NTTドコモは10月4日、5Gスマートフォンの利用時に通信速度が極端に低下する、いわゆる「パケ止まり」の対策を10月下旬までに全国で取り組んでいくと発表した。5Gの電波品質が悪くなる5Gエリアの境界部で積極的に4Gを利用するチューニングを5G基地局に実施するほか、5G基地局の端末に割り当てる周波数帯域を最適化してスムーズに通信できるようなチューニングも行う。合わせて、5Gエリアの拡大も積極的に実施する。
各キャリアともエリアの拡大を進めている5Gだが、現在はエリアが連続していないためにエリアの境界部となる場所が多く存在する。このような5Gの電波が弱い場所だと、5Gに接続しているのにデータがほとんど流れない「パケ止まり」の状況になりやすく、「5Gと表示されているのに使えない」といった不満を感じやすい。
NTTドコモはこの課題を解決するため、そのような電波品質の悪い環境でも安定した通信ができるよう、ネットワーク装置(基地局)のチューニング(設定変更)を2種類実施することを表明した。1つが、5Gの電波品質が悪くなる5Gエリアの境界部で、積極的に4Gを利用するチューニング。もう1つが、5G基地局配下の端末に割り当てる周波数帯域を最適化してスムーズに通信できるようなチューニング。これらを実施すると、5Gの接続成功率が10%改善し、5Gと4Gを組み合わせて使う状況で5Gに流れるデータ量が約30%改善したという。
合わせて、5Gエリアの拡大も精力的に実施し、2021年度末までに5G基地局は2万局、人口カバー率は55%の達成を目指すという。これにより、5Gエリアが面的に広があり、パケ止まりが発生しやすい「エリアの端」が減らせるとしている。