デル・テクノロジーズは5月13日、同社が進める「中堅企業DXアクセラレーションプログラム」のプロジェクトの進捗状況について、2月3日に続いて、2回目となる中間報告会を開催した。

中堅企業DXアクセラレーションプログラムは、中堅企業のデジタル トランスフォーメーション(DX)推進のための総合支援プログラムで、2020年2月より、デル・テクノロジーズと奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)が共同で推進しているもの。最新の技術を研究するNAIST研究員が講師となり、AI、ブロックチェーン、IoTなど、DX関連の技術概要や活用方法を学ぶ講座、DXエンジニア養成講座として実装するためのプログラミング技術の習得支援などを通じて、中堅企業のDX推進を支援するプログラム。

  • 「中堅企業DXアクセラレーションプログラム」概要

昨年10月には、企業参加型のコンテスト「中堅企業DXアクセラレーションプログラム 本選」を開催。このコンテストは養成講座の「実践の場」として、社内の業務効率化やコスト削減に向けた新規事業などのビジネスプランを発表し、「実現可能性」、「新規性/優位性」、「継続性」、「発展性」、「経済性」の5つの採点基準により競った。

コンテストでは、以下のプロジェクトが入賞。受賞プロジェクトには、1年後の実現を目指し、NAISTの研究員がメンターとしてビジネスプランの実装や定着化を支援するほか、デル・テクノロジーズや協賛するカゴヤ・ジャパン、ミライコミュニケーションネットからインフラ支援が受けられる。

受賞 社名/チーム名 DXプロジェクト名
優勝 ヴィッツ 「次世代工場の安全化と効率化を実現するIoT、AIソリューション(「SF Twin」)」
準優勝 CDISC-SDTM Blockchain Team 「ブロックチェーン技術を用いた臨床データの共有プラットフォーム」」
3位 ユーネットランス 「最適運行ダイヤの自動作成システムによる輸送業全体の効率化 」
カゴヤ・ジャパン賞 イグス 「AIによるデータ精度向上及び災害対策サービス」
カゴヤ・ジャパン賞 アズワン 「適正在庫AIモデル」
ミライコミュニケーションネット賞 レニアス 「AIを活用した需要予測、在庫管理、工程計画」
ミライコミュニケーションネット賞 水上 「可視化して将来のビジネス基盤を再度見直すためのBig Data分析を用いた営業活動指針のためのAIサービス」
NASIT賞 ピーチ・ジョン 「社内AIポータル構想」
NASIT賞 平井精密工業 「歩留まり向上のための製造工程AI解析サービス」

今回の中間発表は、1年間のプロジェクトの折り返し地点にあたり、各プロジェクトの担当が進捗を発表した。

デル・テクノロジーズ 上席執行役員 広域営業統括本部長 瀧谷貴行氏

発表会の冒頭、デル・テクノロジーズ 上席執行役員 広域営業統括本部長 瀧谷貴行氏は、「われわれは毎年、中堅企業IT投資動向調査を実施しているが、中堅企業がDXを実現する上で障壁になっているものとして、最新のIT技術を学ぶ時間がない、DXを実装していく社内リソースがないという声を聞いて、開始したのが中堅企業DXアクセラレーションプログラムだ。今年の3月にも同様の調査を実施し、全社横断的な事業改革に取り組む企業の51.7%が業績回復傾向にあることがわかった。どういうところから事業変革に取り組んでいるかでは、21.7%の企業がデータの可視化に着手している。1年前の調査からは大幅にアップしており、企業においてデータの重要性に注目が集まっている。ただ、デジタル化への投資意欲はあるものの、既存のレガシーシステムの最適化も同時に取り組む必要があると回答とした企業は75.4%ある。この結果から、新たにDXコンサルティングエコシステムを発表した。従来型のコンサルティングでは、スコープが広すぎるため、中堅中小企業に特化したコンサルティングサービスを発表した。こういうものが必要になる場合はぜひ活用していただきたい。今回の発表会は、プロジェクトの半年の節目であり、これまでは戦略の立案・決定、実現可能性の検証を行ってきたが、今後はプロタイプの開発・評価という非常に重要なタイミングになるので、みなさんの発表を楽しみにしている」と挨拶した。

  • プロジェクト全体のスケジュール