ソフトバンク、Holoeyes、Dental Predictionの3社は7月7日、5GとXRを活用した遠隔手術支援の有効性を検証する実証実験を7月12日より実施すると発表した。5GとXR技術、3Dプリンティング技術を活用して、東京にいる指導医が大阪にいる若手歯科医に、VR・AR映像を通して診断・治療の指導と手術の支援を行う。

現在、臨床現場における若手歯科医の診断・治療技術は、対面指導によって培われているが、その多くがクリニック完結型のため、知識や技術の習得は所属するクリニックでの指導に依存しているという課題がある。クリニックに依存しない遠隔地からのオンライン指導や手術支援が求められていることから、同実証実験を通じて遠隔手術支援の有効性を検証する。

  • 実証実験で使用する3Dモデルと3Dプリンティング模型のイメージ

同実証実験では、歯が欠損(虫歯や歯周病により抜歯された状態)した場合に行うインプラント手術の症例を扱う。具体的には、東京会場(ソフトバンク本社)にいる指導医と大阪会場(5G X LAB OSAKA)にいる若手歯科医がVRデバイスなどを装着した上で、各種デバイスに対応したHoloeyesの医療用画像表示サービス「Holoeyes XR」と、オンライン遠隔共有カンファレンスサービス「Holoeyes VS」を活用し、ソフトバンクの5GネットワークでVR・AR映像を送受信することで、指導や手術支援を行う。

指導医は3DモデルをAR空間で操作しながら、同じ患者の顎骨の3Dプリンティング模型を使って指導し、若手歯科医はAR映像を見ながら模型にドリルで穴を開けるなどの実習を行うことで、インプラント手術の一連の流れを体験する。最終的には、指導医が東京からAR映像を通して支援しながら、若手歯科医が大阪市内の歯科クリニックで実際の患者の手術を行う。

Holoeyesは今後、同実証実験の結果を基に、歯科クリニック向けの商用サービスとして、遠隔手術支援パッケージの構築を目指す。