バッテリーが残り少ない、帰宅まで不安だから電力消費量をできるだけ抑えたい、そんなときに「低電力モード」が活躍します。『設定』→「バッテリー」画面にあるスイッチを操作する以外にも、コントロールセンターにボタンを追加しておくとすぐ有効にできるので、うまく活用したい機能です。

その低電力モードが影響する機能は、メールの取得、Appのバックグラウンド更新、アプリやソフトウェアアップデートの自動ダウンロード、一部のビジュアルエフェクト、自動ロックされるまでの時間(強制的に30秒でロックされる)、iCloud写真、そして5G通信です。

5Gを利用した通信は、ビデオストリーミングを除き低電力モード時に制限されます。つまり、低電力モードを有効にすると、5Gネットワークを利用可能な状態にあるとしても4G/LTEネットワークが選択されるため、本来発揮できる通信速度より遅くなります。

その理由は、5G通信がより電力を消費するためです。iPhoneを含むスマートフォンの消費電力は、そのとき利用しているサービス/ネットワーク環境ごとに異なりますが、大量のデータを扱うサービスを利用しているとき、あるいは電波が弱いときに電力消費量が増える傾向があります。iPhone 12など5G対応モデルであっても省エネを優先し、電力消費量がより少ない4G/LTEで通信しようというわけです。

ただし、低電力モード時は5Gでの通信が完全に無効化されるわけではありません。FaceTimeのようなビデオ通話やビデオストリーミングは、制限の対象から外れます。『設定』→「モバイル通信」画面から設定する5G関連の項目も、低電力モード時であっても変更が可能です。

  • 低電力モードに切り替えると、一部機能を除き5Gネットワークが利用されなくなります