Microsoftは9月2日(米国時間)、「Announcing Windows 10 Insider Preview Build 20206|Windows Insider Blog」において「Windows 10 Insider Preview Build 20206」の公開を伝えた。Build 20206では絵文字ピッカーが改善されたほか、タッチキーボードデザインおよび機能の改善、開発者向けのアップデート、各種バグの修正などが行われている。

今回のビルドで導入された新機能の中で特筆すべきは、「Voice Typing(音声タイピング)」と呼ばれる機能だ。日本語にも対応しており、Windows 10, version 20H2およびこれ以降のバージョンにおいて、注目の機能になる可能性がある。

MicrosoftはこれまでDictation (ディクテーション)という形で音声入力機能を提供していた。Build 20206の「Voice Typing(音声タイピング)」は従来のディクテーションを新しく改善したものと位置づけられており、テキストフィールドがある場所ならどこでも音声入力が可能とされている。新しいデザインのタッチキーボードでの使用に最適化されており、さらにピリオドや疑問符が自動で追加される自動句読点機能が導入されている。改善されたエンジンの採用など、実用度の向上もある。さらに英語のみならず、Build 20206の段階で次の言語に対応している。

  • 日本語
  • 英語(米国)
  • 英語(オーストラリア)
  • 英語(インド)
  • 英語(カナダ)
  • 英語(イギリス)
  • フランス語(フランス)
  • フランス語(カナダ)
  • ポルトガル語(ブラジル)
  • 簡体字中国語
  • スペイン語(メキシコ)
  • スペイン語(スペイン)
  • ドイツ語
  • イタリア語
  • 使用できるボイスコマンドサンプル - 資料: Microsoft提供

    使用できるボイスコマンドサンプル - 資料: Microsoft

Build 20206の段階で、日本語においては自動句読点機能が動作しない。この点に関しては今後の開発でサポートが実現することが期待される。

以前のWindows 10の音声入力機能は、類似のサービスと比べても性能や利便性の面でそれほど目立ったところがなかった。しかし、今回追加された「Voice Typing(音声タイピング)」は最初から日本語がサポートされており、さらにボイスコマンドも使用できる。Microsoftは「Voice Typing(音声タイピング)」をWindows 10の基幹機能として導入することを目指しており、以降はWindows 10におけるテキスト入力の慣例が変わる可能性がある。特定のシーンではタイピングよりも音声入力の方が便利なこともあり、正式出荷までに実現される精度にもよることになるが、今後のWindows 10の代表的な機能になる可能性がある。