• パネルを巻き取って台座に収納できる、4K有機ELテレビ「LG SIGNATURE OLED TV R」

韓国LG Electronicsが2019年1月に発表した、画面が巻ける4K有機ELテレビ「LG SIGNATURE OLED TV R」。12月2日に開催された5Gスマートフォン「LG VELVET」発表会にて、LG SIGNATURE OLED TV Rの“ほぼ最終版”にあたる試作機がたまたま日本(LGエレクトロニクス・ジャパン)に来ているということで、同製品がメディア向けに公開されました。

【動画】「LG SIGNATURE OLED TV R」が展開・収納されるようす。流れているBGMサウンドは本体下部のスピーカーから音が出ている ※音が出ます

「LG SIGNATURE OLED TV R」は、65型の有機ELパネルをくるくると自動で巻き取り、台座に収納するギミックを備えた世界初のロール式有機ELテレビ。起動すると台座内から画面が上り、収納するときには画面がするすると台座のなかに仕舞われていきます。

同機は、2019年に米国で開催された展示会「CES 2019」で発表され、翌2020年の「CES 2020」LGブースでも展示、2020年10月に韓国で一般向け販売を開始しました(完全受注生産)。LGの「SIGNATURE」シリーズは同社製品のフラッグシップシリーズで、特にプレミアムな製品に名付けられるものだといい、「LG SIGNATURE OLED TV R」の価格も1億ウォン(87,000米ドル)、日本円換算で約919万円という高価格になります。

なお、製品の特徴や仕様は、発表時のニュース「パネルを巻き取って台座に格納、LGが斬新な有機ELテレビ」や、発売時のニュース「韓国LG、画面を巻き取って収納する世界初の有機ELテレビを発売へ」に詳しいので、ぜひご覧ください。

  • 起動すると、画面が下からせりあがって……

  • 上まで伸びていき……

  • 最終的に65インチの4K有機ELテレビになる。今回紹介された実機は、CES 2020のときからデザインがブラッシュアップされ、完成品に近い最終版の試作機という

  • 画面が完全に仕舞われた状態。台座部には4.2チャンネルのDolby Atmos対応スピーカーを搭載し、スピーカーのみでも動かせる(Zero Viewモード)

  • 展開する際には、上部がわずかに後ろに開く。なお、埃やゴミが内部に侵入しないよう、口の周囲にはブラシが備えられている

  • スマートフォンと連携させスマートフォンで撮影した写真を表示したり、時計や天気を表示したり、音楽を流したりできる情報表示モード「Line View」

  • フレキシブル有機ELパネル自体は数ミリの厚さで、画面全体も薄く仕上がっている

  • 画面の上部分はやや太いベゼルで覆われている

  • 画面が出てくる部分。画面の展開・収納はスムーズで、音も静か。台座の素材はつや消しアルミニウム

【動画】情報表示モード「Line View」はダッシュボードやインフォメーションボードとして活用できる

「LG SIGNATURE OLED TV R」は、必要なときにだけ画面を出すことで、窓の前やキッチンの近くなど、より空間を活用した設置が可能になるといいます。約900万円という高価格や、まだ試作状態ということもあり、製品を触ること、背面から撮影することは禁止でしたが、背面は1cmほどの細長いパーツが蛇腹のように連なっていました。その蛇腹の上に数ミリという薄型のフレキシブル有機ELパネルが載せられている状態だといいます。台座に収納されている際は当然パネルも曲げられているわけですが、画面点灯中は近寄って見ても画面に折り曲げの跡などは確認できず、普通の有機ELテレビと同じように全く問題なく視聴できる印象でした。

LGの担当者によると、発売から間もないこともあり販売台数は非公開とのこと。ですが問い合わせは多くあり、たとえば業務用に企業の受付に置いたり、応接室に置いたりしたいという人が多いといいます。日本での発売は未定の製品ですが、どこかで実機を見られる場所が設けられることに期待したいところです。