アイウェアブランドのJINS(ジンズ)が、「ココロとカラダのセルフケア」ができるフィットネス系スマートグラス「JINS MEME(ジンズ ミーム)」の最新モデルを10月14日に発売します。10月6日の発表会にて、JINSのCEOである田中仁氏が「JINSらしさを追求したスマートグラス」の特徴を語りました。
見た目に普通のメガネと変わらない全6タイプ・12種類
新しいJINS MEMEは、メガネ本体に搭載するセンサーによって、装着したユーザーの身体と心の状態を検知するヘルスケア系ウェアラブルデバイス。アプリで可視化するところまでのサービスを一貫して提供します。
今回、フレームとカラーバリエーションが異なる全6タイプ・12種類がそろいました。見た目には、JINSのストアで販売されている通常のメガネとほぼ変わりません。スタンダードなメガネタイプは4種類・8色、サングラスタイプは2種類・4色です。JINSの100店舗とオンラインショップで扱います。
価格は度付きレンズ代金込みで19,800円。サングラスタイプは度付きレンズ代金が別途かかります。すべてのJINS MEMEでオプションとして、UVカットやブルーライトカットといったレンズのカスタムオーダーに対応します。また、度なしレンズの全4タイプ・4種類のモデルも、Amazon限定で発売。こちらの価格はブルーライトカットレンズ付きで21,300円です。
すべての新機種が対応するJINS MEME専用アプリは、購入から1年間は無料で提供。2年目以降も継続して利用するときは年額5,000円、または月額500円の有料となります。
ふたつの基幹センサーで身体と心の状態を検知する
JINSは2015年に、「ココロとカラダのセルフケア」をコンセプトとしたスマートグラス「JINS MEME」第1弾モデルを発売しています。今回の第2弾はハードウェアに搭載するパーツの小型化・省電力化を実現し、バッテリーやBluetooth通信に必要なモジュールをすべてノーズパッドに集約。通常のメガネと変わらないデザインとサイズ感になりました。全6タイプ・12種類のJINS MEMEは、プラスチック製の軽量フレームを採用しています。
製品の核となるセンサーは2種類。ひとつは、JINSが独自開発して特許を取得している「3点式眼電位センサー」というもので、人間の眼球が帯びている電位の変化を計測します。まばたきと視線の移動を計測して、脳の状態を分析。アプリ上でココロの状態をアニメーション再現したり、集中状態を見える化したりする役割を果たします。
もうひとつの「6軸モーションセンサー」は、体の軸のバランスを計測。人間の移動と回転の速度をリアルタイムに測りながら、歩行時の身体の傾き、着席時の姿勢などをアプリからチェックできます。
専用アプリに多彩なコンテンツを収録する
専用アプリのJINS MEMEはiOS・Android対応。「Body」「Mind」「Brain」という3つのメニューそれぞれから、ユーザーの身体と心のステータスを可視化します。加えて、身体のメンテナンスにも役立つストレッチやヨガなど、40種類以上のコンテンツを収録しています。
アプリの一部機能は、ペアリングしたスマホに通知を飛ばすこともできます。例えば、姿勢の良し悪しを4段階でリアルタイムにチェックする機能は、デスクワーク中に着席姿勢が崩れてくると背筋を伸ばすようにアラート。「Brain」内にある集中力を知らせる機能は、緊張状態が長く続いたり、集中力が下がったりしたとき、瞑想コンテンツを実践するようにすすめてきます。
ほかにも、初代JINS MEMEから搭載していた、運転中の眠気を測定してアラートを出す「DRIVE」機能も健在です。JINSは「ユーザーの眠気を検知する精度が、新製品では約2倍に向上した」と説明しています。筆者はジョギング時に身体の歪みを測定する「RUN」の機能にも期待しています。
JINS MEMEはユーザーの日常を豊かにするデバイスとして進化した
10月6日の新製品発表会にはmジンズホールディングス 代表取締役 CEOの田中仁氏が登壇。「新型コロナウィルス感染症の影響によって、多くの人々がライフスタイルの変容を求められました。暮らしに在宅ワークが定着していく中で、仕事とプライベートの境界線があいまいになってきています。自分のことは自分で守る、セルフケア・セルフマネージメントが求められる時代に、JINS MEMEが多くの人々の身体と心をケアサポートするスマートデバイスとして役立つことを願っています」と、新製品への期待と意気込みを語りました。
発表会の終了後、新しいJINS MEMEの商品企画を担当する株式会社ONEの代表でJINS MEMEクリエイティブディレクターの岩原一平氏に、第2世代機の特徴を聞きました。
初代のJINS MEMEは、「JINSが独自に開発した3点式眼電位センサーを生かす」ことを目的に開発されたという、どちらかといえば実験的なウェアラブルデバイスでした。約6年の時間を経てしっかり練り上げられた今回の第2世代機では、「“ココロとカラダのセルフケア”を多くのユーザーが実現、満足していただけるように、ユーザー目線から使い勝手をていねいに作り込みました。便利さを実感していただけるデバイスに仕上げました」(岩原氏)と、第2世代のJINS MEMEがより実用的なスマートデバイスとして飛躍を遂げたことを強調しています。
デザインもまた、より多くのユーザーが快適に装着できるようにブラッシュアップ。「フレームの展開にも多様性を持たせた」(岩原氏)としています。コアパーツが集約されているノーズパッドは、より軽く細身なフレームと組み合わせることもできるそうです。発売後も、フレームの種類が増えていくかもしれません。
JINS MEMEを取り扱う全国100カ所の店舗には「アンバサダー」と呼ばれるスタッフがいて、JINS MEMEの使い方をアドバイスしてくれるそうです。JINS MEMEに興味がわいたら、ぜひストアを訪れてみてください。
発表会では、JINS MEMEのイメージキャラクターを担当するサカナクションの山口一郎氏も登壇。自身でJINS MEMEを使ってみたという感想を語りました。
山口氏は、パソコンで歌詞を書くときにJINS MEMEを使って、あらためて自身の姿勢が悪いことを意識したことが収穫と語りました。「姿勢のバランスが崩れるとJINS MEMEがすばやく検知して、対策を通知してくれるのでとても役に立ちました。瞑想してみたりと、JINS MEMEを使い始めて体調もよくなっていると思います」(山口氏)と収穫を評価。JINS MEMEはまるで「おかあさんみたいなデバイス」と例えて会場を和ませました。現在も、自宅兼スタジオで制作活動に寄り添ってくれる頼もしいパートナーとして、JINS MEMEを活用しているそうです。
JINS MEMEの使い道が広がる多彩なアプリを開発中
JINSでは、JINS MEMEに対応する様々な用途のアプリ開発にも力を入れています。11月末にリリースを予定する「JINS MEME VTUNER」アプリは、JINS MEMEを装着した状態でセンサーがトラッキングしたユーザーの動作を検知、2次元のアバターに動作を反映させるというコントローラアプリです。アプリに登録されているアバターを選んだり、アップデートでユーザー自身がアバターを作れるようになったりと、機能の追加も予定しています。
ほかにも、JINS MEMEをワイヤレスマウスやトラックパッドの代わりに使う「JINS MEME Controller」アプリの開発も進んでいるそうです。まばたきや眼球の動きをトラッキングして、パソコンやスマホのアクセシビリティを高める機能として期待されています。こちらのアプリはJINS公式サイトで今後テスターを募り、完成度を高めていく段階とのこと。JINS MEMEは発売後も進化を続けるスマートグラスとして、大いに期待が持てそうです。