米国の大手掃除機メーカー、Shark(日本法人はシャークニンジャ)が日本市場向けにイチから開発したという「EVOPOWER SYSTEM(エヴォパワーシステム)」のマルチフロア対応モデル「CS401J」。スタイリッシュなデザイン、ハンディクリーナーとしての使いやすさ、ゴミの捨てやすさ、髪の毛が絡まないブラシなど、使い勝手にとことんこだわった新コンセプトのシステムクリーナーです。

  • シャークニンジャ「EVOPOWER SYSTEM CS401J(マルチフロア対応モデル)」

本体の重さは1.9kgと平均的ですが、ハンディクリーナー時は約0.9kgと軽量。CS401Jには着脱式のバッテリー×2個が同梱され、本体&充電スタンドで2つのバッテリーを順に充電できるため、最大約24分使用できます(本体に取り付けるバッテリーは1個)。集じん容積は非公開ですが、スタイリッシュなフォルムを維持するため、コンパクトになっているようです。

  • 本体サイズ(スティック時):幅267×奥行き124×高さ1,005mm
  • 本体重量:約1.9kg
  • 連続使用時間(バッテリー×2個使用時):標準約24分、ブーストモード約16分
  • 集じん容積:非公開
  • 実勢価格(2020年12月下旬):42,000円前後(税込)

基本の運転モードは標準モード。ハンドル裏側のブーストモードボタンを押している間だけ、ハイパワーで吸引します。吸引テストはブーストモードで行っています。

掃除力は?

フローリング

仮想ゴミ:猫砂(直径約5mmサイズ)、重曹、人毛(40cm~45cm程度、1回につき20本)

フローリング吸引テスト(ヘッド往路後)

ヘッドが1回、壁に向かって通過したフローリングの写真。両サイドのゴミライン(おもに重曹)がスパッとキレイになっており、前面はもちろんサイドにも強いことが分かります。ただしフローリングの溝にはところどころ、重曹が残ってしまっている様子。猫砂や髪の毛はすっかりキレイに取り除けたようです。

フローリング吸引テスト(壁ぎわ2秒吸引後)

床面はそこそこキレイに掃除できたように見えましたが、壁ぎわに猫砂と重曹が少し溜まっていました。ヘッドを前に押し出したとき、一緒に押し込んで吸いきれなかったようです。サイドの吸引が得意なので、壁ぎわはサイドを当てながら掃除するのがいいかもしれません。

フローリング吸引テスト(ヘッド往復後)

ヘッドを1往復させたフローリングの状態。気になっていた壁ぎわのゴミ、ヘッドを引き戻したことでキレイになりました。往路で残してしまった溝の重曹も、しっかり取り除けたようです。フローリングだけで見れば、今回検証した10製品の中でも3本指に入る掃除力と言ってよさそうです。

カーペット吸引テスト(ヘッド往復後)

仮想ゴミ:猫砂(直径約5mmサイズ)、重曹、人毛(40cm~45cm程度、1回につき20本)

ヘッドを一往復させたカーペット。フローリング同様、両サイドにはきれいなラインができているものの、全体に重曹がうっすら残っており、猫砂もちらほら散らばっている状態。少し残念な結果でした。


吸引テスト総評

フローリングは、ヘッドが往復することで溝のゴミまできれいに取り除き、ハイレベルな掃除能力を発揮してくれました。それゆえにカーペット掃除の結果が残念。CS401Jは、フローリングにもカーペットにも強いモデルではありますが、どちらかというとフローリングが得意と考えるといいかもしれません。


掃除時短の重要ポイント、メンテナンスのしやすさ

ヘッドのメンテナンス

  • 猫砂、重曹、40cm~45cm程度の人毛40本を吸引したあとのヘッド裏(わかりやすくするために、写真をかなり明るくしています)

これぞEVOPOWER SYSTEMの魅力! 今回取り上げた掃除機のほとんどはヘッド裏のブラシに髪が絡まっていたのに、見ての通り、何も絡まっていません。ヘッドの内側に忍ばせたクシが巻き付いた髪をほどくため、絡まる前に内側へと寄せられ、そのまま吸い込まれていく仕組み。これなら面倒なブラシのお手入れもカンタンに済ませられますね。

