Amazonの「Prime Now」は、生鮮食料品などの商品を最短2時間で配達してくれる、プライム会員向けのサービスです。近年は、生鮮食料品を扱うネットスーパーも増えましたが、本サービスは注文から2時間以内に届けてくれる迅速さが最大の売りです。どのような利点と欠点があるのか、実際に使って試してみました。
専用スマホアプリから注文。2,000円以上からオーダー受付
Prime Nowを利用するには、プライム会員のアカウントと、スマホの専用アプリが必要になります。注文方法自体は一般的なショッピングサイトと同じで、アプリ上で商品を選んで注文を確定させると、自宅まで配送してくれます。
Amazonには「Amazonフレッシュ」という、こちらも生鮮食料品を中心としたサービスがありますが、本サービスは月会費不要、その代わりに配送料(後述)が必要という、どちらかというとスポット利用に向いた特徴があります(Amazonフレッシュは月会費500円で配送料無料)。この両者は提供エリアも連動しておらず、まったく別のサービスです。
配送時間は、朝8時~深夜0時と幅広いAmazonフレッシュに対して、本サービスは昼12~夜22時に限定されています。これは、配送元である提携先店舗(後述)の営業時間の関係もありそうです。なお、配送時間帯は当日もしくは翌日の中から2時間区切りで指定できます。
1回の注文は2,000円以上となっています。もし注文後に欠品が発生した場合は、代替製品の中から再注文することになりますが、これによって2,000円の下限を割っても、そのまま注文できます。前述のAmazonフレッシュは最低注文金額が4,000円からですので、ハードルはこちらのほうが低めです。
一方、こちらはAmazonフレッシュとは異なり、注文総額に応じた配送料(最大440円)がかかります。10,000円以上だと配送料が無料になりますが、生鮮食品を中心とした小口注文が主体のサービスだけに、毎回10,000円以上の注文をまとめるのはまず無理です。送料がボーダーライン上の時以外は、気にしないほうがよさそうです。
「ライフ」から届くが、「ライフ」の自社サービスとは別物
さて、このPrime Nowは、地域限定での提供となります。これは、特定のチェーン店との提携でサービスが成り立っていることが理由で、2020年9月現在では、首都圏および大阪市内を主な対象に、スーパー「ライフ」の商品を取り扱っています。
前述のように、利用にあたってはアプリで現在地を検索するか郵便番号を入力するのですが、その時点で配達可能な最寄りのライフがあれば利用「可」となり、そのライフが配送元として割り当てられるようです。具体的な店名は表示されませんが、後述するGPS検索の出発点を探すとライフの店舗があるのですぐに分かります。
つまり、配送はAmazonの配送センターを経由せず、ライフの該当店舗から直接行われる格好になります。さながら、ライフによる宅配サービスのようですが、ライフが運営しているネットスーパーとは連動しておらず、対象地域もまったく異なっています。
さて、商品はPrime Now専用の紙袋もしくはビニール袋などに入れられて届きます。要冷蔵の品は、クール便のように保冷ボックスに入った状態で玄関先まで配送され、そこで開封されて配達員から渡されます。「パントリー」のようにまとめて大型のダンボールに入れるのではなく、生鮮食料品や日用品といった品種別に、柔軟に対応しているようです。
ちなみに、この配送は「Uber Eats」と同様、アプリ上でGPSを使って便のルートを追跡できます。ただし、他の注文者と合わせての配達になるため、最短ルートで届けに来るのではなく、いきなりあらぬ方向に走り出したり、近くまで来たと思ったら引き返したりします。GPSを見ていれば到着時刻もおおむね予想できるUber Eatsとは、似て非なる印象です。
実際にライフで販売されている商品とはどう違う?
ここまでが、Prime Nowのおおまかな仕組みです。ざっとまとめると以下のようになります。
- アプリから注文すると「ライフ」から最短2時間で品物が届く
- 取り扱いは生鮮食料品のほか、日用品なども幅広く対応
- 注文は2,000円から。10,000円を超えると配送料が無料になる
- 提供地域は東京・大阪を中心とした都市部に限定されている
では、このPrime Nowで注文できる商品は、実際にライフで販売されている商品とはどのような違いがあるのでしょうか。また、生鮮食料品の量り売りを注文した場合、どのように量や金額が計算されるのでしょうか。次回の後編では、こうした疑問点を解き明かしていきます。