富士通ゼネラルは、同社のエアコン「ノクリア」シリーズのプレミアムモデル、「Zシリーズ」の2021年モデルを4月3日に発売します。大きな特徴は、エアコンとしては珍しい陶器のような質感のデザイン。また、これまで最上位モデル「Xシリーズ」のみ搭載していた「ダブルAI」機能を、Zシリーズとして初めて搭載します。

発売するモデルは、対応畳数がおもに6畳用から29畳用までの9製品。価格はオープンですが、推定市場価格(税別)は26万円~41万円前後になります。

  • 室内機のサイズは、いずれも高さ幅798×奥行385×高さ293mm。下位モデルから順に、AS-Z221L(冷房能力2.2kW)、AS-Z251L(冷房能力2.5kW)、AS-Z281L(冷房能力2.8kW)、AS-Z401L2(冷房能力4.2kW)、AS-Z561L2(冷房能力5.6kW)、AS-Z631L2(冷房能力6.3kW)、AS-Z711L2(冷房能力7.1kW)、AS-Z801L2(冷房能力8.0kW)、AS-Z901L2(冷房能力9.0kW)

本体とクラウド、2つのAIで快適さと省エネを実現

ノクリア Zシリーズ 2021年モデルの「ダブルAI」は、室内機の本体内部にあるAI(エッジAI)と、クラウド上のAI(クラウドAI)という、2つのAIを連携させて学習するというもの。リモコンの操作履歴をもとに、ユーザーが部屋にいる時間や外出時間、室内の温湿度の変化や部屋の暖まりやすさ・冷えやすさから部屋の断熱性能を学習し、気象情報といったさまざまなデータとあわせて、ユーザーの好みと部屋に応じた「オーダーメイド」の快適さを作り出します。

  • 普段のリモコン操作などから、自然にユーザーが快適と感じる環境を学習し、エアコンが先回りして温度を設定

さらに、ユーザーの生活パターンを学習して、起床・帰宅のタイミングで入タイマーの提案や、就寝前の運転開始を提案。

「複眼ふく射センサー」は、日差しや降雪といった影響による温度にムラができる場所をチェック。AIが事前に温度ムラを予測して気流を制御するなど、さまざまな「快適」に対応します。

陶器のようなぬくもりを感じる質感。シンプルなのに個性的

もうひとつの注目ポイントは室内機のデザインです。一見するとシンプルで無個性に感じますが、斜めから見ると前面が滑らかな曲線で構成されており、柔らな印象。

  • 前面は滑らかな曲線。圧迫感をおさえるデザインです

そして最大の特徴ともいえるのが、陶器のような本体の質感です。陶器特有の不均一な質感を表現するために、樹脂のなかに微細な着色フレークを混ぜ込み、さらに陶器の器によく見られる「自然な線の文様」を表面に施しています。

  • 横方向に入った線状の凹凸は質感に高級感をあたえるほか、スリムですっきりした印象に

富士通ゼネラル デザイン部マネージャーの藤岡充央氏は「エアコンはリビングをはじめとした生活空間にいつでも存在していて、常に目にする家電」とし、誰もが親しみを持てるように奇抜になりすぎないデザインを選択。ただし、長期間使用する設備機器として住空間に調和する質感にこだわったとコメントしました。

富士通ゼネラルは、Zシリーズの下位モデル「SVシリーズ」には布のような質感のファブリックデザインを採用しており、今回の陶器質感シリーズとともに、ぬくもりを感じる「クラフトデザインシリーズ」と定義しています。

人気の機能熱交換器加熱除菌やプラズマ空清なども健在

従来のモデルから搭載されていた「熱交換器加熱除菌」は、新モデルでも継承。これは、熱交換器を結露させて水滴で汚れを浮かし、さらに熱交換器を加熱して55℃の高温状態を保持。結露した水と高温加熱の効果によって、カビやウイルスを抑制する仕組みです。最近は多くのメーカーが「結露水で熱交換器を水で洗う」機能を取り入れていますが、高熱で除菌まで行うのは今のところ富士通ゼネラルの製品だけです。

  • 「熱交換器加熱除菌」は水で汚れを浮かし、加熱して除菌という二段構えの清潔機能

「プラズマ空清」も従来モデルから搭載していた人気機能です。ホコリや花粉、ウイルス、カビ菌といった微粒子をプラズマイオンで帯電させ、本体内のマイナス電極板に吸着する空気清浄方式。フィルター方式と違って目詰まりしにくく、高い集じん力を長く保てるメリットがあります。汚れを吸着したプラズマ空清ユニットは、簡単に水洗い可能です。

このほか、室温を下げずに除湿できる「再熱除湿機能」を新たに搭載。夏によくある「設定温度まで室温が下がると冷房が停止し、室温は低いのに湿度が上がってムシムシする」という不快な状況を回避できるようになりました。近年の猛暑を考慮し、外気温が50℃の過酷な環境下でも冷房運転が可能な設計になっています。