KingstonのゲーミングブランドHyperXから新型のワイヤレスゲーミングヘッドセット「Cloud Stinger Core Wireless」が発売された。以前レビューした「Cloud Stinger Core Wireless +7.1」から、バーチャル7.1chサラウンド機能をなくし、実売価格で9,000円前後という手軽な価格を実現。PCだけではなく、PS4やNintendo Switchでも利用が可能と、ワイヤレスのゲーミングヘッドセット入門機としてピッタリの存在と言える。
PC・ゲーム機に簡単接続、軽くて快適
ワイヤレス接続には、付属のUSBレシーバーをPCやゲーム機のUSBポートに取り付ける。無線は2.4GHz帯を使用し、最大12mまで通信が可能としている。バッテリー駆動は最大17時間。充電用としてUSBケーブルも付属する。本体側がType-C、充電器側がType-A形状だ。充電器は付属しないため、充電するにはPCや充電器のUSB Type-Aポートに接続する必要がある。なお、アナログ接続には対応していない。
PCにUSBレシーバーを接続するとヘッドホンは「スピーカー(HyperX Cloud Stinger Core(Wireless)-PS)」と認識、マイクは「マイク(HyperX Cloud Stinger Core(Wireless)-PS)」と認識される。PS4やNintendo SwitchでもUSBレシーバーと取り付けるだけで認識され、すぐに使用可能だ。ちなみに、Nintendo Switch自体にはボイスチャット機能は用意されていないので基本的にはヘッドホンとしての利用になるが、Nintendo Switch版のフォートナイトに搭載されているボイスチャット機能では問題なくマイクを利用できた。
本製品、最大の強みは「軽くてシンプルに使える」ことだろう。重量は公表されていないが、筆者の実測で243gとワイヤレスゲーミングヘッドセットとしては非常に軽い。装着していても重量感がないのは素直にうれしいところ。また、ノイズキャンセリング機能を持つマイクは、取り外しはできないが、下に向ければ有効、上げればミュートと分かりやすい。
ボタン類も左のイヤーパッドにダイヤルと電源のみとシンプル。とにかく手軽に友だちとボイスチャットしながらゲームを楽しみたい、というニーズにはピッタリと言える。それなら低価格の有線ヘッドセットでいいと思うかもしれないが、ワイヤレスの利便性は一度慣れると戻れない。ヘッドセットを付けたまま、飲み物を取りに行ったりなど、サッと席から離れられるのは有線にはない便利さだ。
装着感も良好だ。しっかりとホールドされ、頭を動かしてもズレにくい。イヤーパッドはメッシュ仕様でサラッとした触り心地。柔らかさでは合皮のイヤーパッドのほうが上ではあるが、蒸れやすいのが難点だ。その点、本製品は長時間の装着でも蒸れにくい。
またヘッドホンには40mmのドライバーを採用。複数のゲームや音楽で試して見たが、中音域がやや籠もりがちで、高音と低音が強い、いわゆるドンシャリな音質(やや高音を強調気味)。ただ、それによって銃声や足音、効果音などゲームプレイにおいて重要な音は聞きやすくなっているので、ゲーミングヘッドセットとしては理にかなったチューニングと言える。
安価でもしっかり使いやすい、入門に最適
ちなみに、HyperXシリーズはMicrosoft Storeで公開されているコントロールアプリの「HyperX NGENUITY」を使うことで、さまざまな機能を利用できるのがお約束だが、本製品は非対応。ワイヤレスという点を除けば、特別な機能を備えているわけではないので、当然と言えば当然か。
ワイヤレスのゲーミングヘッドセットとしては低価格、軽くて長時間のプレイでも疲れない。シンプルな使い勝手と誰でも手軽にゲーミングヘットセットの楽しさを体験できる。最近ゲームを始めて、ボイスチャットを楽しみたいと思っている人へのプレゼントとしてもよいのではないだろうか。