音声通話・チャットサービスのDiscordが「Stage Channels(ステージチャンネル)」という新しい音声チャット用チャンネルをコミュニティサーバーで利用できるようにした。仮想的なスペースで、スピーカーとオーディエンスが音声コミュニケーションを行う。Clubhouseに似た新機能だ。4月1日に、Discordがサポートする全てのプラットフォーム(Windows版、macOS版、Linux版、iOS版、Android版、Web版)でロールアウトが始まった。

Discordでは、サーバーを作成してVoice Channels(ボイスチャンネル)で複数の人がボイスチャットできるが、ボイスチャンネルでのチャットは参加者が自由に会話する場なる。それに対して、ステージチャンネルでは司会者(モデレータ)がステージを仕切るようなボイスチャットになる。選ばれた参加者の会話やパフォーマンスにスポットライトが当てられ、他の参加者はオーディエンスのような立場で参加し、発言したい人は手を挙げて発言の機会を待つ。「音声のAMA(Ask Me Anything:なんでも質問して)、インタビュー、一人一人が自分の好きな本について語るリーディングクラブ、オールナイトのカラオケといったシチュエーションにステージチャンネルは有効です」としている。

ユーザーインターフェイスは、ステージと会場が分けられたようなシンプルで分かりやすいデザインだ。リスナーとしてステージチャンネルに入ると、自動的にマイクがミュートになり、リスナーメンバーにリストされ、参加しているスピーカーと他の参加リスナーを見渡せる。発言したい時は挙手ボタンを押して待ち、退室ボタンを押すと静かにルームから出られる。

日本でも話題のClubhouseは、米国では新型コロナ禍で開催が難しくなった講演会やカンファレンスセッション、パネルトークなどでの利用で注目されている。しかし、まだiOS版しかなく(Android版は開発中)、招待制ということもあって利用者が限られる。そのニーズを満たそうと、Twitter(Spaces)やFacebook、LinkedIn、Slack、Spotifyなどが次々に参入を表明している。そうした中、DiscordがClubhouseのようなサービスを全てのプラットフォームで制限なく提供する一番手になった。