ソフトバンクとカナモトは5月12日、通信ネットワークの優先制御機能とソフトバンクの閉域網サービスである「SmartVPN」を使用して、建設機械の遠隔操縦の実証実験を実施したと発表した。

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建設業界では若年就業者の減少による労働力不足が課題となっており、また新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、リモート作業環境の構築への期待が高まっている。建設現場でのリモート作業環境の構築には、5G(第5世代移動通信システム)の大容量通信に加えて、無線区間および伝送区間で安定した通信環境の構築が必要とのこと。

両社は、5Gのネットワークの拡大およびネットワークスライシング技術などの実用化を見据えて、通信ネットワークを使用した遠隔操縦の商用サービスの実現性に関する実証実験を、2019年から共同で行ってきた。

今回の実証実験では、優先制御機能を付与した通信ネットワークとSmartVPNで構築した閉域網を使用して、カナモトが開発した遠隔制御装置である「KanaRobo」と4台のカメラを搭載した建設機械(バックホー)を、操作室から遠隔操縦した。

通信ネットワーク環境で遠隔操縦する場合、映像の遅延と操作信号の揺らぎなどで操作に違和感が生じることがあるというが、無線区間を優先制御機能で安定させて、伝送区間を閉域網にすることで映像の遅延を短縮できた他、閉域網内でバックホーと操作室を直接通信することで操作信号の揺らぎを軽減させ、操縦者が遠隔でも違和感なく建設機械を操縦できることを確認したとしている。