楽天モバイルは9月30日、5Gのモバイル通信サービスを開始しました。月額2,980円、既存ユーザーもそのままアップデートされる料金プラン「Rakuten UN-LIMIT V」も注目ですが、気になるのはスマートフォンです。

  • サプライズ?の登場だったオリジナル5Gスマホ「Rakuten BIG」。「透けるカメラ」を備えています

楽天では5Gスマホ「AQUOS R5G」をすでに販売していますが、サービス開始にあわせてオリジナルモデル「Rakuten BIG(楽天ビッグ)」を投入しました。

楽天モバイル二子玉川店と楽天モバイル公式サイトでは9月30日発売で、価格は69,800円(税込)と5Gスマホにしてはお手頃です。

このスマホの面白い点は、「画面の下に隠れるインカメラ」を搭載したこと。有機ELディスプレイを透明な基材に印刷することで、端末のフチぎりぎりまで画面を広げています。いざ、カメラが起動した時にはインカメラの部分の表示が消え、画面越しにカメラが現れます。

このユニークな仕様は、日本で販売されるスマホとしては初めての機能となります。Rakuten BIGは日本向けのおサイフケータイ(FeliCa決済機能)に対応していることから、楽天では「FeliCaチップ搭載として、世界初のアンダーディスプレイカメラ搭載スマートフォン」をうたっています。

  • 「画面の下に隠れるインカメラ」でノッチレスの仕上がりに

  • カラーは3種類

Rakuten BIGは中国ZTE製

Rakuten BIGは楽天モバイルの自社企画製品となっているため、メーカー名は公にはされていません。そこで製造元を、楽天モバイルに確めてみました。

楽天モバイルいわく、Rakuten BIGの製造元は中国の大手スマホメーカー「ZTE」とのこと。楽天モバイルが製造数を購入し、販売するODM方式を採用しています。

中国ZTE(中興通訊)は、世界初のアンダーディスプレイカメラスマートフォン「ZTE Axon 20 5G」を9月初旬に発表しています。そのスペックをRakuten BIGと比べると、画面サイズやカメラの構成など、多くの点で共通しています。Rakuten BIGは同モデルをベースとしたものと思われます。

楽天モバイルは「国内でスマートフォンを快適にご利用いただく上で大切な機能の一つとして、モバイルFeliCaを搭載しています」と説明。自社ブランドの製品として販売するにあたり、独自のカスタマイズを行っている点を強調しました。

  • クリムゾンレッド

  • ホワイト

  • ブラック

もう1台のオリジナルスマホ、Rakuten Handは?

9月30日の発表会では、もう1機種のオリジナルスマホが発表されています。「Rakuten Hand」という端末で、リモコンのような細長い画面が特徴のスマートフォンです。こちらは今秋発売で、5Gは使えない「4G LTEスマートフォン」となっています。

  • Rakuten Hand

Rakuten Handの製造元は中国のTinno Mobile(深セン市天瓏移動技術)です。このモデルも同じくODM製造で、楽天ブランドを冠して販売されます。

Tinno Mobileは2月に発売された楽天モバイルの小型スマホ「Rakuten Mini」も手がけています。同社は受託製造に特化したスマホメーカー。傘下にはフランス発の格安スマホブランドWikoも抱えています。

  • 「Wiko」ブランドのスマートフォン

Rakuten Miniはスマホとしては小さな3.6インチの画面を搭載。Rakuten Handは「5インチ以上で細さ世界一」をうたう細長いディスプレイを採用と、どちらもあまり見かけないニッチな仕様です。Tinno Mobileはこうした特殊な仕様のスマホを柔軟に製造できる体制を整えているのでしょう。