コロナ禍で在宅時間が増え、運動不足や肩こり、腰痛などが気になっている人は多いのではないでしょうか。ちょっとしたストレッチや体操でだいぶ違うとはよく聞きますが、なかなかできないのが実状だったりします。

身体のコリや疲れに効果的な器具のひとつにマッサージチェアがあり、高級機を手がけるメジャーメーカーの1社がパナソニック。そのパナソニックが8月1日に、人気の高機能マッサージチェア「リアルプロ」シリーズの最新フラッグシップモデル「EP-MA102」を発売します。価格はオープン、推定市場価格は600,000円前後と、さすがフラッグシップ価格。今回、実際にEP-MA102を体験する機会があったので、揉み心地や従来モデルとの変更点などをレポートします。

  • マイナビニュース・デジタルの林編集長も「リアルプロ」シリーズを体験。最新モデルのEP-MA102は、写真は左からアイボリー、ブラック、ルクソールベージュの3色展開です

リアルプロの特徴は1cm幅の「揉捏」というワザ

パナソニックのリアルプロは、20年前から続いている人気シリーズ。リアルプロで特徴的なのが、「揉捏(ジュウネツ)」という繊細な揉みほぐしの動きです。パナソニックによると、揉捏とはマッサージの技法のひとつで、違和感があるポイントに親指などで深く圧力をかけ、同時に細かく練り回すことでコリをほぐす施術方法を指します。

マッサージチェアの多くは、もみ玉などが約2.5cm~3cm幅の動きをするところ、リアルプロは独立したモーターの採用によって幅1cmの範囲を揉捏する動きを実現。凝った部位をピンポイントにケアできるといいます。

【動画】EP-MA102のカバーを外し、もみ玉を露出させたデモ機で動きをチェック。動画は細かく練り回すようにマッサージする「揉捏(ジュウネツ)」の動き
(音声が流れます。ご注意ください)

これ以外にも、メインのもみ玉は業界最大レベルの約12.5cmまで突出可能。左右のもみ玉幅は最大約21cmまで広げられ、肩の外側までしっかり揉めるなど、もみ玉の可動範囲が広い点も魅力。

さらに新モデルでは、従来モデルにもあった太もも部のエアーバッグが、約2倍のサイズに大型化しています。3方向から太ももの筋肉をケアできるようになったほか、腰をしっかりとホールドすることで、腰、おしり、太もものマッサージをより効果的に行えるようになりました。

  • 太もも部のエアーバッグが旧モデルの約2倍に大きくなりました。大きなエアーバッグで骨盤まわりから太ももまで圧迫してマッサージ。しっかりと下半身を固定して、もみ玉の力を分散させません

ちなみに、筆者は家電ライターという仕事柄いろいろなマッサージチェアを試していますが、パナソニックのリアルプロは他メーカーと比較して「パワフル」という印象。強めのケアが好きなユーザーにオススメしています。

好きな場所を好きな強さでマッサージ

実際にEP-MA102を体験してみます。チェアに座ったら、液晶タッチパネルでコースを選択。液晶アタッチパネルは右側の肘かけ部に固定されているので、操作のたびにリモコンを探す必要はありません。画面の角度は自由に変えられます。

  • 大きな文字とイラストで操作がわかりやすい液晶タッチパネル。3人までのユーザー登録が可能で、気になる部位を選んで好みの動作や揉みの強さを記憶させておけます

  • 液晶横のボタンで背もたれを約120°~170°で倒せるほか、足部分は約5°~85°で持ち上げ可能。最大リクライニング時の本体サイズは、高さ約79×幅約85×奥行約200cm。このため、設置には約80×200cmのエリアが必要です

今回は、全身を一度にケアする「かんたん全身マッサージ」コースを体験しました。コースを選ぶともみ玉が上から下まで移動し、肩の位置をセンシング。それぞれの体型に合った位置をマッサージしてくれます。肩の位置を特定したら、いよいよマッサージスタートです。

揉みの感想はパナソニックらしい「グイグイくる!」感覚。今回は「やわらかい・標準・強力」という3つのコースから「標準」を選んだのですが、それでもかなりパワフルです。整体士からも「ひどいコリですね」といわれる筆者は、マッサージチェアによってはモノ足りなく感じることも。でもEP-MA102は、標準コースでほぼ満足できるパワーでした。

揉みが強すぎると感じた場合は、液晶画面でいつでもパワーダウン。反対に、特定の部位だけパワーアップすることもできます。筆者は足裏マッサージが大好きなので、足裏だけは最大パワーで楽しみました。

