22分。加湿能力は350ml/hです。

  • Dyson Purifier Humidify+Cool Formaldehydeはリモコンもゴールド

  • 本体のてっぺんにマグネットでくっつけておけます

  • これからの季節に活躍しそう