日立製作所(日立)は7月30日、2022年3月期第1四半期(2021年4月~6月)の連結決算を発表した。連結合計の売上高は前年比約48%増の2兆3674億円、調整後営業利益は前年比約124%増の1304億円、調整後営業利益率は前年度から1.8ポイント増の5.5%となった。

日立 2021年度第1四半期(4月~6月)の連結決算概要

ITセグメント事業は過去最高の調整後営業利益436億円、利益率9.8%を達成し、海外事業に関しても売上高が前年比88%増の1兆4598億円(海外売上比率62%)と過去最高を記録。

7月13日に米GlobalLogic買収を完了させ、海外展開の加速を見込むIoTソリューション基盤「Lumada」事業の売上高は前年比38%増の3030億円だった。

エネルギー分野の業績も好調だ。日立ABB社のパワーグリッド事業の買収の影響もあり、2021年度第1四半期の売上高は、前年比352%増の3361億円。そのほかのインダストリー分野、モビリティ分野の売上高も、それぞれ前年比13%増の1869億円、43%増の3547億円だった。

また、連結会社日立Astemoによるオートモティブシステム事業は、日立Astemo統合および市況回復の影響があり売上高は、前年比250%増の3825億円で、調整後営業利益は前年の216億円の赤字から121億円の黒字へと転じた。

一方でライフ分野の業績は、画像診断関連事業売却影響により減収減益となった。売上高は前年比9%減の2665億円、調整後営業利益は前年から32億円マイナスの202億円。

日立は、2021年度通期の売上高は前年比9%増の9兆5000億円、調整後営業利益は49%増の7400億円、調整後営業利益率を前年から2.1ポイントアップの7.8%と見込む。7月30日に開かれた記者会見で日立 執行役専務CFOの河村芳彦氏は、「安定的に4月に発表したシナリオ通りに業績が伸びている。低収益事業の見直しやコスト構造改革の成果を実現させた」と説明した。