TheWindowsClubは10月10日(米国時間)、「Chrome 86 to prevent side-channel attacks with cache partitioning」において、Google Chrome 86に搭載されているキャッシュパーティショニング機能について伝えた。記事によると、GoogleではChrome 77よりキャッシュパーティショニング機能を実験的に提供してきたが、10月7日にリリースされたChrome 86ではこれが広い範囲で実装されているという。

キャッシュパーティショニングは、主にキャッシュ攻撃を防ぐために導入された。従来は、Chromeが使用するHTTPキャッシュはプロファイルごとに1つだけ用意されていた。しかしこれでは、攻撃者はあるサイトの任意のリソースが別のサイトのキャッシュ内に存在するかどうかを調べることで、ユーザーのプラウジングの履歴を追跡することができる。また、検索サイトの性質を利用して任意の文字列がユーザーの検索結果に含まれているかどうかを検出することもできるという。

このようなキャッシュ攻撃は、HTTPキャッシュや共有キャッシュを適切に分割するキャッシュパーティショニングを導入することで防ぐことができる。デメリットとしては、キャッシュのヒット率が低下する可能性があることが挙げられるが、実際の統計ではキャッシュからロードされるデータの割合は39.1%から37.8%に低下しただけにすぎず、ユーザーエクスペリエンスに大きく影響するほどではないことが判明したとのことだ。