VMwareは8月19日(米国時間)、「Announcing: VMware Fusion 12 and Workstation 16 - VMware Fusion Blog - VMware Blogs」において、向こう1、2カ月の間にリリースが予定されている次期バージョンの「VMware Fusion 12」および「VMware Workstation 16」について、主な新機能および変更点を伝えた。
次期バージョンからはライセンスおよび料金体系が変更となる。よって、該当する製品を利用している場合、今後の料金変更などに注意する必要がある。
次期バージョンで予定されている主な新機能や変更点は、次のとおり。
- macOS Big Surのサポート(ホスト、ゲスト)。Appleはこれまで仮想化アプリケーションが使用してきたカーネル拡張機能を廃止する方向で開発を進めており、VMware Fusion 12はこの変更に対応し、カーネル拡張機能を使わずに動作するように変更されている。
- コンテナエンジン「CLI vctl」に新機能を追加するとともに、VMware Workstation for Windowsで使用できるように変更。
- Direct3D version 11およびOpenGP 4.1をサポート。
- eGPUをサポート。
- vSphere 7への接続機能を提供。
- サンドボックス・グラフィックレンダリング・エンジンをサポート。
- USB 3.1仮想デバイスをサポート。
- リカバリパーティションからmacOSをインストールするためのAPFSサポートの追加
次のバージョンではVMware Fusion Standardが廃止され、代わりにVMware Fusion Playerと呼ばれるエディションが導入される(VMware Workstation Playerと同じ位置付に変更するため)。また、VMware Fusion Proのライセンス適用範囲が変更され、Windows版およびLinux版のVMware Workstationも同じライセンスが使用できるようになる。
こうした変更点をまとめると、以下のようになる。
- VMware Fusion Standardを廃止。これに替わるプロダクトとして「VMware Fusion Player」を導入する。VMware Fusion PlayerはVMware Workstation Playerに相当するモデルで、個人使用は無料となる。商用利用する場合はライセンスの購入が必要。機能はVMware Fusion Standardと同じ。
- VMware Fusion Pro 12のライセンスの適用範囲を拡大。「VMware Workstation Pro for Windows」および「VMware Workstation Pro for Linux」に対しても同じライセンスを使用可能。合計で最大3台のデバイスでライセンスを使用可能。
新規購入時のライセンス料およびアップグレード料は次のように変更される。
Fusion | 旧料金 | 旧更新料 | 新料金 | 新更新料 |
---|---|---|---|---|
Standard | 79米ドル | 49米ドル | ー | ー |
Player | ー | ー | 149米ドル | 79米ドル |
Pro | 159米ドル | 119米ドル | 199米ドル | 99米ドル |
Workstation | 旧料金 | 旧更新料 | 新料金 | 新更新料 |
---|---|---|---|---|
Player | 149米ドル | 79米ドル | 149米ドル | 79米ドル |
Pro | 249米ドル | 149米ドル | 199米ドル | 99米ドル |
VMware Fusion Proの新規購入は値上げ、アップグレードは値下げとなる。Workstation Proは新規購入もアップグレードも値下げとなる。VMware FusionとVMware Workstationでライセンス料をそろえることで、価格モデルをわかりやすくするほか、VMware FusionとVMware Workstationでライセンスの相互利用を可能にすることを狙っていると見られる。