三菱電機は4日、レーダーで検出した海表面の流速値から陸地における津波浸水深をほぼ同時に予測する「レーダーによる津波の浸水深予測AI」を開発したことを発表した。

建設工学研究振興会と共同で開発する技術は同社AI「Maisart」(マイサート)を用いたもので、シミュレーターで震源地や断層のずれ量、方向などの条件下での海表面の流速と陸地における浸水深の関係を学習させている。実際の運用では、レーダーで海面の流速を観測することで津波検出から数秒で特定地点での浸水深の予測が可能になる。

  • レーダーによる津波の浸水深予測AIの学習フェーズと運用フェーズのイメージ(同社資料より)

    レーダーによる津波の浸水深予測AIの学習フェーズと運用フェーズのイメージ(同社資料より)

従来は計算に数分、平均3メートルの誤差であった計測が、新たな手法では津波の検出とほぼ同時の数秒程度で計測できるようになり誤差も1メートル程度になる。秒単位の短縮が避難に大きく貢献する沿岸地域の防災での活躍が期待される。