米AMDは日本時間の3月4日午前1時、オンラインで"AMD - Where Gaming Begins"イベントを開催し、Radeon RX 6700 XTを発表した(Photo01)。

  • AMDの新型GPU「Radeon RX 6700 XT」、公開された詳細スペックをまとめる

    Photo01: 今回の説明はScott Herkelman氏(Corporate VP&GM, Graphics Business Unit)。氏の左後方に見えるのがRadeon RX 6700 XTの製品パッケージ。

  • Photo02: CU数はRX 6900 XT比できっちり半分の40CU。ただしInfinityCacheは96MBであり、ダイサイズも6割程度にとどまりそう。

Radeon RX 6700 XTはCut Downバージョンのコアを搭載する製品(Photo02)。これは以前にNAVI 22として報じられたコアを利用するものと思われる。全体的なスペックはこちら(Photo03)。動作周波数は2,424MHz、12GBのGDDR6を搭載しつつ、TBD(Total Board Power)は230Wに留まる。このAMD製のReferenceカードの特徴はこちらの通り(Photo04~15)。

  • Photo03: ついに定格で動作周波数は2.4GHzを突破。OEMのOCモデルは2.5GHzに届きそうだ。一昔前のCPUに並ぶ速度である。

  • Photo04: 2ファン構成。ファンノイズは前世代製品(=Radeon RX 5700?)と比較して半分に減らしたそうで。

  • Photo05: 不要時は完全に止まるファンはRadeon RX 6800シリーズなどと共通。

  • Photo06: 3層構造なのもRadeon RX 6800シリーズなどと共通。何をどう最適化したかは不明。

  • Photo07: サーマルプレートはアルミ製。

  • Photo08: これを見る限りVRMは11Phase。

  • Photo09: 10層PCBなのは珍しくないが、うち2層は2 OZ PCB(=配線層の厚みが70μm)とされる(恐らくは電源層とGND層だろう)。ちなみに通常なら1 OZ(=同35μm)。

  • Photo10: 熱伝導グリスは相変化材質を利用して高効率を実現したとする。

  • Photo11: GDDR6は12GB。スピードは不明。

  • Photo12: まぁこれは今更PCIe Gen3ということもないだろう。

  • Photo13: 電源ピンは8pin+6pin。厳密にはこれだと最大225Wまでの筈なので微妙にアウトな気もするが。

  • Photo14: DisplayPort 1.4×3

さてAMDによれば、この1年で一番伸びたマーケットは1440p向けであり(Photo16)、しかもGaming向けに100fpsを超える製品の伸びが非常に多かったとする(Photo17)。Radeon RX 6700 XTはこの1440pのGamingに向けた製品であり、例えばNVIDIAのGeForce GTX 1070 TiとかGeForce RTX 2080 Superよりも優れた性能を発揮する、とする(Photo18)。また昨今のゲームでは、特に色々グラフィックオプションを追加すると8GBを超える場合が多く、ところがRadeon RX 6700 XTではGDDR6 12GBなのでこれに対応できる、とする(Photo19)。もう少し最近の製品との比較、ということでGeForce RTX 3060 Ti及びGeForce RTX 3070との比較がこちら(Photo20)。オンラインゲーム系は更に高いフレームレートが期待できるとする(Photo21)。更にRay Tracingのサポートも増えた(Photo22)。

  • Photo15: HDMI 2.1をサポート。

  • Photo16: これはまぁ筆者も実感としてある。1440pモニターが随分身近になった。

  • Photo17: Gaming向けということで144Hzとかをサポートした製品はかなり増えた。勿論絶対的な数量として言えば、まだ60fpsまでの製品が大半だとは思うが。

  • Photo18: GeForce GTX 1070 Tiはともかく、GeForce RTX 2080 Superを超える、というのはなかなかである。

  • Photo19: ちなみにAMDに確認したところ、OEMが勝手に6GBにCut Downしたりすることは出来ないそうで、なので全製品12GB構成となるとの事。

  • Photo20: 以前の評価の結果で言えば、GeForce RTX 3070はGeForce RTX 2080 Tiにちょい劣る程度、Radeon RX 5700 XTよりちょいマシ、あたりだったことを考えれば、最終的に実機で比較の必要があるとは言え、まぁ納得できる数字ではある。

  • Photo21: オンラインゲーム系タイトルでの性能例。このあたりはQualityとのバーターではあるのだが。

  • Photo22: Dirt 5のRay Tracing対応はベンチマークまでに間に合うのだろうか?

ソフトウェア周りとしては、Radeon Anti-LagがDX12にも対応した(Photo23)ほか、RADEON BoostにDX12でのMotion Adaptive VRS対応が追加になった(Photo24)

  • Photo23: 具体的な対応ゲームなどは現時点では不明。

  • Photo24: 今までのRadeon Boostは解像度を動的に変化させる仕組みで、VRSを利用したものではなかったので、これは新機能。もっとも評価は面倒そうだが

さてそのRadeon RX 6700 XTであるが、米国での価格は$479で、3月18日の出荷となっている(Photo25)。OEMからも製品が同じく3月18日に出荷開始される(Photo26)他、Ryzen 5000シリーズとRadeon RX 6700 XTを組み合わせたシステムも40以上同日出荷開始されるとの事であった(Photo27)。

  • Photo25: 国内での価格及び発売日は今のところ不明。

  • Photo26: 萌えグラフィックカードでおなじみ中国yestonからも製品が投入される。

  • Photo27:こちらは近いうちに各社から構成が発表されることになるかと思う。