ウェザーニューズは8月27日、今後の台風本格シーズンに備えて、工場、倉庫、店舗や病院などの施設管理者向けに、土砂災害や河川氾濫の災害リスクを把握する「災害対策判断支援サービス」の提供を開始すると発表した。

  • 「災害対策判断支援サービス」概要

同サービスは、警報が出されるような荒天時に、タイムライン(事前防災行動計画)に基づいた対策を実施するための判断の支援を行う。ウェブサイト上で同社独自の気象データや公的機関の気象・防災情報を一元的に確認できるほか、判断基準を「災害リスクスケール」という形で提供し、企業ごとに設定した72時間先までの大雨、風、河川氾濫、内水氾濫、土砂災害の各リスクスケールを最大6段階で表示する。「災害リスクスケール」が上下に変化する場合はメールやアラートで自動通知する。

また、同サービスを提供する前に、施設ごとに周辺の過去の災害の被害情報と気象条件を分析し、気象の警戒基準値とそれに伴った行動計画をあらかじめ段階的に設定を行う。これにより、警報が出されるような荒天が予測される場合に、各レベルに応じた対策を講じることが可能だ。

同社によると、現在の病院において気象情報を加味した災害対策は運用されていないことから、同サービスは病院に対して気象条件に応じた体制を推薦するサービスとしては日本で初めてだという。職員の出退勤時間の変更や入院患者の避難、医療機器の保守、備蓄確保などタイムラインに基づいた対策の判断に活用することで、病院防災の強化につながるとしている。

同社は今後、工場、倉庫、店舗、病院をはじめとした、さまざまな施設での防災対策として同サービスを展開していく方針だ。