  • ヘッド裏をメンテナンスするには、まずコインを使って4カ所のネジを回し、カバーを外します。するとブラシも取り出せます

ゴミ捨て方法

1)本体のレバーを引くと、本体のダストボックスが開いてゴミが落ちる

  • 赤丸で囲った部分のレバーによって、ダストボックスが開きます

写真では、スティックが付いた状態でゴミを捨てていますが、ハンディの状態でゴミ捨てすれば、片手でワンタッチ。ゴミ捨てのステップは1つのみというのも、EVOPOWER SYSTEMの大きな魅力です。

ブラシに髪が絡まないぶん、髪はダストボックスに吸い込まれてフィルターに巻き付くのですが、ワンタッチのゴミ捨てだけですっかり落とせました。細かい粉ゴミは残っているものの、ゴミの絡まりもありません。ゴミ捨て機構はほぼ満点の仕上がりです。

  • ダストボックスにゴミが残りにくいのは、うれしいポイント

購入の決め手? 使い勝手

CS401Jの特徴は、コードレススティックとしてもハンディとしても、サッと手に取ってサッと使えるところ。コードレスなら当たり前、と思われがちですが、実際に触れてみると、確かにほかにはない使いやすさがありました。

まずコードレススティックで使いたい場合は、充電台から少し持ち上げれば外せるので、そのまま掃除が始められます。ハンディとして使いたいときは、ハンドルの両サイドにあるレバーを引きながら真上に持ち上げれば、ハンディ部だけ引き抜けるので、やはりそのまま掃除が始められるというわけです。

  • 充電台にセットした状態から、ハンディ部分だけを引き抜けます

さらに便利なのが、アタッチメントをすべて充電台にセットして置けるところ。いざ使いたいときに必要なアタッチメントを取りに行ったり、探したりする手間が省けます。ハンディを引き抜き、そのままノズルに差し込めば、アタッチメントの装着も片手でワンタッチです。

  • 2つに分かれている土台の小さいほうは、逆側にもセットできます

充電台

  • ちょっと分かりにくいですが、これがバッテリー。掃除機本体のグリップ部分に装着します

充電台は、足元に引っかけてセットするタイプのためコンパクト。ハンドル部でセットするタイプは、外すときに高く持ち上げる必要がありますが、足元タイプならラクに外せます。さらに充電台では、本体に装着したバッテリーのほか、予備のバッテリーを充電しておく場所もあるため、本体側のバッテリーが切れても、サッと差し替えられます。

付属品

付属するノズルやブラシは、写真左からバッテリー×2個、すき間用ノズル、布団用ノズル(上)、マルチノズル、ミニモーターヘッドの6点。


家電ライター:田中真紀子
この記事のメインライター

スタイリッシュなデザインと使いやすいシステムなど、今までのコードレススティッククリーナーとは一線を画すアプローチに惹かれました。流れるように手に取り、流れるようにハンディを使い、流れるようにアタッチメントも使える。しかもゴミ捨てがラクでブラシに毛が絡まない……と、いいことずくめ。それだけに、カーペットの掃除結果は残念でしたが、掃除機が使いやすければ使用頻度が高まり、結果的におうちのキレイがキープできるというコンセプトを明確に感じました。


家電プロレビュアー:石井和美

スタイリッシュで軽く、操作しやすい掃除機です。重めのヘッドは、しっかりと床に密着し、グラついたり、浮いたりすることがありません。ダストボックスが小さいのでゴミはすぐにいっぱいになり、こまめにゴミを捨てる必要がありますが、ゴミ捨てがとてもカンタンです。ボタンを押すとパカンと開くワンタッチの操作で、苦になりません。充電中も、不衛生なダストボックスが正面から見えないなど、細かいところまでよく考えられています。また、部屋に馴染む高級感のあるカラーも魅力です。


家電ライター:倉本春

床掃除はもちろん、ハンディ掃除機としても使いやすいオールラウンドで活躍する製品です。EVOPOWERシリーズはもともとパワフルなハンディ掃除機として開発されたため、バッテリー容量やダストボックス容量は小さめ。ですが、2つのバッテリーを充電できる機構や(2つ同時の充電はできません)、ワンタッチでのゴミ捨てなど、バッテリーとダストボックスの容量を補うようにとてもよく工夫されています。決して軽量とはいえないものの、使ってみるとラクに掃除できる絶妙な重量バランスも見逃せません。