ソニー「WF-1000XM3」/「WF-SP800N」

ソニーのNC完全ワイヤレスには、このカテゴリーの定番機種として知られる「WF-1000XM3」(実売約23,450円)や、屋内外のスポーツユースを想定して防水・防じん性能や装着感を高めた「WF-SP800N」(実売約24,880円)があります。特に人気の高いWF-1000XM3は、発売当初の想定売価は2万円台の後半でしたが、執筆時点では実売価格が2万円台前半まで下がってきています。

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    WF-1000XM3

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    WF-SP800N

WF-1000XM3は、独自開発のNCプロセッサ「QN1e」、フィードフォワード式とフィードバック式のNCを組み合わせて精密にノイズを集める「デュアルノイズセンサーテクノロジー」、耳の3点で本体を支える新構造「エルゴノミック・トライホールド・ ストラクチャー」で耳にしっかりフィットする設計を採用。

こうした設計により高いNC性能を発揮しますが、一方でイヤーピースが耳の奥まで入るタイプということもあって、NCオン時の閉塞感はやや強め。サウンドに関してはあらゆる音源をバランス良く鳴らす印象で、独自技術「DSEE HX」によって圧縮音源でもハイレゾ相当の音質にアップサンプリングしてくれるという強みもあります。NCオン時の連続再生時間はイヤホン単体で最大6時間、充電ケースとの併用で最大24時間。

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    専用アプリ「Sony|Headphones Connect」でWF-1000XM3のステータスを表示したところ

一方のWF-SP800Nは、屋内ワークアウト時にNC、屋外でのランニング時に外音取り込みを活用することを提案しているスポーツユースモデル。高音質な音楽リスニングを追求しているWF-1000XM3とは位置づけが異なり、NC効果はWF-1000XM3よりは抑え気味でほどほどに効く印象です。スポーツ時には外の音も聞こえた方が安心できるので、外音取り込み機能を積極的に活用したいところ。

重低音再生を強化した「EXTRA BASS」サウンドが特徴。身体を動かすときのお供にするには十分な機能を備えています。NCオン時の連続再生時間はイヤホン単体で最大9時間、充電ケースとの併用で最大18時間。

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    専用アプリ「Sony|Headphones Connect」でWF-SP800Nのステータスを表示したところ。ペアリングした製品やカラーリングにあわせて、ホーム画面のカラーなどが変化する

ソニーならではの特徴は、「アダプティブサウンドコントロール」機能への対応。イヤホンなどとペアリングしたスマートフォンの加速度センサー情報を元に、アプリが「止まっている時 / 歩いている時 / 走っている時 / 乗り物に乗っている時」という4つの行動パターンを認識し、NCと外音取り込みのバランスを自動的に調節してくれるというものです。

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    アダプティブサウンドコントロールの設定画面。電車などに乗っているときは、特にアプリを操作しなくてもNCが自動でオンになる

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    歩いているときは外の音を取り込むこともできる。さらにボイスフォーカスにチェックをいれると、騒音を押さえつつアナウンスなど人の声を取り込んで音楽と一緒に聞けるよう設定できる

さらに、自宅や職場、駅、ジムなど、自分がよく行く場所で使いたいNC/イコライザーモードをあらかじめ設定しておくと、手動で切り替えなくてもアプリがその場所にあわせたモードに自動で切り替えてくれるように機能強化されています。アプリから都度モードを切り替える必要がないのでとても便利な機能です。

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    自分がよく行く場所で使いたいNC/イコライザーモードをあらかじめ設定しておくと、アプリが場所を認識して設定したモードに自動で切り替えてくれる

また、両機種ともソニーが国内本格導入を発表した、独自の立体音響技術「360 Reality Audio」認定モデルとなっているところも要注目。手持ちのスマートフォンと組み合わせ、アプリを活用して個々の耳の形やヘッドホンの特性に最適化すると「音に包まれ、アーティストが目の前にいるかのような体験が楽しめる」という360 Reality Audioの体験を、さらにアップグレードできるとのこと。継続的な機能強化が行われる点も、ソニー製品の魅力といえるでしょう。

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    立体音響技術「360 Reality Audio」のイメージ。ヘッドホンで通常の音源を聴く場合(左)とは異なった体験を、ソニー独自の立体音響技術で実現する(右)