  • マッサージ中の液晶画面。揉んでいる場所がリアルタイムでわかるようになっています。「ここを揉まれているんだな」と身体の場所に意識が集中し、気持ちよさを一層ハッキリ味わえる気がしました。マッサージ中に「強すぎる」と感じたら、すぐに強さを変更できるのも便利です

  • 林「気持ちいぃ~。マッサージに加えて『温感もみ玉』の効果もあってか、マッサージが終わったあとは肩から背中にホカホカ感。下半身も軽くなった気がしました。血行が悪かったんだな~と実感……」

  • 上半身のもみ玉だけでなく、腕、脚、足裏のマッサージ強度をそれぞれ独立して設定することも。足裏マッサージ好きにはうれしい設定

太もものエアーバッグ効果は抜群!

実際にEP-MA102を体験してみると、太もものエアーバッグが大きくなった効果をすぐ実感。新エアーバッグが膨らむと、腰とおしり、太ももを身体の上から固定します。この腰から太ももまでが固定された状態で、ウエストと座面のエアーバッグが上に向かって身体を圧迫。さらに、もみ玉がおしりのキワあたりまでギュウギュウと揉み込むのです。「身体の芯まで揉まれている!」という気分に。

【動画】エアーバッグが動いているときの動画。下半身を大きく覆ってしっかり固定しているのがわかります。このエアーバッグ、腰回りを圧迫する刺激もなかなか気持ちいい!
(音声が流れます。ご注意ください)

全身マッサージコースでは最後に身体を伸ばすストレッチ動作があるのですが、エアーバッグでしっかり下半身を固定することで、「足を伸ばす(腰を固定した状態で足をエアーバッグで固定して伸ばす)」「腰を伸ばす(おしりを固定した状態で、腰をもみ玉で押し出して背筋を伸ばす)」という動作も、よりしっかり感じられました。また、肩にもエアーバッグがあり、「肩をおさえて肩甲骨を伸ばす」といった動作も可能です。

  • 今回は全身コースを選びましたが、凝った位置だけのマッサージや、ストレッチだけも選べます

足マッサージ機能がお気に入り

最近の高機能なプレミアムマッサージチェアは手や足先までケアしてくれますが、製品によっては「手先と足先はオマケ」程度に感じる場合も。でもEP-MA102は、手足のケアもしっかりしてくれました。とくに足のケアが優秀。

大きくなったエアーバッグで太ももをしっかり固定し、座面を動かして太ももの上側、横、裏まで全体をケア。さらに、膝の裏をピンポイントで刺激するポイントボールと、ふくらはぎの圧迫によって、足の疲れが一気にほぐされます。

  • 肘から手のひらまでエアーバッグで覆い、つかむようにマッサージする機能。親指付け根部分に突起があり、パソコンなどで疲れた手のひらがじんわり気持ちいい……。足裏のように衝撃的な気持ちよさではないのですが「あ、今まで手のひらが凝っていたんだな」と自覚しました

個人的にとっても気に入ったのは足裏マッサージ。エアーバッグで足首から下を固定し、足裏をローラーでグリグリと土踏まずを揉み、指の付け根をさするような動きをし、さらに足の両脇をぐぐっとエアーバッグで圧迫……タイ式足裏マッサージに通う筆者も大満足の内容です。EP-MA102は部位やケアの方法が数多く用意されているので、いろいろと試して「自分にあったケア」を選べるのも魅力ですね。

  • エアーバッグで足を固定して、足の裏側からゴリゴリと足裏をマッサージ。足が疲れやすい人には絶対試して欲しい機能! 足の気持ちよさだけのためにEP-MA102を購入したくなりました

コロナ禍での不調は約7割が肩こりや腰痛

パナソニックの調査によると、リモートワークによって感じる不調の6割以上が「肩こり」と「腰痛」とのこと。とくに、仕事用のデスクやイスを購入せず、ローテーブルなどを利用している人は姿勢が悪くなり、腰などの不調を引き起こしやすいそうです。

  • パナソニックの調査から。専用デスク、イスなしで自宅作業をしているのは全体の約64%。そのうち31.3%はローテーブルと座椅子、あるいは地べたに座っているのだとか。こういった環境でパソコンを長時間使っていると姿勢が悪くなります

それ以外にも、出勤が減ることで運動不足になりやすく、少しの運動で疲れを感じるようになったりと、パナソニックにはさまざまな不調が報告されているそう。自宅にEP-MA102のような全身ケアできるマッサージチェアがあれば、こういった身体のケアも手軽にできそうです。お値段と置き場所は手軽とはいいがたいですが……。