NECは9月28日、ドコモが2020年3月から開始している5G商用サービス向けに、3.7GHz帯と4.5GHz帯にそれぞれ対応したマクロセル用の無線装置(RU:Radio Unit)とフロントホール分配装置(FHM:Front Haul Multiplexer)を提供すると発表した。

今回提供するRUは、オープンインタフェースであるO-RANフロントホールインタフェース仕様に準拠した、広域エリアをカバーするマクロセルタイプ。高効率かつ低コストな熱輸送技術を採用しており、小型化とともに低消費電力も実現しているという。

  • FHMによる分配・合成

FHMは、制御装置(CU/DU)とRUの間のフロントホール上で、1セル分の無線信号を最大12セル分に分配・合成が可能。1つのFHMで3セル分の通信容量を収容し、これを最大24セル分に分配・合成することができる。

これにより、通信量の少ないエリアにおいては、FHMを介することで、制御装置1台に多数のRUを収容し、高効率な運用が可能になるという。同FHMも、O-RANフロントホールインタフェース仕様に準拠しており、同仕様に準拠しているRUと制御装置との接続が可能。

NECは、5Gに向けてO-RANフロントホールインタフェース仕様に準拠した装置の開発をドコモと共同で進めており、すでに5G商用サービス向けには、制御装置、スモールセル用のRUを提供している。今後も多様なユースケースに対応した柔軟な5Gネットワークの構築が可能な装置を提供していく方針だ。