高機能なコードレススティック掃除機は、最近「高性能・パワフル」と「軽量」に分かれてきています。近年は同じメーカーからパワータイプと軽量タイプが発売されることも珍しくありません。

今回、新モデルを発表した日立グローバルライフソリューションズも、パワータイプとして「パワーブーストサイクロン」、軽量タイプとして「ラクかるスティック」を展開しています。日立が発表した新モデルは、軽量タイプのラクかるスティックシリーズから「PV-BL2H」と「PV-BL1H」です。発売は12月中旬で、スタンドなどが付属する「PV-BL2H」が65,000円(税別)、付属品が少ない「PV-BL1H」が55,000円前後(いずれも税別)となります。

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」(PV-BL2H)

    ラクかるスティックの上位機種「PV-BL2H」。アクセサリーツールとして、ハンディブラシ、ほうきブラシ、すき間用吸口が付属。カラーは高級感あるシャンパンゴールドです。このモデルはスタンドが付属しますが、充電は本体に直接プラグを差し込む必要があります

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」(PV-BL1H)

    付属品が少ないコスパのよい「PV-BL1H」。付属のアクセサリーツールは、ハンディブラシとすき間用吸口のみ。スタンドは付属しません。カラーはホワイト

1.1kgの軽さで掃除のストレスを大きく減らす

PV-BL2H/1Hで一番の特徴は、前述した「軽さ」です。本体と延長パイプ、ヘッドを合わせて1.1kgと、クラス最軽量を実現。前モデルのPV-BL20Gと比較して200gもの軽量化に成功しています。

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    とにかく軽いので、手軽に取り出して掃除できます。掃除を始めるストレスを感じにくい掃除機です。スティック時のサイズは幅230×奥行き205×高さ994mmです

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    延長パイプを外せばハンディ掃除機に。軽いのでハンディにしてもすごく使いやすく感じます。ハンディ時のサイズは幅90×奥行き321×高さ172mm、重さは800g

軽量化には、さまざまな工夫が凝らされています。たとえば、延長パイプには「トポロジー最適化」と呼ばれる技術を採用。コンピュータの自動解析によって、強度が必要となる部位を計算しています。従来モデルの延長パイプは約1.2mmの均一な厚みでしたが、今回のPV-BL2H/1Hは、強度が必要な部分は厚み約1.5mm、強度を必要としない部分の厚みを約0.7mmにすることで、全体を軽量化しました。

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    トポロジー最適化によって、強度が必要とされた部分だけ厚みを持たせています。延長パイプをよく見ると、表面に凹凸があるのがわかります

軽さだけでなく使い勝手も向上

ヘッドも再設計し、2019年モデルのPV-BL20Gより約15%軽量化。最大のポイントは、ヘッドの吸い込みに必要のない奥行きを削ったこと。ヘッドの前後幅はPV-BL20Gが約75mmだったのに対し、新モデルでは約60mmになっています。

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    新モデルのPV-BL2H(写真左)と、2019年モデルのPV-BL20G(写真右)。ヘッド幅は両者ともに23cmですが、新モデルのヘッドは奥行きがかなり短くなっています

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    ヘッド裏を見ると、吸い込みに必要のない回転ブラシの後方部分が削られているのがわかります

ヘッドの軽量化とともに変更されたのが、ヘッドの継ぎ手部分です。ヘッドとパイプのつなぎにボールジョイントを採用することで、手首の軽い動きでヘッドの角度を90°曲げられる「クルッとヘッド」や、高さ10cmまでの家具下に本体を傾けて奥まで入れられる「ペタリンコ構造」などが加わりました。

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    手軽にヘッド角度を変えられる「クルッとヘッド」と、ヘッド前後幅が薄くなったことによって、細い家具のすき間などにヘッドを入れて掃除しやすくなりました

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    自由度の高いボールジョイントのおかげで、本体を横に傾けてもヘッドはしっかりと床に付く「ペタリンコ構造」。家具下を掃除しやすくなりました

ヘッドはかなりコンパクトになりましたが、従来モデルの人気機能はそのまま搭載。具体的には、ヘッド前部にLEDライトを搭載して暗い場所でもゴミがよく見えたり、自走式なので掃除のときスイスイと前に進んだりする機能です。

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    ヘッド前面にはLEDライトを搭載。ここまでの軽量化を実現しつつも、LEDライトが省かれていないのはなかなか魅力的

【動画】ヘッドが自走して軽い力で掃除できる使い勝手も健在。ヒモで吊ったPV-BL2Hの電源を入れると、人が動かさなくても前方に移動していきます

軽くてもしっかりパワーの安心感

掃除機の心臓部ともいえるモーターも、新開発の「ハイパワー3Dファンモーター」となりました。素材にアルミを採用して軽量化していますが、羽根形状を斜流ファンとして、後方には固定翼を配置。こうして空気の流れを制御して効率化するなど、さまざまな工夫を盛り込み、小型化しながらもパワーは犠牲にしていないといいます。

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    小型軽量化した「ハイパワー3Dファンモーター」のカットモデル。重さは約68gで、だいたい卵1個分の重さです

【動画】PV-BL2Hを使った吸引力のデモンストレーション。50kgくらいの人間ならモーターによる吸引力だけでしっかりと持ち上げられます

実際にPV-BL2Hを使ってみると、これだけ軽いのにパワー不足は感じません。カーペットにべっとり張りつかせた綿ゴミなども、ヘッドを一往復させればほぼ完全に掃除できていました。

【動画】ヘッドを引くときに、ヘッド後ろのフラップが開く「シンクロフラップ」。ヘッドが前進するときだけでなく、後退時にもしっかりゴミを吸引します

【動画】回転ブラシをヘッドの前側に近づけて配置しているので、壁際のゴミも残さず吸引しています。階段掃除などに力を発揮しそうです

日立ならではの使いやすさも健在、軽さだけではないコードレスクリーナー

PV-BL2H/1Hの1.1kgという軽さは、掃除に対する心のハードルを下げてくれます。ここまで軽いと、ハンディモップを使うような気軽さで掃除ができると思います。また、ヘッドのLEDライト、ワンタッチで手を汚さずに捨てられるゴミ捨て機構など、日立の高機能クリーナーならではの使い勝手も魅力です。

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」{

    ダストビン下部の青いボタンを押すと、ワンタッチでゴミを捨てられます。手も汚れず、とにかく手軽。「からまんプレス構造」によって、ダストビン内に髪などが絡まることもありません

  • 日立のコードレススティック掃除機「ラクかるスティック」

    PV-BL2Hに付属する「ほうきブラシ」アタッチメントも特徴的。細い6本の管と長いブラシ毛を持ち、道具箱のゴミだけを掃除したり、パソコンのキーボードや窓のサンといったすき間の多いものの掃除に便利です