米IBMとServiceNowは10月15日(現地時間)、IT運用を自動化するためにAI機能を活用することで、企業の運用に関するリスク軽減やコスト削減を支援するために、両社による戦略的パートナーシップの拡大を発表した。2020年中に利用が可能になる新しい共同ソリューションは、IBMが提供するAIで強化されたハイブリッドクラウドソフトウェアとプロフェッショナルサービス、ServiceNowのワークフローとITサービス、運用管理製品の連携が可能になる。

両社のソリューション連携が実現することで、自社のデータからAI駆動型のインサイトの獲得や、通常のIT環境基準の設定が可能になるほか、問題が発生する前、ITシステムにおけるインシデントの影響拡大防止、インシデント解決のために、異常な動作に対して簡潔な推奨アクションを実行することも可能になる。

今回の提携においては「IBM Watson AIOps」とServiceNowの単一のクラウドプラットフォーム上でスケーラブルなサービスを提供できる「ServiceNow ITSM(IT Service Management」)、ネイティブの構成管理データベースからリソース、ビジネスサービスの運用状態をリアルタイムで自動的に可視化する「ServiceNow ITOM Visibility」を組み合わせ、企業のITに関わる問題を防ぎ、修正を可能とする共同ソリューションを提供。

これにより、ServiceNow ITSMを利用する企業はインシデントの履歴データをWatson AIOpsのディープラーニングアルゴリズムで処理して、通常のIT環境のベースラインを作成すると同時に外部で発生した異常な識別を補助する機能を持つことができる。

Watson AIOpsを早期に採用した特定の顧客の初期結果をもとに比較した場合、手動での識別に要する時間は最大60%長くなる可能性があることが示されており、共同ソリューションにより、従業員の生産性を向上させ、業務状況を明確に把握し、インシデントや問題に迅速に対応できるようになるという。

IBMは、グローバルで展開しているServiceNowビジネスを拡大し、Now Platform上でコンサルタント、実装、管理サービスを提供する。また、IBM Servicesの専門家はインテリジェントなワークフローを説明し、リカバリーの改善とITリスクの低減を支援し、ServiceNowはIBM社員と専任スタッフのトレーニングと資格認定に共同投資している。