音楽之友社の月刊誌「stereo」のムック「これならできる特選スピーカーユニット2021年版 オンキヨー編」が8月19日に発売。オンキヨーサウンドが開発した、「バイオミメティクス振動板」を使ったフルレンジスピーカーを特別付録に採用している。ムックはB5判、24ページで、価格は6,930円。

  • stereo編「これならできる特選スピーカーユニット2021年版」

付録ユニットはオンキヨーが設計製造した10cm径のフルレンジスピーカー(型番:OM-OF101)。生物が進化の過程で得た機能・構造を活かす、バイオミメティクス(生物模倣)の技術を活用した振動板を備えているのが特徴だ。

同ユニットは、軽くて強度のあるトンボのハネの翅脈構造にヒントを得た振動板形状で共振を分散。さらに貝殻の立体構造を採り入れ、五角形をねじったようなフォルムにすることで、振動板の強度・剛性を高めた。

音楽之友社では、「軽くて丈夫という振動板の理想に近づき、共振を分散させて高域特性を改善、再生帯域を拡大」したと説明している。

  • バイオミメティクス振動板のイメージ

ほかにも、振動板のエッジに渦巻き形状を採用することで、振幅時の負荷を対称にし、柔らかさも完全対称とすることで低歪みを実現、エッジからの不要な音を低減した。80mm径の強力マグネットや、銅製ショートリング採用の低歪み磁気回路、聴感上のSN感を向上させるフェーズプラグなども採用している。

オンキヨーは2019年5月30日付で、バイオミメティクス振動板の開発成功を発表しており、2021年2月24日にはこの振動板を採用した新開発スピーカーを市場導入することを明らかにしていた。同社はムックでの出版発売を皮切りに、バイオミメティクス振動板スピーカーのOEM販売を開始する計画だ。

なお、音楽之友社は同ユニットに適合するエンクロージャー・キットが付録になったONTOMO MOOK「これならできるスピーカー工作 2021」も同時に発売した。価格は7,700円。

オーディオ評論家の生形三郎氏が新たに設計した、ダブルバスレフ型という「メーカー製スピーカーシステムにはほぼ採用例がない」方式のエンクロージャー・キットが付録となっており、組立て時に構造を変更することで、一般的なバスレフ型にすることもできるという。エンクロージャーのサイズは144×215×290mm(幅×奥行き×高さ、ターミナル等含まず)。ムックはA4変形判で16ページ。

  • ONTOMO MOOK「これならできるスピーカー工作 2021」