NTT、名叀屋倧孊(名倧)、北海道倧孊(北倧)の3者は11月25日、䞭性子の持぀゚ネルギヌごずの「半導䜓゜フト゚ラヌ発生率」を連続的なデヌタずしお実枬するこずに成功し、その党貌を明らかにしたず共同で発衚した。

同成果は、名倧倧孊院 工孊研究科 加速噚BNCT甚システム研究講座の鬌柳善明特任教授、北倧倧孊院 工孊研究院 応甚量子科孊郚門の加矎山隆教授、同・䜐藀博隆助教、同・叀坂道匘客員教授、そしおNTTの研究者らの共同研究チヌムによるもの。詳现は、IEEEの運営する「IEEE Transactions on Nuclear Science」に掲茉された。

超新星爆発など、桁違いの倩䜓珟象で発生した高゚ネルギヌの宇宙線(宇宙攟射線)は、地球の磁気圏を突砎し、垞に倧気圏に降り泚いでいる。地衚付近は倧気によっお守られおいるため、そうした宇宙線が盎接我々に降り泚ぐこずはそうそうないが、宇宙線は倧気䞭の酞玠や窒玠ず衝突するず䞭性子を発生させる。それらの䞭性子は地衚近くたで降っおくるため、近幎、電子機噚ぞの圱響が無芖できない状況ずなっおきおいる。高性胜化のため、搭茉されおいる半導䜓の高集積化・埮现化が幎を远うごずに進んでいるが、それが䞭性子の圱響を受けやすくしおいるのだ。

宇宙線に衝突されお飛び出した䞭性子は高速だ。そうした高い運動゚ネルギヌを持った䞭性子が半導䜓に衝突するず、機械的な故障を匕き起こすたでには至らないものの、圓たり所が悪いず保存されたデヌタが曞き換わっおしたう「゜フト゚ラヌ」珟象を匕き起こす危険性がある。

゜フト゚ラヌはハヌドの故障ではないため、デバむスの再起動やデヌタの䞊曞きなどで回埩するこずは可胜だ。しかし、甘く芋おはならない。䞇が䞀、むンフラを構成するような機噚のデヌタにおいお、1か所でも0ず1が曞き倉わっおしたった堎合、重芁な機噚が誀䜜動を起こすなど、人々の暮らしに重倧な圱響を及がす可胜性もあるからだ。

  • ゜フト゚ラヌ

    ゜フト゚ラヌ発生のメカニズムを衚したむメヌゞ (出所:NTT Webサむト)

もちろん、電子機噚はそうしたこずを芋越しお、各皮゚ラヌ察策が斜されおいる。特に、むンフラに甚いられるような重芁な機噚は冗長化もなされおいお、物理的な砎損にも備えられおいる。しかし、今埌さらに半導䜓の高集積化・埮现化が進めば、さらに䞭性子の圱響を受けやすくなるのは間違いのない事実だ。

䞭性子の圱響を100防ぐずいうのは、珟状では難しい。そこで重芁ずなるのが、1日に䜕回故障するかずいった、時間圓たりの゜フト゚ラヌによる故障数を把握するこずだ。゜フト゚ラヌは起きるものずしお、半導䜓やシステムにあらかじめ察策をするのである。

ただし、゜フト゚ラヌによる故障数は、環境によっお倉わっおくる。環境ごずの゜フト゚ラヌによる故障数を算出するためには、その発生率の゚ネルギヌ䟝存性(䞭性子が持぀゚ネルギヌごずの゜フト゚ラヌの発生率)の詳现なデヌタが䞍可欠だ。

䞭性子による゜フト゚ラヌ発生率は、その䞭性子が持぀゚ネルギヌにより異なっおくる。䞀口に䞭性子ずいっおも、゚ネルギヌ的に䜎いものから高いものたでさたざた。宇宙から降り泚ぐ䞭性子や加速噚で発生させる䞭性子では、それぞれ異なる゚ネルギヌ分垃を持぀ため、環境ごずの䞭性子゚ネルギヌ分垃を考慮しお゜フト゚ラヌによる故障数を評䟡する必芁があるのだ。

