3DMarkの新テスト、Bright Memory Infinite、フォートナイトで検証
DLSS2.0のテストはまず3DMarkのNVDIA DLSS feature testから見ていこう。3DMarkでは2020年9月17日に行われたアップデート(v2.13.7004)以降でDLSS2.0のテストに対応。4KまではDLSS2.0の設定を「Performance」と「Quality」から選択でき、8Kでは「Ultra Performance」も選べるようになる。今回はフルHD、WQHD、4Kのそれぞれで「Performance」、「Quality」、「DLSS2.0無効」の3パターンでテストを行った。
結果を見るとDLSS2.0を有効にするとフルHDで約1.3倍、WQHDで約1.4倍、4Kで約1.8倍のフレームレート向上が見られた。その一方で、PerformanceとQuality設定の違いは誤差レベル。ソフト側かドライバー側かはわからないが、最適化が進んでいないようだ。では、実ゲームではどうだろうか。
まずは、個人で開発をスタートしたことで知られる「Bright Memory Infinite」のDLSS2.0対応ベンチマークソフト「Bright Memory Infinite Ray Tracing Benchmark」を試す。レイトレーシングの設定は最大の「High」にして、DLSS2.0の設定は「Performance」、「Balance」、「Quality」、「DLSS2.0無効」でそれぞれの解像度でベンチマークを実行した。ちなみに、4K時の各設定の画面キャプチャの一部拡大画像も合わせて掲載する。設定によって画質がどう変わるか確認してほしい。
こちらはDLSS2.0の設定に合わせてキレイにフレームレートが変化している。Performance設定ならば、DLSS2.0無効時に比べてすべての解像度で2倍以上のフレームレート向上を確認でき、その威力が存分に発揮されている。ちなみに、設定別の画面キャプチャを見てもPerformanceに比べ、Qualityは細部が若干くっきりしているかな、という程度の差しかない。動作している画面を見た場合には差を感じるのが難しいほどだ。
次はフォートナイトで試してみよう。このゲームのDLSS2.0設定は「パフォーマンス」、「バランス」、「品質」の3種類。翻訳の問題だろう、「品質」がほかのベンチマークやゲームにおけるクオリティ設定だ。ソロプレイのリプレイデータ(約4分)を実行した際のフレームレートをCapFrameXで測定している。同じく、4K時の各設定の画面キャプチャの一部拡大画像も合わせて掲載する。
このゲームはまだレイトレーシングに対応したばかりで最適化が進んでいないのか、RTX 3090でも動作は重い。とは言え、DLSS2.0の威力は確かで、とくにWQHD、4Kではパフォーマンス設定がDLSS2.0無効時よりもフレームレートが大きく向上している。そして、画質の差を見ても、パフォーマンスだと細部の表現が若干省略されている箇所が見られる程度。間違い探しレベルの差だ。4KにおけるDLSS2.0のパフォーマンス設定では、3D解像度(内部のレンダリング)は50%設定。つまりフルHDで行われる。DLSS2.0をオフにした状態で3D解像度を50%に設定するとよく分かるが、通常それだとかなりボヤッとした画面になる。それを微塵も感じさせない映像として出力するDLSS2.0は、いかに優れた機能かが分かる。
しかし、そのためにはNVIDIAのスーパーコンピューターによける学習がうまくいくのが大前提になる。DLSS対応ゲームがあまり増えないのも、そのあたりの難しさがあるのではないだろうか。DLSS2.0は従来のDLSSよりも効率よく学習が可能になっているという。この先、対応ゲームが一気に増えることを期待したいところだ。