カシオ計算機の国内生産拠点である山形カシオの工場(山形県東根市)において、関数電卓を自動で組み立てる生産ラインが9月上旬から量産稼働を開始する。

現在、カシオの関数電卓は海外の自社工場で生産しているが、2017年8月にはタイ工場で関数電卓の自動組立ラインが稼働している(山形カシオが主導)。手作業をロボットに置き換えるなど、作業工程の約50%を自動化し、それからも生産技術の研究開発を続けてきた。

  • 山形カシオの工場、関数電卓自動組立ライン

今回、山形カシオの工場に新設した自動組み立てラインでは、関数電卓の本体を組み立てる工程の自動化率を高めつつ、前工程となる基板の組み立て、さらに後工程の梱包作業でも自動化を進めた。これにより、作業工数のうち約80%まで自動化を達成したという。今後はタイ工場でも同様に、関数電卓を生産する工程の約80%まで自動化を図り、さらなる省人化と効率化を追求していくとしている。

山形カシオの新しいラインで生産される関数電卓は、スタンダードモデルの「ClassWiz(クラスウィズ)」だ。高精細なモノクロ液晶画面を備え、数値や関数計算の式に加えて、度数分布表やヒストグラムなども表示できる。関数電卓は日本よりも海外でニーズが高く、学生が数学の授業で使うのも一般的。また、東南アジアなど教育市場の拡大が見込まれる地域でも、関数電卓での普及が進んでいる。

  • 山形カシオの自動組立ラインで生産される関数電卓「ClassWiz(クラスウィズ)」