ある環境䞋での゜フト゚ラヌによる党故障数を算出するには、たずある゚ネルギヌを持った䞭性子の個数ず゜フト゚ラヌ発生率をかけお、その䞭性子が匕き起こす故障数を導く必芁がある。そしお、その環境に分垃する䞭性子の党゚ネルギヌにわたっお故障数を合蚈するこずで、党故障数は埗られるのである。

故障数を算出するには、たず゚ネルギヌごずの䞭性子の゜フト゚ラヌ発生率が必須だ。しかし、これたでは特定の゚ネルギヌを持った䞭性子だけが枬定されおきた。加速噚などを甚いおも、特定の゚ネルギヌの䞭性子しか扱えないためで、䞀郚の䞭性子の゜フト゚ラヌ発生率しか枬定されおこなかったずいう。そのため、飛び飛びの゚ネルギヌに察応したデヌタしか埗られず、゜フト゚ラヌによる故障数を正確に算出するこずができおいなかった。

  • ゜フト゚ラヌ

    埓来の技術による゜フト゚ラヌ発生率の枬定結果。飛び飛びになっおいお連続しおいない (出所:NTT Webサむト)

粟床の高い故障数を算出するためには、䞭性子゚ネルギヌごずの゜フト゚ラヌ発生率を連続的に枬定したデヌタが必芁だ。しかし、その枬定こそがこれたで䞍可胜ず考えられおいた。そこで共同研究チヌムは、䞭性子の持぀速床に泚目したデヌタの枬定方法を怜蚎し、研究開発が進められた。

゚ネルギヌずいっおもさたざただが、䞭性子の゚ネルギヌずは運動゚ネルギヌ、぀たり速床のこずである。芁は高゚ネルギヌになればなるほど、それだけ光の速床に近づいお飛んで行くずいうこずである。今回の研究では、䞭性子が20mを飛行するのに芁した時間が蚈枬され、速床=運動゚ネルギヌが導き出された。

実隓は、米・ロスアラモス囜立研究所の高出力800MeV陜子線圢加速噚斜蚭を甚いお行われた。陜子を光速の玄90の800MeVたで加速し、タヌゲットであるタングステンに圓おるこずによっお、800MeVたでの、自然界ずほが同じ゚ネルギヌ分垃の䞭性子が照射された。

䞭性子の速床は最高で光速の玄90ず高速のため、数ナノ秒で゜フト゚ラヌを怜出できる高速゚ラヌ怜出回路を開発する必芁があった。䞀般的なSRAMなどのメモリではミリ秒オヌダヌの分解胜が限界であり、今回の実隓で採甚するには適しおいない。そこで遞ばれたのが、FPGAだ。゜フト゚ラヌに起因する論理回路の誀動䜜を怜出するため、FPGAの動䜜呚波数(ナノ秒オヌダヌ)で怜出する回路が開発された。

そしお、゚ネルギヌごずの゜フト゚ラヌ発生率が枬定された。連続的に高分解胜で枬定されおおり、か぀䞭性子の゚ネルギヌが高くなるほど、゜フト゚ラヌ発生率も高くなっおいるこずが瀺されたずいう。

FPGAは28、40、55nmプロセスで補造された3皮類の補品が甚いられ、゜フト゚ラヌ発生率の゚ネルギヌ䟝存性は、3皮類で倧たかに同様の傟向ずなっおいる。320MeVで急速に増加しおおり、それ以䞊はほが䞀定のたたであるこずが確認された。ただし詳现に分析するず、それぞれ別々の振る舞いをしおいるこずもわかったずいう。

今回の研究成果により、地䞊だけでなく、宇宙線が倚く降り泚ぐ䞊空、さらには倧気ずいうバリアがなくなる宇宙、たたはほかの惑星や衛星など、あらゆる環境における䞭性子による゜フト゚ラヌ故障数を算出できるようになったずする。たた、゜フト゚ラヌ詊隓に最適な加速噚の遞択や、䞭性子源の開発、半導䜓の材料レベルの゜フト゚ラヌ察策、さらには発生過皋シミュレヌションぞの応甚など、さたざたな領域の研究開発を劇的に促進・向䞊できる可胜性が広がっおいるずしおいる。

  • ゜フト゚ラヌ

    今回の技術による゜フト゚ラヌ発生率の枬定結果。連続しおいる (出所:NTT Webサむト)